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第35話 ケイアへ向けて出発

 今日は起こされる前に目が覚めた。

声がかかるまではこのままのんびりするつもり。

今日はダーモットを出て野営地で1泊する予定だ。

早くケイアに戻って角ウサギ狩猟に行きたい。

(また湯船に浸かるんだ)

そんな私にとっては大事だけど、しょうもない事を考えていたら声がかかったのでクリーンをかけて起きる。

「おはようございます」

「おはよう。体調はどうだ?」

「大丈夫です。走ってる最中、持続力強化はどうしますか?」

そういえばするのが当たり前になっていたから、どうするのかを聞いておいた。

「そっちはしておいていい。身体強化はなしな。体力づくりが目的だから」

持続力強化をしていても体力づくりになるんだ。

今日は野営地に着いたら足をマッサージしてから寝ないと次の日がつらいかも。

朝食後にはそのまま街を出るので、忘れ物が無いようにチェックをする。

チェックしようと思ったんだけど、この世界に来てからは使わないものはすぐに収納するから荷物を出しっぱなしにしておくとか棚に置くといったことをしていない。

なので、何も部屋に置いてなかった。

勿論ダンさん達も同じようにすぐに収納するので何もなかった。

せめてクリーンをかけて綺麗にしておいた。

部屋を最終確認して下に降りて、部屋のカギを返して朝食の注文をした。

今日はケイアとダーモットの中間地点にある野営地が目的地になるので、時間にも余裕がある。

「今日は野営地の手前にある町で昼を食べて、野営地まで行く予定だ。野営地に到着したらスライム達に草を食べさせるのと、今回みたいなときのための雑草を収納する時間にしようと思うが他に案はあるか?」

特に異論はないので反論せずにうなずいて同意を表しておく。

初めて町に入るけど、どのような感じなんだろう。

宿屋はあるらしいから、そこまで排他的ではないといいんだけど。

朝食を食べ終えて、宿屋を後にする。

ケイアの街に向かう門に行くと馬車や冒険者の人が大勢の人がいた。

皆同じような時間に出発するから朝は混んでいるんだって。

今日は身体強化はしないので、門を出てからは道を普通に走っていく。

道とはいえ外なので、バリア、サーチは必ず発動させるようにしている。

持続力強化と瞑想も忘れずにしているので、こちらに来るときの様に疲労がたまっていく感覚もなく走り続けることが出来る。

走っていると、前回野営した休憩所が見えてきた。

先頭のダンさんが手で合図したので、スピードを緩めて休憩所に入る。

ほんのちょっと休憩をとるので、椅子を出して以前貰った干し果物を1個食べる。

ささっと食べて、用足しをした後はお昼休憩予定の町に向けて再び走る。

休憩所までと同じようなペースで走り続けて特に何事もなく町に着いた。

(良かった。盗賊に襲われている馬車とかのイベントが無くて)

物語だと定番のイベントが無くて良かった。

そういう主人公みたいなものは私には要らないから。

うちのスライム達と一緒にのんびり生活できて、たまに違う街を見に行けたらいいな。

ケイアやダーモットの街と違って、町の中に入るのに1人ひとりのチェックはなかった。

柵の中にぽつぽつと家があって、その中でも大きな家が宿屋兼食堂になっている。

幸い席が空いていたのですぐに座ることが出来た。

お昼はメニューが一種類しかないみたいで、すぐに人数分持ってきたのでお金を払って受け取った。

出てきたのは具だくさんのシチューとパンでそれぞれとても大きい。

「これ食べきれなそうだから分けて収納しても大丈夫ですかね」

「べつに平気だろ」

空いているお皿にシチューを半分移してパンも半分にした。

それでもいつもの3等分より多いけど走っているから多めに食べよう。

なんとか頑張って食べきった。

町で用足しはどうするか聞いたら、街と同じ様にそれ用の小部屋があるのでそこに用意されている容器?にしてクリーンで綺麗にするんだそうです。

外でするより気が楽だけど、そのトイレ部屋に入る前にクリーンをかけてしまう。

交代で食堂のトイレで用を足して再び出発する。


 午後も順調に走っていく。

天気もいいし、これで安全ならピクニックをしたくなるくらい気持ちのいい草原だ。

(でも、危険なんだよね)

