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第33話 初ダンジョン6日目

 それから4日目と5日目は同じように3階のゴブリンを相手に特訓していた。

違うのは4日目が2の部屋で3体を相手にしていた事と、5日目には3の部屋で5体相手にしていた事くらいだ。

数が増えるにつれて魔法を使ったけん制がとても大事だと言う事も分かり、魔力が無くならないように全てを魔法で倒そうとしないようになっていた。

もちろん、森でゴブリンに遭遇した際には安全な距離から魔法で出来るだけ数を減らしてから接近したら剣で相手にするつもりだ。

だからこそ、集団を相手にする際の特訓がここでできてよかった。

後は、特訓の合間の休憩で魔法について色々話を聞いた。

光魔法の魔力譲渡は、いざって時に魔法主体の仲間に途中で魔力を渡せるので地味に出来るようになっておくと便利であること。

風魔法の温度を上下させることでバリアの中を快適な環境にすることで夏や冬でも活動を多少楽にすることが出来ること。

そんな戦いに直接関係しないけど出来るようになっておくと便利な魔法の話を聞いたりした。

昨日寝る前に鑑定したら火魔法、風魔法、剣術、体捌きがレベルが2に上がっていた。

特訓の目的である火魔法と風魔法がレベル上がって良かった。

朝食を食べ終わったころに、ダンさんから今後の予定が話された。

「今日は昼までは2手に分かれて特訓。昼食に合流して午後は角ウサギのボス部屋をスライム達が戦う。全員で3階に移動してスライム達にゴブリンを見せ、ニーナが戦う。その後に4階に行ってオークをニーナとスライム達に見せ、俺とロウでオークと戦う。それが終わったらダーモットに戻って2日間で買い物とかをして、1回野営してケイアに戻る」

今日だけじゃなく、ざっとケイアに帰るまでの予定が説明された。

今回の特訓では、私はオークはまだ戦わないことになっている。

本来ならダンジョンは自分一人か、自分のチームで進むものなので自分の力量以上の場所に入るのは生存率を下げてしまうのでゴブリンまでで特訓することになっていた。

また、スライム達はレベルが上がる事で出来ることを増やすことが目的で敵を倒すことを目的にはしていないことから角ウサギで特訓を重ねていた。

今後の予定にだれも疑問、不安が無いのでその予定で進めることになった。

「ロウさん、カイさん今日もうちの子達をよろしくお願いします」

スライム達を引率してくれるお二人にうちの子達を託して、今回最後のゴブリン特訓に向かう。


 3階のゴブリン階に移動して、部屋の前の広場に着いた。

「今日からは4の部屋で10体だ。午後のボス部屋は20体だが10体で問題なくできれば20体くらいまでなら特に問題はないだろう」

問題あるような気がするけど、ゴブリン位なら10体が対処できれば20体でも基本は行動は変わらないので確かに同じ気がしてくるけど、やっぱり違う気がする。

今日の特訓はある意味午前中までなので時間がない。

問題ないって言っているなら、10体が問題なく倒せるように特訓を重ねるだけだ。

4の部屋に入り、10体のゴブリンと対峙する。

数が多い分、5体の時よりちょっと怖さを感じながらもやる事は同じだとわかっている。

分断しやすい場所に壁を出してけん制して、同時に相手取るのはせいぜい3体にとどめる。

それを繰り返せば5体より時間がかかるだけだ。

「ダンさん、次は魔法練習のために魔法主体で戦います」

一応先にダンさんに何をするのか伝えておく。

次に部屋に入った時に、考えていた魔法を発動する。

発動した魔法はイメージ通りに5体のゴブリンに当たった。

発動後に同じように残りの5体に発動してすべてのゴブリンを討伐することが出来た。

部屋に入る前から、目視して設定した目標にファイアーボールを追尾して当てるイメージで魔法を準備していたんだ。

同時に何発撃てるかの実験でもあったため、まずは5個のファイアーボールを発動したら無事に成功できた。

もう少し発動できそうだけど、これ以上だと目視での目標設定に時間がかかりそうなので同時に発動するのは5個までにしておく。

連続での発動でも外れることがなかったので、攻撃力が高いので火魔法も場所を選べば活躍してくれそうだ。

次に部屋に入った時には、先程と同じだが今度はウィンドカッターを飛ばした。

ウィンドカッターを5体に向けて飛ばした後に、ファイアーウォールを出してけん制して残りは氷の刃で倒した。

奇襲されなければ、先に数を減らしてその後にけん制しながら倒していくのが危険がなさそうだ。

けん制だけで剣術で倒す、魔法主体で倒す、魔法先制攻撃後にけん制しながら剣術で倒すの3パターンを繰り返して午前中は過ぎた。

お昼に2階に戻ってロウさんとカイさん達が出てくるのを待つ。

「ダンさん、今の状態でゴブリンのボス部屋いけますかね?」

「色々試していたろ。全部剣で倒す奴もいるけど、最初に数を減らすのは俺でもやるよ。どうしても無理そうなら手を貸すからやってみろ」

無理そうなときには手助けしてくれる事を保険のために約束してもらう。

スライム達が出てきたので、みんなでお昼を食べる。

スライム達にも雑草を出してあげて、スライム達も分けながら食べている。

私も今日は最終日なのでいつもの食事に追加してトルティーヤも食べちゃう。

今日のスライム達の話を聞きながらお昼を食べて、少しのんびりする。

休憩を終わりにして片づけをしたらダンジョンから帰るための最終特訓の時間だ。

最初は角ウサギのボス部屋をスライム達で戦う。

これは今日も行っていたことなので余裕らしい。

私は初めて見るからちょっと心配だった。

しかし戦いが始まってみれば、心配は杞憂だった。

うちの子達を中心に見ていたけど一撃で角ウサギを倒しているし、他の子たちも一撃から二撃で倒していた。

20体の角ウサギがあっという間に終わってしまった。

"""マスターどう?"""

