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第52話 仲間が出来た

 今日は頭のてっぺんを冷やされて起こされました。

「おはよう。今日も起こしてくれてありがとう」

いつもと同じようにクリーンをかけて広場に向かう。

広場の隅でスライム達を降ろして柔軟をする。

今日は外に出ることないだろうから朝の時間は柔軟を念入りに行う。

普段の朝食の時間までじっくり柔軟を行って、部屋に戻る途中で延泊手続きをして部屋で急いで朝食を食べる。

急いで食べて、広場に戻って食べたばかりだから隅で私は休憩し、スライム達にはアイテムボックスから出した草を食べさせる。

今日は話によってはお昼に食べさせてあげられないかもしれないから。

のんびりスライム達が草を食べているのを見てゆっくりする。

スライム達が食事を終わったので、朝やっていなかった走り込みと素振りを行う。

一つ一つをいつもより時間をかけて行って、休憩をはさみながら繰り返した。

もうすぐお昼って時間になって、カレンが広場に顔を出した。

「ニーナ、待たせてごめん」

「おはよう。サラは起きた?」

嬉しそうにうなずいたので、スライム達を回収してカレンのあとをついてふたりの部屋にお邪魔する。

ベッドの上でサラが身体を起こしていた。

「サラ、この人が昨日助けてくれた転移者のニーナだよ」

カレン、その紹介の仕方はないと思うよ。

「カレン、さらりとすごい事言ってるけどニーナさんに許可取ってるの? ニーナさん、助けていただいてありがとうございます。カレンが言うには転移者とのことですが……」

サラさんはもしかしたら社会人だったのかもしれないね。

「はじめまして。どうぞニーナと呼んでください。カレンが言った通り1ヶ月ほど前に転移したばかりの元日本人です」

「ご丁寧にありがとうございます。私のこともサラと呼んでください。転移した人もいるんですか」

「結構居ると思いますよ。転生者はどうですか?」

「それなりの人数だった気がします」

「サラもニーナもかしこまり過ぎ」

口を尖らせているカレンを見て、サラを見ると向こうもこちらを見て思わず2人して吹き出してしまった。

「何よー」

「ごめん気にしないで、確かに10才であれはないわ。お腹すいていない?所持金とかは大丈夫?」

笑い出した私たちにカレンが拗ねてしまった。

気になっていた所持金を確かめると、父親が万が一の事を想定して一冬は越せるだけの金額や物資を常に持たされていたみたい。

「お父さんたちはダンジョンに行く時は最悪を想定して指示していたから……」

「素敵なお父さんたちだね」

2人ともうなずいている。

「動けるなら食堂に行く?それともここで食べる?」

「出来るならここで食べたいな。情報交換もしたいし。食堂で転生とか転移とか言えない」

「でも、ここで食べられる?ベッド殆どくっついてるくらい狭いよ?」

確かにベッド2つ入っている分私の部屋より広いけど、それにしては狭いよね。

「カレンとサラは椅子って持ってる?」

持っている返事が返ってきたので、サラが横になっていないベッドを1つ収納した。

1つ出したままなのは、食べ終わったらサラに横になってもらうためだ。

部屋にクリーンをかけて、丁度よさげな量の石を出して円卓を作った。

「ニーナ、まだ1カ月なのよね?スムーズに魔法を使うのね」

「そりゃ稼がないと生きていけないし」

とりあえず、カレンとサラは昨日の夕食と朝食を抜いている状態なのでまずは食べないと。

とは言っても、所持金が一番低いのは私なので奢るとかはしない。

各自アイテムボックスから食事を取り出して食べる。

今日は外行かないからトルティーヤはいいや。

食べ終わったら、各自クリーンをかけて、作ったテーブルも収納してしまう。

念のためサラにはベッドで横になったまま、会話を続けることにした。

会話で分かったのは、

・カレンとサラの父親たちは今回のダンジョンでダーモットを出て、ケイアに拠点を移す予定だった

・ケイアでカレンとサラを冒険者登録して一緒に活動して教育する予定だった

・ダンジョンに行く際に帰還予定より3日過ぎたら、ダーモットを2人で出てケイアに行き、冒険者をしながら1カ月待機

・1カ月過ぎても父親たちが来なければ死亡とみなして2人で協力して生きていけ

・念のための物資と一冬は越せそうな資金などをそれぞれに持たされている

ってことだった。

ダンジョンのどの階層に行ったかとかは絶対に言わなかったんだって、言っていたら探しに来るだろうから言わないって言われたってサラが嘆いていた。

現状はわかったので、昨日から思っていた事を提案した。

「とりあえず、1カ月安全第一で冒険者やるんだよね。良ければだけど、私と組まない?」

サラとカレンは顔を合わせて頷いた。

多分、私を呼びに来るまでに少し話し合っていたんだろう。

「こちらからお願いしようと思ってたんだ。こちらこそ組みたいです」

「ニーナが一緒なら何とかなりそう」

サラの方がやっぱり冷静だね。

「ねぇねぇ、ニーナは転移した時に何かに会った?」

あぁ、やっぱりこの話題は出るよね。

「会ったよ。ツアーコンダクターみたいな人にお土産屋みたいな売店に案内されたよ。そこでポイント貰って買い物した内容からスキルが与えられたよ。転生の時には誰かに会ったの?」

