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第46話 女性冒険者

 今朝は顔ブルブル振動が顔に当たって起こされた。

「おはよう。いつもありがとう」

クリーンをかけて広場に向かう。

広場について、隅でスライム達を降ろしてその場で柔軟を始める。

今日もペタって身体がつくのが楽しい。

この柔らかさを維持したいし、何よりやってて楽しいから明日も続けよう。

柔軟のあとに走り込みしてから素振りを行なった。

広場を出て宿泊所へ戻る際に延泊手続きをしてから部屋に戻って朝食を食べる。

「今日は森に行こうかと思ったんだけど、服がちゃんと大丈夫かの確認のために角ウサギを狩りに行くよ」

"""はーい"""

「今日は服が戦闘に耐えられるか確かめるのが目的だから角ウサギの首を狙って傷つけるから、その傷に取り付いてすぐに血抜きしてもらってもいいかな?」

"""わかったー"""

元気な返事をもらったので、防具を付けて準備を完了する。

改めて自分を見ると、靴は茶色いけど濃い茶色だから全体的に黒い。

草原ではどっちにしろ目立つんじゃなかろうか?

気を取り直して、街を出て草原に入りサーチを駆使して角ウサギを探す。

しばらく進んでいくと、角ウサギの反応があったのでそちらに向かう。

角ウサギが3体視認できるくらいまで近づいたのでナイフを抜いて氷の刃をまとわせる。

"首を狙って切るから、血抜きをお願いね"

"""はーい"""

身体強化をかけて一気に近づいて1体の首を中ほどまで切る。

そしたら肩に居たマリンが角ウサギに向かってジャンプして首に張り付いた。

それを片隅に見ながら方向を変えて2体目に向かって刃を振るう。

ちゃんと狙った通りに首を切りつけたので、次はリトがジャンプしていた。

3体目が体当たりしてきていたのでよけながら首を切りつけた。

ルルがジャンプして首に張り付いたのを確認して、サーチで周りの安全を確認する。

安全を確認できたので、血抜きが終わるのを待つ間に見える範囲で服が破損していないかを確認する。

服は何も不具合が出ていなかったので、ひとまず安心出来た。

血抜きが終わった角ウサギをスライム達が回収して持ってきてくれたので受け取って私のアイテムボックスに移動させる。

「服の確認に付き合ってくれてありがとう。この後は何時もの様に順番に角ウサギを狩猟していこうね」

"""わーい"""

その後は、角ウサギを狩猟し続けた3日間の様に角ウサギを見つけ次第、みんなで順番に狩猟して過ごした。

お昼をはさんだのに街に帰る時間になる頃には11体狩猟することが出来ていた。

倒すのに時間がだんだんかからなくなっているから見つけられさえすればあっという間に狩れちゃう様になっていた。

ギルドに戻って買い取りカウンターに6体と告げて、奥のテーブルに出して査定を待った。

今回は減額無しで、3,600ルーで買い取ってもらえた。

食堂に移動して注文しようとカウンターに向かおうとすると、こちらに向かって手を振っている人が居る。

他に人が居るかと思って歩き出したら、さらに手を振るのが激しくなった。

そこで周りを見ても私の他に人が居なかったので、そちらを見て自分を指差すとうんうん頷いている。

知らない人だけど、周りにいる顔見知りの人が警戒していないので大丈夫な人たちなんだろう。

滅多にいない女性だけのグループの冒険者さん達だ。

「ごめんごめん。初対面で呼んじゃって。私はマリー、よろしく」

「なかなか呼ばれていることに気付かずすみません。ニーナです。よろしくお願いします」

「知らない人に急に呼ばれたら誰でもそうなわ。かえってごめんなさいね。私たちもこの街を拠点に活動しているグループよ。そこら辺に居るおじさん達にニーナの事を聞いて、女の冒険者とも知り合いがいた方がいいかなって思って声を掛けたの」

「ありがとうございます。知り合いは男の人ばかりなので女性と知り合えるのは嬉しいです」

これは掛け値なしの本音。

ダンさん達はみんないい人たちだけど、女性特有の事などは誰に聞けばいいのか悩んでいたから。

「というわけで、下に部屋を借りているから食事して友好を深めましょ。ここで聞かれたくないでしょ」

ちょっと怯えてしまったのが分かったのか、部屋を借りている理由まで聞かせてくれた。

「ニーナ、急な話だけどこいつら悪いやつらじゃないから話を聞いてこい」

ジョンさんが声を掛けてくれた。

「ジョンさん……」

「こいつらここを拠点にしているって言っても、指名で呼ばれて不在にしている期間も多いんだ。偶然会えたのを無駄にしたくないんだろ」

ジョンさんも大丈夫って言ってるからきっと大丈夫な人たちなんだろう。

「わかりました。よろしくお願いします」

ジョンさんに声を掛けた後、マリーさん達について行って1階の小部屋に入った。

促されてマリーさんの隣に座る。

「急に声かけてごめんね。改めて私はマリー、仲間のテレサ、エイミー、プリシラ」

「初めまして、ニーナです」

優しそうな笑顔でよろしくって言ってもらえた。

「今まで呼ばれてて遠出していたから会えなかったね。男どもに意地悪されなかった?」

「皆さん優しいですよ」

何故か笑いが起こったけど、本当の事だから。

「まあ、確かに優しいね」

テレサさんが同意してくれた。

「とりあえず、夕飯まだでしょ、これでも食べながら話そうね」

アイテムボックスを持っているのか、次から次に食べ物がたくさん出てきて目の前にお皿も置かれた。

「どれか食べたいのある?遠慮しないで」

「あ、ありがとうございます。お魚食べたいです」

目にした焼き魚に食べたくなってしまったので、素直に言った。

焼き魚をお皿にもらって、フォークを使って食べ始めたんだけどお箸が欲しい。

(焼き魚をフォークでって難しい……)