持続力強化と瞑想、バリアとサーチをしながら走るのにも慣れてきて、変なことを考えながら走れるようになった。

一応、色々な事を同時に考えることで並列思考っぽいスキルが手に入らないかなって考えてのことだ。

今日を含めてあと5日間でボーナス期間が終わってしまう。

今回のダンジョン特訓は、目標だった魔法をレベル2に上げるだけじゃなくて、剣術と体捌きもレベル2に上げることが出来たから。

それだけじゃなくて、野営時のルールなど教えてもらったので何かの時に迷惑を掛けずに済む。

私だけじゃない、うちの子のスライム達も引率してもらえたから私が特訓している時に同時にスライム達も特訓することが出来た。

(やっぱりスライム達が新しくできた事を教えるのが一番のお礼かな)

スライム達に教えられるようなことはないか考えなきゃ。

色んなこと考えながら走っていたら、野営地に到着していた。

野営地には既に到着していたグループが何組がいたので、そのグループとあまり近くならない場所を選んでテントをたてて場所を確保する。

場所を確保したので、スライム達のご飯タイムと雑草の在庫を増やすために草むしりをしに草原の中に入った。

あまり野営地に近いと用足しの人と会っちゃうかもしれないので、それよりも草原に入ってから草むしりする。

それぞれが見える範囲で草をむしっては収納していく。

草原だけあって手を伸ばせば草があるので草むしりがはかどる。

普段の生活ではスライム達のご飯に困らないけど、ダンジョンでは草を収納していたから食べさせる物に困らなかった。

かわいいスライム達を飢えさせたくないから機会があれば雑草はこれからも集めなきゃ。

1時間ほど雑草を集めて終わりにして休憩にした。

マリンが椅子になってくれたのでのんびりしながら念話でスライム達に話しかけた。

"皆は大気中から魔力って吸収してるの?"

"""大気中?"""

"大気はこの周りにある目に見えないけど、呼吸している生き物は無いと死んじゃう物。角ウサギを水の球で頭を包むと死ぬでしょ。あれは呼吸が出来ないからなんだ"

"大気は分かった。大気にある魔力を吸収?"

どうやらルルが代表して聞くつもりみたいだ。

"そう、私に瞑想ってスキルがあるんだけど、そのスキルは大気から呼吸などを通して魔力を吸収しているんだ。皆も出来るかなって思って"

"練習してみるね"

"お願いね。私も光魔法で魔力譲渡が出来るはずだから練習しなきゃね"

"光魔法の魔力譲渡?"

"そう、自分の魔力を他の人に渡して相手の魔力を回復させるんだろうけど練習相手がいなくて"

"私も練習する"

ルルも光魔法を使えるから練習してくれるみたい。

"今日から寝る前に魔力譲渡の練習してから寝ようか"

"はーい"

早速魔力を大気から吸収する練習を始めたルルとリトに、椅子になっていたマリンが混ざりたそうだったので行くように促して私は椅子を出して座った。

ダンさん達の方を見ると、スライム達がバリア特訓をしているのを応援している。

ふと思いついて、土を硬く固めた角ウサギほどの大きさの的を6個作ってムム達に渡してみた。

ムム達はその的に向かって突きを出して特訓し始めたのに、なぜか的を沢山崩せるか競争に変わっていた。

結果は崩せなかったので、私の勝ち。

それを見ていたうちの子たちも欲しがったので、同じ的を作って渡して本スライムが収納した。

うちの子たちが収納したのをみて、ムム達も自分で収納しようと頑張っていた。

皆で見守って静かに応援していたら、ロウさんのシェリが収納出来た。

ロウさんのガッツポーズとともに、ムムとレオも収納出来た。

シェリ、ムム、レオが跳ねて喜んでいる。

それを見て、ララとルークとフィンがモニュモニュしているけどまだ出来なそう。

ダンさん達が出来た子たちをなでなでして、出来なかった子たちを慰めている。

出来なかった子の分の的をそれぞれテントの中に移動させて、そこで気が済むまで収納できるか試せるようにした。

"マスター、吸収できたかも"

ルルが声を掛けてきたので鑑定したら確かに瞑想スキルが生えている。

"すごいね。こんなに早く出来るなんて"

"マスターやってるの見て前から真似してた。教えてもらって何してるか分かった"

どうやら前から私が瞑想している時に真似していたけど何をしているかを説明していなかったので、真似しきれていなかったのが説明を聞いたことでスライムは呼吸してないけど魔力を吸収しようとしていたと理解して真似したら出来たみたいだ。

"マリンとリトはまだ出来てない。教えるからきっとできるようになる"

"ありがとう。教えてあげてね"

ルルがマリンとリトの所に行ってモニュモニュしているので瞑想の事を教えているんだろう。

うちの子たちが全員出来るようになったらダンさん達に教えた方がいいかな。

そうすればスライム達もやり方が分かっているだろうし。



ブックマーク、評価、いいねをありがとうございます。

大変励みになります。

これからもよろしくお願いします。

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