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第55部分 柔軟仲間

 途中、お手洗いで起きてその際に水分補給はしたけど、結局朝まで眠ってしまった。

流石にスライム達に起こされる前に起きて、体を起こした。

「おはよう。凄く長く寝ちゃった」

ダンさん達にお礼を言いたいけど、今日は出発だって言っていたから戻って来てからお礼を言おう。

クリーンをかけて、水分を補給する。

夕食を抜いているので、今日は先に朝食を食べて休憩してから広場で軽く運動をしてカレンとサラを待つことにする。

昨日スライム達も食べていなかったので、床に草を出してスライム達に食べさせてあげる。

私はその隣で、しっかり噛んで食べる。

私もスライム達も食べ終わったので、クリーンをかけて片づけをして広場に行く前にカレンとサラの部屋に寄ったら音が聞こえたので、ノックをして声を掛けた。

「おはよう、ニーナだよ。ドアは開けなくていいよ。広場に居るから準備終わったら広場に来てくれる?」

「おはよう。びっくりしたよ。準備終わったら広場ね。了解」

返事をもらったので、延泊手続きをしてから広場に行く。

広場でいつも通りに隅にスライム達を降ろして、私は柔軟をして走り込み素振りを行う。

一通り終わった後は、軽い柔軟をしてカレンとサラを待つことにした。

相変わらずペタッと身体が付くのは楽しいね。

楽しく柔軟していると、カレンとサラが広場にやってきた。

「おはよう」

「おはよう。体柔らかいね」

「うん。前は堅かったから楽しくて」

「マジ?」

「マジ」

「私もやってみよう」

サラが私の隣で身体を曲げると、見事にペタってくっついた。

それを見たカレンも隣でやったら、同じようにくっついた。

3人並んで座って、足を延ばして身体をペタってくっつけている。

そんな変な空間が出来上がった。

「これから柔軟するわ。今から続ければ大人になっても柔らかいままでいられるかも」

「私もする」

「いいね。私はもう少し早く起きて、ここで柔軟と軽く運動して朝食食べて部屋で二人の準備が終わるのを待っているよ」

サラとカレンは驚いたようで身体を起こした。

「そんなことしてたの?」

「私も明日からしよう」

「無理することは無いけど、やった方が体力つくし。それに、逃げるには体力必要だから」

サラとカレンは決意したように、うなずいた。

「やっぱり明日から私もする」

2人とも朝の運動に来るみたいだ。

「まあ、明日からね。今日の薬草採取に行こう」

3人で街の外に行って、ある程度の所で草原に入ってサーチを駆使して薬草を採取する。

今日の目標は一人15束を目指して頑張っている。

2人も薬草採取に慣れてきて、最初の頃より集めるのが速くなっている。

サクサク集めて、お互いが離れすぎないようにしながら場所を変えながら集めていく。

お昼が少しだけ遅くなったけど、目標の一人頭15束を達成することが出来た。

お昼を食べたら、少しだけ別行動させてもらって角ウサギを狩猟しに行く。

最近は無理せずに1グループ倒したら終わりにして、カレンとサラの場所に戻ってきている。

なのでサーチで3体以上の角ウサギグループを探して、討伐している。

一番近い3体以上の角ウサギの場所に移動して、手分けして討伐してしまう。

今回は4体いたからみんな一体ずつ討伐出来た。

血抜きを素早くして、カレンとサラの所に戻る。

明日は角ウサギに行くかどうかを話そうと思っている。

草原を移動して、サラとカレンの場所まで戻ってきた。

2人は魔法の練習をしていた。

「ただいま~。魔法の練習成果はどんな感じ?」

手を振ってカレンが答えてくれた。

「狙ったところに水球が発動できるようになったよ。バリアもお互いが叩いても壊れないようになったよ」

「バリアはイメージがしやすいから全身覆うようにも出来たよ。反射や受け流しは練習中」

サラがバリアの状況について補足をしてくれた。

「明日は、2人はどうしたい?角ウサギに行ってみる?とりあえず1カ月は安全な薬草採取と練習で過ごしてもいいと思うよ」

カレンとサラのお父さんが言っていた1カ月にはまだ時間がある。

その間は安全第一で過ごすのがいいというのが私の意見だ。

「でも稼ぎは少ないよ」

カレンが不満そうだけど、サラは私の意見に同意みたいだ。

「私はニーナの意見に同意だよ。焦って怪我したらお父さんたちと合流した時に泣くよ。泣き止まないよきっと。慰めるの1人で頑張ってね」

カレンは口を尖らせたけど、サラの意見に納得したみたいで父親たちと合流、もしくは1カ月過ぎるまでは薬草採取と魔法などの練習をすることになった。

とりあえずの方針が定まったので、前から聞きたかったんだけど聞くタイミングを逃したことを聞いておくことにした。

ここなら他の人に聞かれる心配もないし。

「ねえ、カレン。初めて会った時に私を見てすぐに日本人って言ったんだけど覚えている?」

「うん。パニックになっていたけど覚えている。それで少し冷静になれたんだし」

「なんで日本人だって思ったの?」

ずっと気になっていたんだよね。

色彩とかもだけど、微妙に顔だちとかはこちらの世界になじむようになっているはずなんだけど。

もしかしてたいして変わっていないのか?

