第3話 無事に登録
ついに冒険者ギルドの前に着いた。
門で教えてもらっていたから迷わずに着くことが出来た。
緊張しながら、空いているドアを通って中に入る。
思ったよりも人が少ない。
右手奥にはカウンターみたいな受付があって、ギルドの職員の人たちが働いている。
左手奥の壁にはいろいろな張り紙がしてあって、それを武装している人たちが見たりしている。
階段があるから2階があるんだろう。
(最初にするのは登録と宿の確保。必要な道具を買う場所を教えてもらう事)
ドキドキしながら必要なことを確認しつつ右側のカウンターの方に進む。
接客していないお姉さんと目が合ったので、そこに向かった。
「いらっしゃいませ。ご依頼ですか?」
お姉さんが微笑みながら話し始めてくれた。
「ギルドに登録したいのですが、こちらでできますか?」
お姉さんは紙を下から出して、
「必要事項を記入してください。代筆が必要ですか?あと、住民票か仮入場証と100ルーが必要です。お持ちでしょうか?」
っと一気に話した。
「文字は書けます。仮入場証と100ルーも持っています」
って答えてペンを受け取った。
インクを着けながら、名前、年齢、出来る事を記入する。
アイテムボックスや魔法が使える人が多いのは冒険者の基礎知識でわかっているが、
念のため特技に記載するのは、アイテムボックスと掃除と調理くらいにしておく。
全然冒険関係ないけど、冒険者ギルドの依頼は何でも屋に近いと基礎知識が教えてくれるので問題ない。
書いた紙をお姉さんに渡して、お姉さんに確認してもらう。
お姉さんから金属でできたカードを貰い、冒険者についての注意事項を教えてもらった。
・冒険者は自己責任
・街中で武器を振り回したら犯罪
・常設依頼以外の依頼を受けた場合、途中破棄は罰金を払うことがある
など、基礎知識が教えてくれることと同じだったので良かった。
説明が終わったところで、宿について質問してみた。
「安全で安い宿ならギルドの宿泊所をお勧めします。食事は出ない、狭いけど個室もありますし。300ルーですけど」
私が1人なのを察して個室をお勧めしてくれたみたいだ。
「1泊借りたいのですが、空いてますか?」
迷わず宿の確保をする。基礎知識ももっと安い宿はあるが、雑魚寝で安全ではないと教えてくれている。
「2階に宿泊入口があります。そこの職員にカギを見せてください。部屋はカギに書いてある番号と同じ番号が書いてある部屋をご利用いただけます」
宿の入り方とカギの説明を受けて、常設依頼を教えてもらう。
「常設依頼は薬草採取、ゴブリンの討伐、角ウサギの狩猟があります。薬草と角ウサギは森近くの草原です。ゴブリンは森の裾で見かけることがあります。一般的な薬草は10株を1束にして40ルー、ゴブリンは右耳が討伐証明で100ルーになります。角ウサギは討伐証明ではなく、角、皮、肉が買い取り対象です。薬草を束ねる麻ひもなどは、2階の売店にございますのでよろしければご利用ください。あと常設依頼ではありませんが、スライムの核はいつでも買い取り対象です」
さすがプロ、聞きたいことを的確に教えてくれた。
ニコって笑って「ありがとうございます」って答えたら気のせいかお姉さんの笑みが深くなったようだった。
「薬草採取する際に気を付けることやしちゃいけないことはありますか?」
「薬草にも色々ありますので採取に行く前に2階の資料室で調べるといいと思います。ごく一般的なものは次のために根を傷つけずに地面スレスレのところを切り取るといいと言われています。また、鮮度も大事です。干からびていると評価が下がるので買取価格が下がってしまいます」
改めてお礼を言って、手を振ってカウンターから離れて、売店と資料室目指して階段を上り始めた。
2階は食堂と売店と資料室、宿に続く入り口があった。
最初に資料室に行く。調べてからじゃないと何が必要かわからないと買い物も出来ないから。
ドアを一応ノックしてから入る。中にいた職員さんに利用方法を聞いて、持ち出ししなければ自由に閲覧出来ると教えてもらった。
表紙を色々見て、そのままな【街周辺の薬草】って本を見つけた。
資料室を見ると少しだけど机と椅子が置いてある。
空いている椅子に座って本を読む。
薬草の絵と採取する際の注意点が書かれた冒険者のための本みたいだ。
今の私には、どのページも必要な情報なので熟読して出来るだけ覚えようとする。
特によく採取できるって薬草は何度も読んだ。
途中気がついて、冒険者の基礎知識に無い情報を重点に覚えるように切り替えた。
(お腹も空いたからあまり時間をかけたくない)
また後日に資料室で勉強することにして資料室を退室した。
次はお腹空いたのを我慢して売店に向かった。
売店で麻ひもとナイフの中から私の手でも扱える小さいやつを購入する。
これだけで500ルーもした。
(手持ちが2,000ルーになっちゃった)
買い物を終えたとき、大きな鐘の音が聞こえた。
冒険者知識によると、時計は高級品なので6時、9時、12時、15時、18時に鐘が鳴るみたい。
街に着いたとき、太陽が上の方だったから今は多分12時の鐘が鳴ったことになる。
お腹空いたので、食堂の方に行く。
カウンターで安いのを聞いたらパンとスープで50ルーなので、それを注文した。
カウンターから受け取ったけど、スープとパンだけなんだけどスープの量が多くてパンが大きい。
全部は食べられそうにない。
「すみません。食べきれなかったら持ち帰ってもいいでしょうか?」
って質問してみた。
「食器を返してくれるなら持ちかえるのは自由だ」
ってOKもらえたので、売店に一番近いテーブルに運んだ。
食べる前に売店に行って、一番安い器2個とスプーンを購入する。
全部で30ルーだから残金1,920ルーになるけど必要だから仕方がない。
急いで席に戻って、購入した器を基礎魔法のクリーンできれいにする。
スープをこぼさないように2つの器に分けて3等分する。
パンも3等分して、2つの器とパンを収納する。
時間停止だから悪くならないし、節約にもなる。
(節約出来るところはしないと。貯金しなきゃ)
この体で初めて食べる料理、スープは薄味だけどお野菜などの具が入ってる。
正直そんなに美味しいものではないと思うんだけど、空腹だった今は凄く美味しく感じた。
パンもそこまで硬くないし、温めてくれているからそれなりだった。
それなりに食べられるものがあることにすごく安心したら眠くなってきた。
朝から歩き続けて、途中は能力の確認をしながらだったから体は休息を求めているようだった。
宿泊所の入り口で職員の方に鍵を見せて通してもらい、部屋に入って休むことにした。
お腹もいっぱいになったので、ベッドと自分にクリーンをかけてきれいにしてからベッドに入った。
布団は硬いけど安心できる場所で休めることから、あっという間に寝てしまった。