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第40話 森の裾でゴブリン討伐

 今朝は2体による顔をペチペチ攻撃で目を覚ました。

「おはよう。今日もありがとう」

元気にポヨポヨしているスライム達にお礼と挨拶を伝える。

広場に向かって、スライム達は隅でバリア特訓、私は最初に走ってその後素振りを行う。

そろそろ部屋に戻って朝食を食べようと、スライム達を迎えに行くと広場に入ってくる人たちがいた。

そちらを見ると、テッド達だった。

部屋に戻るために広場の入り口に向かえば当然テッド達も気が付いた。

「おはよう」

こちらから挨拶をする。

「おはよう。ニーナはもう終わったのか?」

「うん。これから朝食食べたら草原に行って角ウサギ狩るつもり」

「俺たちも運動したら草原に行くつもりだ。気を付けてな」

「ありがとう。テッド達も気を付けて」

一緒に行くわけではないので、挨拶して部屋に戻る。

ここで時間を取っちゃったらお互い稼ぐための時間が減ってしまうから。

素早く部屋に戻ってクリーンをかけて朝食を食べる。

忘れないように延泊手続きをしてから街を出て草原を目指して走る。

サーチをしながら走っているけど、近くには角ウサギの反応がない。

いつものところから草原に入って、角ウサギを探して森の方に近づいていく。

森ではないけれど普段よりは近い位置に角ウサギの反応があったので近づいていく。

2体グループと2体グループが近い位置に居るので、それぞれ手分けして狩猟しにいく。

血抜きは後でまとめてするので、直ぐに収納して集合する手はずになっている。

私はいつもの水球でしとめて収納してスライム達の様子を伺う。

ルルはもうすでに顔に張り付いて、マリンは水球を発動していて、リトは首にエアカッターをいれていた。

念話で伝えていたので、すぐにみんなも収納して戻ってきたのでいつもの位置についてもらう。

実は狩猟中に森から外れて出てきたゴブリンがサーチに反応したのだ。

今回サーチ範囲に入った段階で気付けたのは大きい。

以前は森の中だったし準備が出来ていないから逃げたけど、今回は森の外でダンジョンでゴブリン相手の特訓をしたことで討伐準備は出来ている。

スライム達には状況を念話で伝えていたので、静かにしている。

ゴブリンが近づいてきているけど、この1体だけで他はサーチに反応がない。

間違いない、はぐれのゴブリンだ。

討伐することを決めて、目視できる場所まで静かに移動する。

最初だからこそ、剣で相手をすることに決めてナイフを抜いて鋭い氷の刃をつける。

目視できる範囲に入った。

足を止めて様子を見るがこちらに気が付いている気配はない。

身体強化をかけて一気に駆け寄り氷の刃を振るう。

手に物を絶つ感触が伝わる。

でも手は震えない、気持ちも萎縮しない。

大丈夫。

ゴブリンは絶命していた。

討伐証明の右耳をナイフで切って、ダンジョンで思いついて試してみたかった魔石をサーチしてみたけどゴブリンには反応がなかった。

諦めてゴブリンの下に土魔法で穴を作って、土をかけて埋める。

気休めと分かっているけど花を添えた後、サーチで安全を確認しながら草原に向かって移動をする。

ある程度森から離れてから、お昼も兼ねて休憩する。

スライム達を降ろして、お昼兼非常食の草の収納をしてもらう。

私もお昼を食べた後には草を収納する予定だ。

少しだけゆっくりお昼を食べた後には雑草を抜いて収納した。

単純作業がなぜかちょっとリラックス出来て不思議だった。

予定していなかったゴブリン退治で少し疲れてしまった。

無理をしても怪我をしてしまうだけなので、スライム達に野良スライムの討伐に行くかって聞いたら行きたいって言うので午後はスライム達は野良スライムの討伐、私は少し離れた場所で草を収納していることが決まった。