「こちらの世界って人の色彩が豊かじゃない。もちろん黒髪の人もいるし目の人もいるよ。でもニーナを見た時に何故か日本人って思ったんだよね。そしたら口からも出ていたんだ。ニーナもなんで認めたの?ごまかすことも出来るだろうし、私が転生者ってその頃は知らなかったでしょ?」

直観でそう思って、言葉として出ちゃってたのか。

「今の私が浮いているってわけじゃないのね?」

「浮いてないよ。黒髪の人もいるしニーナの眼は明るい茶色でしょ。顔だちも日本人だった頃より深いんじゃないかな?まあ、元の顔知らないけどね」

サラが安心させてくれることを言ってくれた。

「良かった、浮いてなくて。私があの時元日本人て認めたのは、その前にカレンが救急車って言っていたからだよ。そしてお父さんっも居なくなったって言っていたし。それでカレンも元の世界に関わりあるけど同時期に転移した人ではないって判断したの。同時期にきた転移者だったらどう反応していたか正直わからないかな」

改めて考えたら、親子で転移した人が居ないって確証無いから同時期の転移者だったかもしれないね。

「救急車って言ってたの?」

「ばっちり言ってた」

「救急車で日本人でしょ。もう同じ世界か似た世界に関わりある人決定じゃない。同じくらいの年齢で同性だからね。倒れたサラを背負って街まで行くことが出来る力もあったし助ける事にしたの」

カレンはなるほどって納得していた。

サラは改まって私を見た。

「本当にあの時は助けてくれてありがとう。この世界では見捨てたとしても誰も非難はしないし、倒れた私が一番悪かったんだから」

どうやらサラはまだ、あの時の事を悔やんでいたみたい。

「仕方なかったんだよ。いきなりの保護者無しでの野営を続けてケイアまでたどり着けただけ頑張ったってことだと思うよ」

「いやいやニーナ、野営はしていないよ。町の宿に泊まったよ」

カレンが慌てて私の勘違いを訂正した。

「町で泊まったのに疲労が凄かったってことは、無理して移動していたの?」

「カレンにも言えなかったんだけど、町の宿では熟睡していないのよ。侵入者がいるんじゃないかと思って」

サラが申し訳なさそうに言った。

「父親からも危険性を言われていたから、ほとんど寝ていなかったのよ」

カレンがサラの手をとって謝った。

「ごめん。私も交代で警戒すればよかったのに、そのことを気にせず寝てしまったからサラが無理して守ってくれていたんだね」

カレンが泣きそうになりながら謝っている。

「私が眠れなかっただけだから、気にしないで。カレンも助けてくれてありがとう」

サラはカレンに感謝を伝えていて、本当に仲がいいんだなって感じる。

「まあ、これからは無理しないってことでいいじゃない。でも一度角ウサギの狩猟についてくる?ステルスとバリア使えば見ているだけならほとんど危険はないと思うよ」

「見たい!でも、多少は危険なんでしょ?なんで提案しているの?」

「そうね。安全第一のニーナが提案するんだから、理由があるんでしょ?」

「理由はあるよ。鑑定しておけばサーチで探せるようになるでしょ。狩猟した後の物でよければ今でも出来るけど鑑定してみる?」

一応狩猟後の角ウサギを鑑定してみるというので、1体その場に出した。

「鑑定終わったら言ってね。収納するから」

2人が角ウサギを見つめているから鑑定しているんだろう。

そのうち2人が終わったと声を掛けてくれたので、角ウサギをクリーン掛けて収納した。

今日はそこまでにして、後片付けをして街に戻る。

ギルドで薬草買取で1,800ルーだったので分けて600ルー。

私が角ウサギを出して2,400ルーで買い取ってもらえた。

3人でスープとパンのセットを購入して、席で分けて食べる。

「2人は余裕あるんだから別なの食べていいんだよ」

前から気になっていたので言ったのだが、節約は大事だって返されてしまった。

「ニーナは朝食をどのタイミングで食べているの?運動後?前?」

「私は起きたら水を飲んでから運動、その後に朝食を食べてカレンとサラを待っているよ」

カレンの疑問に答えると、カレンとサラが相談し始めた。

「私たちも運動してから食べる事にするわ。出発は今日までと同じくらいでいいのよね」

「もちろん。だから早めに起きて運動しているんだ」

「サラ、起こしてください」

「わかってるわよ」

どうやらサラの方が朝に強いみたいだ。

食べ終わったので、皆で食器を返して宿泊所に戻る。

部屋の前で挨拶をして別れて、部屋に入る。

防具を外して手分けしてクリーンをかけて、ベッドに入る。

「そろそろスライムをテイムすることを勧めようかな」

"安全第一でしょ"

"スライム討伐もそれなりに危険だよ"

"機会があればでいいんじゃない"

「そうだよね。安全第一だよね。うん、機会があればでいいか。相談に乗ってくれてありがとう。明日も起こしてね。お休みなさい」

"""お休みなさい"""

昨日あれだけ寝たのに、もう眠くなっている。

あっという間に睡魔に飲み込まれていった。




ブックマーク、評価、いいねをありがとうございます。

大変励みになります。

これからもよろしくお願いします。

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