第44話 遂に森へ
それから3日間は草原でサーチを活用して角ウサギを狩猟しまくった。
買取には毎日5体ずつ出して、3日間で9,000ルーになった。
買取以外にもアイテムボックスに17体を追加して、森に入る3日分の稼ぎを確保も出来た。
トルティーヤが無くなってしまったので、追加で5本購入して半分にしてもらった。
森に向かう今日も日課の運動をしに、広場に向かう。
今日も隅でスライム達は特訓を、私は走った後に素振りをする。
この後の予定を考えて、今日は軽い運動に留めておいた。
今日も、運動を終わらせて部屋戻る時にテッド達とすれ違った。
テッド達も運動を続けているみたいで良かった。
すれ違う時に、テッド達のスライムも触手を出して振って挨拶してくれた。
うちの子達も触手を出して振って挨拶しあっているの、本当にかわいい。
可愛い物を見たいい気分のまま戻った部屋で朝食を食べて、延泊手続きをして森に向かう。
街を出てすぐに道を外れて森に向かって草原を進む。
サーチを使って、安全な場所を通って森に到達した。
以前は裾を少し探索しただけだったけど、今回はもう少し奥まで入る。
魔石や薬草も危険と合わせてサーチして、ステルスをしっかり意識して森を進む。
森の裾を越えて中に入って、ロウさんが暗めの色の生地を選んだ理由が分かった。
今いる場所はまだ木漏れ日が入るから明るいけど、森の奥を見ると結構暗い。
今の生成りの生地の丈夫な服ではあの暗さでは目立ってしまう。
頂いた生地で服を作ってから森の奥に行ったほうが良さそうだ。
それにサーチの範囲内で森の奥に危険を示す反応が急に増えている。
魔獣が居るのか、地形が危険なのか。
わからないけど暗い中で目立ってしまう今の服装では命を捨てに行くようなものだろう。
今回は木漏れ日が入る範囲で探索することにする。
その範囲でも今までに比べたら森に入っているし、無理してもいいことは無いから。
ふと、惹かれた草を鑑定する。
薬草 魔力草
食用可
魔力回復効果がある。
ポーションの材料の1つ。
資料室で書いてあった魔力草だった。
これも体力草と同じで根は残して刈り取れば良かったはず。
慎重に刈り取ってクリーンして収納しておく。
体力草と違って5本でひと束だったはず。
一度鑑定したのでサーチで探そうと意識すると、この近くにまだ生えているのが分かった。
サーチで安全を確認しながら慎重に移動して魔力草を集めていく。
魔力草を採取する際に周りの草も鑑定してみたけど、買取してくれるものは生えていなかった。
その周辺のものを採取したら1束にはなったので、別の場所に移動して森の探索を続けることにした。
木漏れ日で奥より明るい場所とはいえ、今迄の草原や森の裾とは違う。
サーチで魔石の反応も調べているので、いくつかある反応の中で動かない反応の方に行ってみた。
反応の少し手前で止まったが、サーチと目視で確認してもそこには何もなかった。
慎重に移動して反応の場所まで来た。
もう草が生えているので少し埋まっているのだろう。
アイテムボックスから、スコップとふるいを出して少しずつ掘ってはふるいにかける。
大体の場所は分かっていたので5回ほど掘ってふるいにかけたら魔石を見つけた。
クリーンをかけて収納してから、掘り返した辺りを踏んで固めておく。
作業中も気にはかけていたけど、改めてサーチで安全を確認する。
移動に普段より時間をかけているのでそろそろお昼になりそうだ。
草原の時の様にここで座って食べるのはなんか怖いので、少しでも遠くを見たりできるように木に登る事にした。
周りを見て登った後に安定しそうな木に登って枝に座って幹に身体を預ける。
"お昼食べるけど皆はどうしようか?草食べる?"
"""帰ってからで大丈夫"""
"分かった。食べる時は教えてね"
木の上でお昼なので食べやすいトルティーヤと肉が1つ残っている串焼きを食べた。
ゴミとして捨てるなんてできないから串はクリーンをかけて収納しておく。
前はスライム達が食べたから今回も食べるかもしれないし。
サーチやステルス、バリア等はそのままで少し休憩する。
森の中というだけで緊張してしまう。
何度か入れば草原と同じように慣れていくだろう。
何よりも知らないからこそ緊張が過ぎてしまうんだから、少しづつ知っていくしかない。
視界の邪魔にならない所で小さくしていた地図を大きくする。
森の部分を注目すると、まだそんなに進んでいないことが分かる。
この地図が見える範囲が大きくなっていくにしたがって経験が増えていくと考えればいいよね。
地図を先程までと同じように小さくして、木を降りて森を進む。
少し先に魔力草の反応があるので、そちらに向かう。
反応の場所までこれたので、魔力草を採取していく。
ここでは7本採取出来たので、1束は作れた。
まだ時間はあるけども、森の中は草原より早く暗くなるだろうから今日はここまでにして森から脱出する。
慎重に移動して、森の裾を越えて草原まで移動する。
草原も中ほどまで移動して、サーチで安全を確認して足を止める。
椅子を出して座って、スライム達を降ろしてあげる。
「ご飯食べていいよ」
スライム達は近くで草を食べる事にしたみたいで草を取り込んで食べている。
元々の予定では明日も森に入るつもりだったけど、服を作ってからにした方がよさそうだ。
今日は比較的明るいところだけを探索したけど、防具の色が濃い色だから何とかなっただけで周りに溶け込めてないから目立つだろうし。
予定を変更して、材料は揃っているはずなので明日は服を作る事にする。
服が出来たらまた森に入って、目立たないかの確認してからその後の計画を考えよう。
服を作る材料はあるけど、場所はどうしよう。
大きい机が必要だよね。
宿泊所のベッドを一時的に収納してそこにテーブル置けば出来るかな。
じゃあベッドより一回り小さいテーブルを作っちゃおう。
ハサミなどを使うから天板は一枚板っていうか一枚石がいい。
一度実際に作ってみるか。
土を硬く固めて宿泊所のベッドより一回り小さい天板に四隅に足のテーブルを作る。
重さは身体強化をしないと持ち上がらないけど、身体強化をすれば持ち上がるくらい。
天板の上に体重を掛けたりしたけど壊れなかったのでこれを収納しておく。
そろそろ街に戻る時間なので、スライム達を回収して歩き出す。
無事に街まで戻って、ギルドに戻る。
今日は買取り出さないで食堂に直行する。
食堂でスープとパンを注文して、席で分けて食べる。
今日は体力よりも気疲れしたので、早々に部屋に戻る。
部屋に戻って防具を外してみんなで手分けしてクリーンをかけて横になる。
「明日は服を作って残った時間は特訓しようと思うんだ」
"いいと思う"
"森暗い"
"特訓"
「服を頑張って作って特訓の時間を作るね。明日もいつもの時間に起こしてね」
"""はーい"""
「お休みなさい」
"""お休みなさい"""
気疲れしてたから目を閉じたらあっという間に眠ってしまった。
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