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第61話 新しい仲間

 今日は楽しみすぎて起こされるより先に起きてしまった。

薄く目を開けると周りが白いので、ルルがベッドを覆ってくれているみたいだ。

視界の端に見えるマリンを寝返りっぽく見せかけて抱え込む。

おとなしくつかまるマリン。

リトが私の様子を伺っているので、マリンを抱えてそのまま寝たふりをする。

リトが顔の近くまできたので、片手でリトも捕まえる。

そのまま2体をモニュモニュして、小さく笑いが漏れてしまう。

"おはよう。捕まえたよ"

""捕まったー""

"ルルありがとう。もういいよ"

ルルが覆っていた身体を戻して、飛び込んできたけどまだ寝っ転がっていたし両手でマリンとリトを持っていたので受け止めきれずに体当たりを食らってしまった。

身体を起こして、ルルを捕まえてモニュモニュしてやり返す。

丁度ダンさん達も起きていたみたいで、朝から笑われた。

「おはようございます」

「おはよう。朝から元気だな」

「騒がしくしてすみません。起こしてしまいましたか?」

「いや、起きていたから気にするな」

皆起きだして、防具を付けて出発の準備をする。

今日は街の外に行くので、スライム達には両肩と首に居てもらう。

朝食を食べたら、昨日カイさんが聞いてきたスライムが居そうな場所をいよいよ探索しに行く。

朝食を早々に食べて、出発する。

鉱山の中に入るのは許可証が必要なので入れないけど、聞いてきた場所は鉱山入り口周辺の山肌なので、鉱山入り口に近づいたらサーチでスライムを探すことになった。

入り口目指して歩いているけど、早い時間だけど既に鉱山に入る人たちが続々向かっている。

なんか乗合馬車みたいなので鉱山に入る人たちを連れていくイメージだったんだけど、乗合馬車もあるけど歩いている人も多い。

はぐれない様によそ見をしないで付いて行った。

入り口が見えたところで、山の横道にずれていく。

山だけど殆ど木が無く岩など地面がむき出しで、草原との違いに期待が高まる。

サーチを使用してスライムを探して、ロウさんと相談して出来るだけ数が多いところを狙って移動する。

スライムが視認できる場所まできた。

周りは岩と土、そして温泉が湧いているのか小さいけれど湯気が出ている水たまりがある。

そこには、白と青、緑、赤、茶色のスライムが居た。

(やった、新色のスライム)

幸いスライムの数が多いから4人が新しい色を1人1体づつテイム出来る。

私たちはそれぞれ散らばり、目当ての子をテイムするために動いた。

私は目当ての子を群れから離すために、土魔法でその子たちを囲むように壁を作って隔離した。

隔離しても不用意に近づくと他のスライムをテイムしてしまうので、私の方に連れてこれるように隔離した壁と私の間に壁で通路を作る。

私のところまで壁が伸びたら隔離した壁の一部を通路とつながるように壊した。

これで移動してくれればよかったんだけど、その場にのんびりいるのでスライム達の場所に水を発生させて水の流れを使用して2体のスライムを何とか通路の方に入れることが出来た。

後戻りしないようにスライムが進んだら後ろに壁を作り、また水を発生させて移動させるって事を繰り返して、ようやくすぐ近くにスライムが運ばれてきた。

怪我をしないように両手に普通のバリアをまとわせて、それなりの力で2体のスライムをボムって叩き始めた。

今までは体当たりしてきたのをはじいたら何故かテイムしていたので、狙ってテイムするのは初めてだ。

でも私はスライムと相性がいい。

何回か叩いたら様子が変わったので鑑定したらテイム待機状態になっていた。

「赤い子の名前はローズね。茶色の子はアンバー。よろしくね」

""マスター""

「この白い子がルル、青い子がマリン、緑の子がリトだよ」

新しい子たちと早速くっついてモニュモニュしている。

歓迎といつもの最初に教えていることを教えてくれているんだろう。

"ルル、交流しているところごめん。ルルのバリアに私を入れてもらっていい?"

"はーい"

ルルに戻ってきてもらってバリアに入れてもらう。

マリンとリトがローズとアンバーと大きさを変える練習をしている。

毎回知り合いの新しい子にやっている練習だから、マリンとリトもお手の物だ。

ダンさん達を見てみると、狙いつけた子が逃げないようにしながら叩いている。

3回目のテイムだからか手つきが慣れている感じがして、勉強になる。

横から見ていると叩かれているスライムも、丸い状態でボールみたいに跳ねている子、餅か何かの様に叩かれたところがへこむ子、全く気にせず取り込んだものを消化しようとしている子。

全く気にしていない子はテイム出来るんだろうか……。

ローズとアンバーの大きさを変える練習を見守りながら周りにある石や岩を収納していく。

すこしだけ生えている草もむしって収納する。

そろそろお昼って頃に、ロウさんが赤色のスライムをテイム出来た。

それからすぐにダンさんが茶色のスライムをテイム出来た。

カイさんは全く反応しないスライムを諦めずに叩いているけど……。

「はぁ、こいつは無理そうだな。とりあえず昼にするか」

全く反応しないスライムを諦めて、カイさんの方からお昼休憩を言ってくれた。

周りを警戒しながらなので、雑談はしないで片手で食べられるものをさっさと食べて、ダンさんとロウさんは別の色のスライムを狙い、カイさんは新しいこに狙いをつけてテイムしに行った。