野良スライム退治の前に、角ウサギの血抜き作業をしてもらいクリーンをかけて収納する。

その後、サーチで見つけた野良スライムの方向に向かって移動して近くまで来た。

うちの子達が野良スライムを討伐し向かって、私はそこで草を収納しながら待機。

サーチで安全を確認しながら草をむしる。

無心に草を抜いているとスライム達が帰ってきた。

チャンスタイム最終日だけど、命あっての物種なので今日の残りは広場で訓練をしよう。

今日は初めてのゴブリンの剥ぎ取りをしたし、ちょっと疲れている自覚があるから。

慎重にサーチで安全を確認しながら街まで戻る。

無事に戻れて買い取りカウンターに角ウサギ4体とゴブリン1体分の耳があることを告げるとカウンターで大丈夫そうなので全部取り出す。

査定が終わるのを待って、角ウサギが2体小さ目で合計2,300ルー、ゴブリンの右耳で100ルーで合計2,400ルーになった。

2,400ルーを受け取って広場に行く。

だんだん今日が30日目だというのが気になってきた。

チャンスタイムが終わるだけだと思うけど、あの手紙を書いたのがツアーコンダクターだと思うと何か気になる。

広場に移動してスライム達は広場の隅で最近やっている突きでのバリア特訓。

私は素振りをしようかと思ったけど、どうにも集中できないので走る事で体力づくりをすることにした。

街の外を走る時みたいに口の中に水の球を出して飲みながら休まずに走り続ける。

どれくらい走っていただろう、わからないけど結構な時間走っていた気がする。

持続力強化をしていたけど、気が付いたら息が凄く荒れている。

スライム達の所に行って地面に座って、コップに水を出して何度か飲んで呼吸を整える。

どうやら自分で思っているより今日でチャンスタイムが終わると言う事を気にしているみたいだ。

というより、買い物の時のツアーコンダクターがまた接触あるんじゃないかって事が気になっているのかもしれない。

もし再び接触があるなら今日か明日だろう。

あの大勢の人を不思議な状況なのにだれにも疑問を抱かせずに行動させることが出来る支配力?洗脳力?が怖い。

座りながらジワリと広がっていく恐怖に飲み込まれそうになった時、ポヨンと腕の中にルルが飛び込んできてくれた。

(そうだね、1人じゃないね)

マリンとリトも飛び込んできてくれた。

1人と3体でくっついて、じっとしていた。

ちょっとずつ恐怖でこわばっていた身体が動くようになってきた。

もう開き直るしかない、ルル達と遊ぼう。

大きい石タライを出して、スライム達を水の中に入れてあげる。

私も手を入れて波を作ってあげて、スライム達は波を乗りこなしてボート型になって動いている。

波がある中で水を進むのが楽しいみたいで、楽しい感情が伝わってくる。

その楽しいって伝えてくれる感情が、私の心も温かくしてくれる。

本当にこの子たちをテイムしていて良かった。

(まあ、接触があるとは限らないんだし無駄に怯えるのはやめよう)

少し気分が回復してきた。

ちゃんと楽しくなってきたので、手で波を作るんじゃなくて水魔法で水を操って所々に渦を作ってみた。

渦に近づいたリトが渦に巻き込まれて水に沈んでいった。

心配したんだけど、別の場所から浮かんできてほっとした。

でもリトからは楽しーって声が聞こえてくるくらい楽しかったみたいで、それを聞いたルルとマリンも渦に突撃していって水に沈んでいっては別の場所から浮かんできた。

新しい遊びを教えてしまったみたい。

マリンが水魔法で私が作ったものではない渦を作っている。

角ウサギを水球で倒しているから水魔法の腕を上げたのかもしれない。

渦だけじゃなくて水魔法で波を激しくしたり、急に止めたりして水に変化を付けて予測付かない水の変化を付けてあげる。

そのかいあってみんながキャーキャー言っている楽しそうな声を伝えてくる。

これだけ楽しんでもらえて、私も満足です。

夕食までの時間をスライム達とずーっと遊んでました。

(こんな日があってもいいよね)

石タライをクリーンして収納して、スライム達をいつもの位置に誘導する。

クリーンを自分たちにかけて、食堂に移動する。

食堂でいつものスープとパンを買って、席に移動する。

何時もの様に分けて収納してしまう。

夕食分のスープとパンを食べて、トルティーヤを半分食べる。

トルティーヤを食べて思い出したんだけど、お昼にトルティーヤ食べるの忘れていた。

やっぱり初めてのゴブリン討伐に緊張していたのかもしれない。

2個トルティーヤを食べるのは苦しくなってしまうので、貰い物の干し果物を何個か出して食べる。

クレープと違って自然な甘さが美味しくて何個でも食べれてしまいそう。

身体にも良さそうだし。

食べ終わったので、宿泊所に戻る。

今日もベッドはルルに、防具はマリンとリトに手分けしてクリーンしてもらって、私自身と脱いだ靴に自分でクリーンをかける。

ルルと魔力譲渡の練習をするけど、やっぱり集中しきれない。

ルルに断って練習を終わりにさせてもらった。

起きていても色々考えてしまうだけなので、寝てしまうことにする。

「明日もいつもの時間に起こしてね。お休みなさい」

"""お休みなさい"""

スライム達に返事してもらって、目を閉じる。

今日はどうか夢を見ませんように願いながら眠りに落ちた。



ブックマーク、評価、いいねをありがとうございます。

大変励みになります。

これからもよろしくお願いします。

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