「うん。なんか秘書みたいな人にアナウンスされたよ。ボーナス初期能力は鑑定とアイテムボックスの時間停止の小サイズと基礎魔法。それ以外は30連ガチャって言われた」

転生組はガチャだったんだね。

内容分からない買い物とどっちがましなんだろう。

「ガチャはかぶりもあって、その場合はレベルが上がるって言われた。でもそれを適応するかどうかは任せるって。30連ガチャで出たカードで捨てるか適応するかを悩む時間があったよ」

それからはサラとカレンがどのようなスキルが貰えたかを聞いた。


サラのスキル

基礎魔法 

アイテムボックス(大 時間停止)

Lv.1

 鑑定  料理

 掃除  裁縫

 調合  水魔法

 風魔法 火魔法

 剣術  弓

Lv.2

 光魔法 サーチ


カレンのスキル

基礎魔法 

アイテムボックス(特大 時間停止)

Lv.1

 料理  水魔法

 土魔法 火魔法

Lv.2

 鑑定  サーチ

 剣術

Lv.3

 光魔法


後は自力取得したステルスをそれぞれ取得しているんだって。

私のスキルも同じように教えた。


ニーナのスキル

基礎魔法

アイテムボックス(特大 時間停止)

地図

遠見

瞑想

テイム(スライム)

Lv.1

 木登り 投擲

 棒術

Lv.2

 体捌き 鑑定

 土魔法 風魔法

 火魔法 ステルス

 剣術  

Lv.3

 水魔法 光魔法

 サーチ

Lv.MAX

 掃除 調理

 裁縫

 

スキル取得しやすくなる1カ月間のおかげで最初よりもスキルがある事と、丈夫な服と3日間の生活費3,000ルーがすべてだったことも合わせて話した。

「これ、どっちがましかだなんて言えないね」

「だね。私たちは親に恵まれたとはいえ現段階で所持金や持ち物では私達のが恵まれていますからね」

「転移者はスキルの取得が上手くいけば凄いけど、最初に3,000ルーだと不安しかないよ。武器買えるの?」

それぞれの立場から見ると、どちらもどっちな現状がよくわかる。

転生者は親にもよるけど、大人の庇護下で常識をゆっくり手に入れる事が出来るがスキル取得などは運要素が強い。

転移者は初期資金が少ないけど、現実が受け入れられるかとかスキル構成など、最初の生活が成り立たせられなければ詰む状態になる。

「人じゃない人の考えなんてわからないね。まるで実験してデータを集めているみたい」

私もサラと同じように感じていたのでうなずいてしまった。

「まあ、わからないことはいいよ。ニーナ、私たちのスキルで冒険者出来そう?」

「出来ると思うよ。最初は午前中に薬草を採取して、午後は魔法の練習をして。私はその間に角ウサギを狩猟してきちゃうから。報酬は3等分でいいかな?」

「ニーナも一緒にやるなら薬草は3等分でいいけど、角ウサギはだめだよ。私たちの方が資金に余裕があるんだからまずはニーナの資金を貯めなきゃ」

「そうそう、すぐに角ウサギ狩猟に追いついて見せるから午後は自由時間ってことにすればいいんだよ」

2人に強くそう言われたら押し付けられない。

確かに資金力で言えば、私が一番少ないんだから。

「わかった。効率のいい角ウサギの狩猟の仕方を教えるからね」

「やったー。期待してる」

街の外に行くのは明日からと決まった。

サラの体調の為にはもう一日休んでもって言ったんだけど、もう大丈夫って押し切られた。

カレンとサラは延泊手続きと冒険者登録に1階に行くことになった。

部屋を出る前に収納しておいたベッドを出してクリーンをかける。

すっかり夕食の時間なので、2人に夕食どうするか聞いたら念のため部屋で食べるというので今日はここまでにすることにした。

明日はギルドの広場で待ち合わせをしてから外に行くことを確認して、私は食堂に向かった。

今日も微妙にこちらを伺っている気配があるけど、気付かないふりをして夕食を食べて、早々に宿泊所の部屋に戻る。

「今日は午後はじっとしていてくれてありがとう。冒険者の仲間が出来たよ」

"マスター良かった"

"明日は外?"

"角ウサギ行く?"

「ありがとう。明日は午後は角ウサギを狩りに行くよ。順番にしようね」

"""わーい"""

「明日は少しだけ早く起こしてくれる?運動してから食べたいから早めに起きなきゃ」

"""わかったー。お休みなさい"""

「お願いね。お休みなさい」

思わぬ出会いから、冒険者の仲間が出来た。

カレンとサラの父親が無事でケイアにたどり着いた後はどうなるかわからないけど。

明日は早い、目を閉じるとスーって眠りに落ちていけた。




誤字の報告ありがとうございます。

助かります。



ブックマーク、評価、いいねをありがとうございます。

大変励みになります。

これからもよろしくお願いします。

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