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第50話 スライム観察

 目元がひんやりして目が覚めた。

目が開かなくて一瞬焦ったが、マリンが目元にくっついて冷たくしているみたいだ。

マリンをつかんではがして、身体を起こす。

「おはよう。くっついてると目が開かないよ」

つかんだマリンをモニュモニュしてから離すとルルとリトも待っていたので、モニュモニュする。

クリーンをかけて広場に行って、隅でスライム達を降ろして日課の柔軟、走り込み、素振りのセットを行う。

どこかのんびりした気分で、延泊手続きして部屋に戻る。

朝食を食べながら今日何をしようか考えて、1つやりたいことが浮かんだ。

「今日の予定だけどさ、午前中に角ウサギを狩猟して、午後に野良のスライム観察したいんだけどいいかな?」

"""スライム観察?"""

「うん。うちにはルルの白、マリンの青、リトの緑がいるでしょ。他の色のスライムはいないのかとか、何しているのかとか見てみたいなって」

"私たちはいいんだけど、テイムしちゃわない?"

「だからみんなの協力が必要なの。前みたいに誰かのバリアに私を入れてほしい」

スライム達が相談したのか、ちょっとくっついてから返事が来た。

"私が一番バリアに慣れてるから私が全員を包むね"

"その内側に練習のために私とリトもバリアするよ"

ルルのバリアが一番外側で、その内側に練習のためのバリアをマリンとリトも作るってことだね。

「ありがとう。お願いね。新しい色の子が居たらテイムしようか」

"""おー"""

午後のスライム観察を楽しみに、角ウサギ狩りに向かう。

サーチを駆使しながら草原を移動して午前中に角ウサギを5体狩猟出来た。

お昼を食べて、お楽しみのスライム観察の時間だ。

サーチで野良スライムの反応を探して、そちらに向かう。

視認できるほどの距離に来たら、スライム達にバリアを任せて徐々に近づく。

ある程度の距離で、ステルス且つ静かにじっとする。

野良スライム達はこちらに気付くことなく、ただ移動して草を消化して移動するを繰り返している。

ここには5体以上いるけど、色は確かに白青緑ばかりだ。

しばらく観察する。

(野良スライムは本当に食べる事しかしていないんだ)

移動してそこにある草を食べて、また移動して。

移動中に他のスライムに当たったら微妙に方向を変えて草を食べて。

うちの子達と比べると草を消化するのも時間かかっているよね。

元の世界には絶対に居ない魔獣なので、見ていると面白い。

でも、ここの野良スライム達はもう変化ないみたいだから次に行くかスライム達に討伐させるかスライム達に決めてもらうか。

"次の野良スライムに行こうと思うんだけど、あそこの野良スライム討伐してくる?"

"""する!"""

力強く同意されたので、私が少し下がってからバリアを解除して討伐に向かった。

うちの子達にとっては野良スライムは基本一突きで討伐できるので待ち時間も長くない。

サーチで次の野良スライムの反応でどこに向かうかを考えている間に戻ってきた。

"""ただいまー"""

"お帰り。早かったね"

腕の中に飛び込んできたスライム達を受け止めて、それぞれ自分の場所に移動する。

次の場所は人が居ない場所に決めた。

楽しんではいるけれど、慎重に草原を移動して目当ての野良スライムの所に移動する。

慎重に進んで、また目視が出来るところまで進んだらスライム達のバリアに入れてもらう。

スライム達のバリアに守られて、もう少し進むとここには小さな湧水がある事が分かった。

小さな水たまり程度の大きさだけど、何体かのスライムが水にプカプカ浮かんでいる。

(野良スライムも水遊び好きなのかな)

観察を続けると、ここもさっきの場所と同じように移動して草を消化している個体もいる。

でも移動して水に入ってプカプカしている個体もいる。

本当に形が定まってなくて、ドロッとした個体や丸い個体など本当に様々だ。

(スライムって本当にわからない)

ここの色は白青緑の3色だけか。

"新しい色の子いないね。次の場所に行こうか"

"""じゃあ討伐してくる"""

そう言ってスライム達は討伐しに行ってしまった。

(うちの子達元気だな)

野良スライムの数が少なかったので、すぐに戻ってきた。

「お帰り。今日はあと一か所くらいは見に行けるかな」

待っている間に次行く所を決めておいたので、すぐに移動を開始した。

以前石を集めた場所のすぐ近くに野良スライムがいるみたいなので石の補給も兼ねてその場所まで移動する。

草原の中なんだけど、何故か石や岩が転がっている場所なんだよね。

誰かの魔法の跡なのかもしれない。

ある程度の大きさの石を収納してため込んでおく。

加工してもいいし、落としてもいいし、いくつあっても無駄にはならないから。

岩場を越えて、野良スライムが見える位置にたどり着いた。

またスライム達のバリアに守られながら野良スライムを観察する。

ここのスライムも基本移動してのんびり草を消化している。

時々小石を取り込んで消化している個体もいるみたい。

"みんなも石食べる?"

"食べられるよ。でも草と同じ"

"やっぱり同じなんだ。ありがとう"

スライムってやっぱり謎だよな。

観察を続けていると、時々石の上に載って転がって落ちる個体が居る。

遊んでいるのか、ドジなのか。

ここの野良スライムも色は白青緑だけみたいだ。

"時間も来たし、そろそろ帰ろうか"

"""討伐してくる"""

スライム達が討伐している間に、もう少し石や岩くらいの大きさのも収納しておく。

アイテムボックスに入りきらなくなったら、その時はここに戻しにくればいい。

楽しそうに戻ってきたスライム達を持ち上げて、街に向かって歩き出す。

「今日はみんなありがとうね。おかげで安全にスライムを観察できたよ」

"""マスター楽しかった?"""

「うん。楽しかった。別の地域に行ったらまた観察に付き合ってくれる?」

"""うん"""

「その時はお願いね」

皆と楽しくおしゃべりしながら街まで帰った。

ギルドの買取カウンターで角ウサギ5体を奥のテーブルに出して3,000ルーで買い取ってもらえた。

食堂に移動して、いつものパンとスープのセットを注文して、席で分けて食べる。

今日はトルティーヤじゃなくて、この前かった甘いクレープを1個食べちゃおう。

以前ほど切り詰めた生活をしなくても大丈夫になったはず。

なので、少しは食べ物にも楽しみがないと生活がつまらないから。

席でのんびりスープとパンを食べて、お楽しみのクレープだ。

一口食べると、口の中に広がる甘さがやっぱり幸せ。

幸せな甘さを噛みしめながらクレープを食べきった。

食器を片付けて、宿泊所に戻る。

(そういえば、今日は誰にも会わなかったな)

まあ、お互い冒険者だから規則正しく動いてるわけじゃないからね。

他の人は宿を外に取っているんだし。

そんなことを考えながら歩いていたら、部屋に着いていた。

部屋で何時ものように手分けしてクリーンをかけてベッドに入る。

「今日は付き合ってくれてありがとう。明日もよろしくね。お休みなさい」

"""お休みなさい"""

何か今日は焦りが消えたからかゆったりとした気持ちで目を閉じた。


ブックマーク、評価、いいねをありがとうございます。

大変励みになります。

これからもよろしくお願いします。

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