私はダンさん達の新しいスライムを含めて大きくなる練習をしているスライム達の横で、木のメダルが無くなってきたので作業を始めた。

何も書いていない木の板を2枚出して、前回と同じように半分の薄さにした後に直径5cm程のコイン状に切り抜く。

20個ほど作成して、2枚残して収納しておく。

2枚にはみんなと同じ富士山のマークと反対の面にはローズとアンバーの名前を焼き付ける。

今は練習頑張っているから終わったらローズとアンバーに渡そう。

(喜んでくれるかな)

作業を終えたので、スライム達を見守りつつ周りを警戒する。

他の人達もスライムを叩きながら警戒はしているだろうけど、一番何もしていない私が周りを警戒しなきゃ。

カイさんは今度は反応があるスライム相手に叩いている。

ダンさんとロウさんはまだテイムしていない色のスライムを叩いている。

まだまだ時間がかかりそうだ。

周囲の物を時々収納しつつ、警戒しているとカイさんがテイム出来たみたいだ。

カイさんは嬉しそうにこちらにスライムを見せた後に、スライム達が集まって練習している場所において仲間に入れていた。

カイさんのスライムのレオとフィンも一緒に混ざったみたいだから大丈夫だろう。

仲間スライムがたくさんいてポヨポヨ練習しているの見ていると和んでしまう。

スライムを置いたカイさんは、新たに狙いをつけたスライムをテイムしに向かっていった。

まだ時間はあるし、もう1体づつテイム出来るかもしれない。

その後も周囲の物を時々収納しながら警戒を続けていると、そろそろ帰る時間になった。

結構粘ったけど今回の子は相性悪かったのか3人ともテイム出来なかった。

"ねえ、みんなはマスターと相性がいい子ってわかるのかな?"

"マスターはスライムと相性が良すぎて、悪い子ってのが私達にはわからない。他の子たちにちょっと聞いてみるね"

ルルは私をバリアで包んでくれているから、マリンが他の子達に聞いてみてくれている。

"マスター、何となくわかるみたいだよ。どっちかって言うとダメって子が分かるみたい"

"それが分かるだけでも凄いよ。明日はテイム出来るかもしれないね"

練習するために集まっていたスライム達の所に自分のスライムを迎えに行って、ローズとアンバー以外は肩や首に戻ってもらう。

ローズとアンバーは従魔登録をするので抱えていく。

練習のおかげで大分大きさを変えられるようになったみたいで、小さくなってくれているので持つのも楽だ。

無事に街に入れて、ギルドに行って従魔登録をしてもらう。

新しくテイムした全てのスライムの登録が終わったので、宿に戻って夕食だ。

みんな早く新しいスライムと交流したいので、雑談しないで早く食べた。

部屋に戻ってクリーンをかけて、椅子に座ってスライムを膝に乗せる。

「あ、さっきうちの子に聞いてもらったんですけどスライム達は自分のマスターと相性の悪い子が分かるみたいなので明日はスライムに聞いてからテイムする子を選ぶといいかもしれません」

「そんなこと出来るのか?」

「うちの子に聞いてもらったので、自分で聞いてもらえるとより正確にわかると思います」

みんな自分のスライムに詳細を聞いているみたいなので、その間にローズとアンバーに従魔のコイン渡した。

「これはルルやマリン、リトにも渡して消化しないで身体の中に入れてもらっている従魔の証ね。みんな同じマークで反対にはローズ、アンバーの名前が入っているよ。受け取ってくれるかな」

""嬉しい""

触手を伸ばしてきたので、証を渡してあげる。

器用に触手から身体に証を移動させて、こちらに見せてくれる。

可愛いので2体をなでなでしたら、嬉しいって感情が伝わってきた。

今日は先輩スライム達は新人に譲っているのか突撃はしてこない。

その気遣いがかわいいので、5体まとめて膝にのせてギュってした。

頭や背中に移動する子もいれば、そのままギュってされている子もいる。

皆でわちゃわちゃして楽しんでいたら、ダンさん達に笑われていた。

「楽しそうだな。ムム達に聞いたらなんでか分からないけど相性が悪そうな子は分かるって。明日もテイムしに行ってもいいか?」

「もちろんです。私は警戒しますね。スライム達は練習していると思いますけど」

「頼んだよ。じゃあ明日もスライムテイムだな」

「そうと決まれば明日も早いですよね。もう寝ますね。お休みなさい」

お休みが帰ってきたので、ベッドに行って防具を外して手分けしてクリーンをかける。

この時にローズとアンバーは出来ないけど、クリーンをかける先輩たちをじっと観察していた。

うちの子はやっぱり頑張り屋さんだ。

ベッドに入って、スライム達にお休みを言って目を閉じた。

明日は自分はテイムする気はないけれど、ダンさん達がテイムするのも楽しみ。

ウキウキしたまま眠りに落ちた。


ブックマーク、評価、いいねをありがとうございます。

大変励みになります。

誤字報告もありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

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