つい久々の焼き魚に夢中になってしまっていたが、話があるって呼ばれたんだった。

「すみません。食べるのに夢中になっていました。ところでお話って?」

「ごめんね。私たちもつい食べていたわ。女性冒険者って少ないでしょ?新人はそれなりに女性もいるのに」

確かに新人っぽい女性の人はいるのに女性の冒険者は見かけない。

「女性冒険者のよくある未来と女性ならではの事を話そうと思ったのよ」

マリーさんの話をまとめると、

・女性冒険者の引退理由は死ぬ、結婚が多い

・生き残って名を上げると、貴族などから女性の護衛としてスカウトされることがある

・スカウトを断った人だけが冒険者を続ける

という結果だった。

「貴族からの依頼があったりするから、冒険者ギルドで時々有料だけどマナー講習があるから受講した方がいいわよ」

「受講していないと、お偉いさんからの依頼は受注させてくれないのよ」

「最低限のマナーを身に着けた女性の護衛って少ないから貴族が雇い入れてその中でも優秀なのは王族やさらに高位の貴族の護衛に推薦されたりするのよ。もちろんその際にはさらに厳しいマナー講義を身につけないといけないみたいよ」

「そうそう、王族の護衛には騎士もいるし貴族でもないから侍女として側に侍る事になるみたい」

「貴族出身じゃないから下っ端だしね」

「でも、冒険者よりは安定した生活だからね」

死ぬことや結婚は考えていたけど、スカウトされて貴族の女性の護衛は考えにはなかったな。

でも、私は貴族の人とかかわるのは無理だな。

貴族の人とかかわる時に元の世界の常識が出てしまったらどうなるか想像したくないし。

貴族には関わらない方向で行こう。

色々女性冒険者の未来に関して色々話を聞いて、マリーさん達の戦闘スタイルを聞いたりした。

プリシラさんは魔力持ちだが発動しないタイプで、身体強化などは出来る。

他の人達は魔法メインでそれぞれ武器を扱うそうです。

その後に女の子特有の話を聞いた。

「あとはニーナはまだかもしれないけど、そろそろあってもおかしくないから話しておくね。女の子が月に一回ある子供を産むために必要な事を知っているかな?」

多分この世界の女性にも月経があるのだろう。

そのことを言っているんだと思うので、うなずいた。

「初めての時は驚くかもしれないけど大丈夫だからね。知識があって準備していれば怖くないから」

この世界では、元の世界での布ナフキンの下着版で過ごすみたい。

そして定期的にクリーンをかけて過ごすみたい。

「確かにクリーンをかければ汚れも水気もなくなりますからね」

下着をちゃんと用意すればクリーンのおかげで前の世界より快適かもしれない。

「寝ている間が大変だけどね」

うちのスライム達は夜寝てないよね。

"ねえみんなって寝てるの?"

"""寝ない"""

"お願いした時に、私が寝ている時にクリーンを定期的にかける事って出来る?"

"""出来るよー"""

「ニーナどうしたの?」

「えっと、皆さんスライムの事って聞いてます?」

「いや何も聞いてないよ」

他の人を見ても首を横に振っている。

「スライムは教えれば教えるほど出来る事が増えます。ダンさん達に言ったかな?もし言ってたとしてもダンさん達だけですけどクリーンを使えるようになります」

「本当に?」

「本当です。うちの子は出来るようになってます。そして寝ないそうです。あと、知り合いの魔力持ちで魔法発動しない人がスライムをテイム出来ています」

「私にもテイム出来るの?」

プリシラさんが勢いよく詰め寄ってきた。

「可能性があるって事しか言えないですけど。すみません」

「謝らないで、私も詰め寄ってしまってごめん。可能性があるだけで十分よ。明日にも試しに行くわ」

「内緒だけど、スライムを切らずに叩いてください」

「内緒ね」

「はい。内緒です」

皆でふふふって笑っていたので、知らずにここだけ見た人は怖いだろうな。

それからも少しおしゃべりしてお開きになった。

別れ際にテイム出来たら見せに来るって言ってたので明日が楽しみだ。

宿泊所に戻って、手分けしてクリーンをかける。

初めて会った人たちといっぱい話したから疲れちゃった。

「明日はまた森に入ろうね。お休みなさい」

"""お休みなさい"""

あくびをひとつして、あっという間に寝てしまった。



誤字報告ありがとうございました。


ブックマーク、評価、いいねをありがとうございます。

大変励みになります。

これからもよろしくお願いします。

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