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第18話 みんなでおやつ

 広場まで戻ってきて、ようやく落ち着いた。

"なんか落ち着かなかったね。そろそろおやつにしよう"

疲れたので、空いているベンチを探して休憩する。

今日は以前ルルと約束していた、おやつを分けてルルも美味しいと思うかの実験をするんだ。

もちろん、マリンとリトにも分けるけど。

「今日一番のお楽しみのおやつだよ。みんなで食べようね」

クリーンしてあるお皿を出して、分けたおやつを乗せてみんなの前に置く。

「お皿は食べないでね。食べてどう感じたか教えてね。いただきます」

"""いただきます"""

そろっていただきますしてくれたスライム達がかわいい。

食べ始めたのを見守ってから、残りのおやつを食べる。

とっても甘く感じで美味しい。

今回はクッキーみたいので、1個が大きいので割ってスライム達に渡している。

1つの包みで3枚入っていたので、食べ応えあるおやつだ。

私が食べている間にスライム達は食べ終わっていた。

「どう感じたかな?」

"ルルはさっき貰った草と同じ感じだった"

"さっきの草 変わらない"

"草 同じ"

「そうなんだ。味覚が無いのかな。昨日貰ったお肉と今のおやつとお昼の草、食べるならどれがいい?」

"食べれるならどれでもいい"

マリンとリトも同意なのかポヨポヨしている。

"わかったよ。でもこれでみんなのことまた1つ知れたね"

みんなで同じものが食べられないのは残念だけど、余裕出来たら一緒の物を食べても大丈夫ってことだから我慢しよう。

「じゃあこのおやつは私が食べてもいい?」

みんなで触手を丸印にして返事をしてくれた。

あまりのかわいらしさに、笑いながらクッキーをもう一枚食べる。

コップに水を入れて飲んでスライム達のポヨポヨを見ながらほっと息を吐く。

こんなにのんびりできてうれしい。

前回お休みした時は、まだまだ先が不安だった。

でも、角ウサギの狩猟が出来るようになって、少し余裕をもって貯金が出来るようになった事が未来への不安を少し和らげてくれたようだ。

次の目標はもう決まっている。

着替えをゲットする事だ。

古着屋さんも見てみたけど、丈夫そうな子供服はあまり数がなかった。

なので布と裁縫道具を購入して自分で作る作戦で行く。

布も高いけど、古着よりは安く購入できそうだったし。

ふとある事を思いついて、スライム達に質問をする。

"体に取り込んだものを消化せずにそのまま入れておくって出来るの?"

触手で丸印を作って返事をしてくれた。

それなら作りたいものがあるけど、街中では危険なので一度街の外に行くことにした。

壁の近くならそんなに危険じゃないし。

「少し街の外に出るからおいで」

スライム達を抱き上げて移動する。

移動する間にも本日の位置に移動して、私が動きやすくしてくれている。

通り慣れた道を通っていつもの南門から街の外に出た。

門から見えるくらいの場所で、少し草原に入りそこで作業をする。

「少し作業するから、遊んでも食べていてもいいよ」

スライム達を草原におろして自由にしてもらう。

さて、取り出すのは木の板を1枚。

この木の板をさらに半分の薄さに切った後に、直径5cm程のコイン状に切り抜く。

失敗した時用に、木製コインを10個作っておく。

コインを1枚手に取って、イメージを固める。

この前地図を木の板に書いた応用でイメージを焼き付けるようにしっかりイメージして≪焼き印≫。

成功出来た。焼き付けたのは丸の中に簡略化した富士山。もう帰れない故郷を象徴する山。

他のは難しくて私にはイメージできなかったから、簡単に表せる富士山にした。

反対側にはこちらも文字でルルと名前を焼き印する。

あと2枚に同じ富士山とマリンとリトの名前を焼き印して、スライム達を呼び戻して並んでもらう。

「これ、私の従魔の証として溶かさないで身体の中に入れておいてくれるかな?」

スライム達は跳ねて喜んで、木製コインを受け取ってくれた。

「消化しちゃってもまた作るからね」

みんな身体の中に入れて、こちらに見えるように向けてくれる。

なんか誇らしげで渡した私も嬉しかった。

「そろそろ街に帰ろうか」

飛び込んできたスライム達を受け止めて、街に向かって歩く。

今日のお休みはとても楽しむことが出来た。

そんな楽しい気持ちのまま、ギルドまで戻ってきた。

食堂に行っていつものスープとパンを注文して分けて食べ始める。

昨日大勢で食べただけにちょっと寂しかったけど、毎日会えるわけじゃないし。

食べ終えたら宿泊所に戻って、クリーンをかけてベッドに入っちゃう。

「ねえねえ、みんなはアイテムボックスってわかる?」

"マスターが収納しているスキル"

""収納""

「ちゃんとわかってくれていたんだ。ねえ、みんなはアイテムボックスって使えるようにならないのかな?」

皆で集まって何やらポヨポヨしている。

"考えたことないからわからない"

「そっか、みんなが出来たら便利だなって思ってね。ほかに魔法って何か使えるの?」

"やったことない"

「バリアが出来るんだから、色々出来ると思うんだ」

スライム達も何やら相談しているみたいだ。

「色々出来るようになったら楽しそうじゃないかな」

"""うん"""

「明日は午前中に角うさぎを頑張って、お昼食べたら訓練しようか」

ポヨポヨして同意してくれている。

「あ、でもスライム討伐もしたいかな?」

"""したい"""

なんかますますポヨポヨしてきた。大丈夫かな。

「わかったよ。角ウサギ狩りを頑張ってお昼前にスライム討伐にしようか」

なんかもうポヨポヨじゃなくて跳ねちゃっている。

慌てて止めて、部屋で跳ねちゃだめだと教えた。

跳ねるのはやめたけど、興奮しているみたいでポヨポヨが激しい。

「明日も体力づくりしてから朝食にするから、夜明けより前に起こしてくれる?」

"""はーい"""

「ありがとう。それじゃ私はそろそろ寝るね。お休みなさい」

"""お休みなさい"""

となりでポヨポヨ感じながら今日は眠りについた。


ブックマーク、評価、いいねをありがとうございます。

大変励みになります。

これからもよろしくお願いします。

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