"みんな格好良かったよ。特訓頑張ったんだね"

飛び込んできたスライム達を抱きしめてモニュモニュする。

そのままスライム達はいつもの位置に移動してもらってゴブリン階に移動する。

ゴブリン階でもささっとボス部屋に入る。

ボス部屋はゴブリンが20体になるので、最初に目視して設定した個体にファイアーボールを叩き込む。

まだ数が多いのでけん制で壁を出した後に壁でけん制できなかった個体にファイアーボールを叩き込む。

その後は壁を避けてくるゴブリンを剣で倒しながら、余裕がある時はファイアーボールを飛ばす。

そんなことを繰り返していたら20体倒し終わっていた。

「危なげなく倒していたな。やっぱり手助けいらなかったじゃないか」

ダンさんに言われたけど、いつでも入っていけるように剣に手を乗せていたのを視界の隅で見えていた。

「何とかなりました」

笑いながら言うことが出来た。

ドロップの魔石(小)を拾って次の階に移動する。

次の階は初めて見るオークで、ダンさんとロウさんが戦って見せてくれる。

「3体か?」

「それくらいでいいんじゃないか?」

どの部屋に行くかを2人で相談して決めた後に全員で入る。

私は入り口横でカイさんの隣で見学だ。

戦闘が始まる前にオークを鑑定しておくことにする。


 オーク(ダンジョン)

  皮は防具に使用可、食用(美味しい)

  全体的に強化されたゴブリンの様な存在

  繁殖力強い


お肉美味しいらしい。

やはりゴブリンよりも力も体力もあるみたいだ。

ダンさんとロウさんは最初に少しタイミングをずらして、右端に居たオークに対してファイアーボールとファイアーウォールでけん制し、先にファイアーボールを撃ったダンさんが中央のオークに対して顔面にファイアーボールを撃っていた。

顔面に当たったオークはさすがに苦しんで足を止めたので、左端に居たオークに2人で切りかかる。

オークはゴブリンよりは大きいが少し大柄な人間位の大きさなので普通に対峙しても剣が急所であろう首や心臓付近に届く。

ゴブリンは木の枝見たいのを持っていたけど、オークはこん棒みたいな物を持っているので振り回すそれに当たらないように動きながらオークを切りつけている。

切りつけている間にも他の2体が動きそうな時に魔法を追加で放って動かないようにけん制もしている。

そうこうしているうちに1体がドロップに変わった。

次は真中にいたオークを狙うが、その前に右端に居たオークに2人して魔法をそれぞれ叩き込んでいる。

魔法だけで右端はそろそろ動けなくなるんじゃないだろうか?

それからも真中のオークを剣で相手している間に右端に魔法を叩き込んで、真ん中の前に右端がドロップに変わった。

その後はあっという間に残った1体もドロップに変えていた。

「ニーナ、オークはどうだった?」

「ダンさんもロウさんも凄いです。後、オークはゴブリンより堅そうだし力がありそうです。今の私でも1体なら倒せなくはないでしょうが、複数になると難しそうです」

「よく見ているな。」

「そうだな。ゴブリンと同じくらいの感覚で倒せるようにならないと複数相手取るのは難しいな」

ロウさんとダンさんが私の感想に対してそれぞれ答えてくれた。

なので、戦闘を見ながら思っていたことを質問する。

「ダンさんとロウさんは今手加減して攻撃していたんですか?」

「ああ、手加減してた。たぶんニーナの攻撃力位の力で攻撃していたよ。だからニーナが1体なら倒せそうと感じたのはあってるよ」

やっぱり見せるために手加減していたんだ。

「では、今の力でも立ち回りや仲間次第でこの階も通れそうってことですか?」

「そうだな。立ち回りをかなり上手くやるか、仲間を見つけるかすれば今のニーナでもこの階を通過できるな」

やっぱり、そうなるか。

今のところ仲間を作ろうとは考えていないのでどうするのか考えないとな。

とにかく初めてのダンジョンはここで終了。

元の階に戻る階段を使用して、ダンジョンの入り口から出る。

買取所で今回のドロップ品をすべて買い取ってもらい、4等分して頂いた。

端数はもともとダンさん達にって話してあったのに、私が頂いただけで10,000ルーにもなった。

なんでも、角ウサギのボス部屋を周回しまくったので、こんな金額になったみたい。

今日はダーモットに戻って休んで、明日から2日間の休暇だ。

皆さんが布などを贈ってくれるって言ってたので実は今から楽しみだったりする。

あの手紙に書いてあった1カ月がもうすぐで終わってしまうから、街でもできる特訓を考えなきゃ時間がもったいない。

何かないかと考えながら、ダーモットへ向かって走り出した。



ブックマーク、評価、いいねをありがとうございます。

大変励みになります。

これからもよろしくお願いします。

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