兎とリスが贈る流れ星
あるところに、小さな王国がありました。
その王国には、2人の優秀な王子がいました。
頭がいい第1王子。
戦いが上手な第2王子。
そして、そして、2人の下にもう1人、第3王子がいました。
第3王子は頭が悪く、戦う力も無く、兄たちとの仲も良くありませんでした。
第3王子はそれを気にして、何とかしたいと思っていました。
そんな第3王子は、ある噂を耳にしました。
金の砂と、虹の花を持って流れ星に願うと、願いが叶うと。
金の砂は幸運の兎が、虹の花は幸運のリスが持っていると。
第3王子は、さっそく動きました。
なにせ、叶えたい願いが、3つもあるのですから。
幸運の兎にあった第3王子は、金の砂を貰えるよう頼みます。
すると幸運の兎は、こう言いました。
「僕の出す問題にこたえられたら、金の砂をあげよう」
問題は、流れ星が見える日はいつか、でした。
城に帰った第3王子は、流れ星が見える日を聞きました。
ですが、執事も、侍女も、料理人も、みんなわかりませんでした。
第3王子は、困りました。
流れ星が見える日がいつか、わからないからです。
第3王子は書庫で調べることにしました。
そこに偶然、第1王子がやってきて言いました。
「こんなところで、どうしたんだい」
「流れ星が見える日を、調べているんだ」
第3王子がそう言うと、第1王子は手伝ってくれるようでした。
第1王子に教えてもらいながら、第3王子は流れ星が見える日のこたえを出しました。
第3王子は、幸運の兎に伝えに行きました。
幸運の兎は言います。
「よく、がんばったね」
第3王子は幸運の兎から、金の砂を貰いました。
つぎに、第3王子は幸運のリスに会い、虹の花を貰えるよう、たのみました。
すると幸運のリスは、こう言いました。
「この岩を切れたら、虹の花をあげよう」
幸運のリスが指したのは、人3人分はある岩でした。
王城に帰った第3王子は、訓練場で剣の練習をします。
そこに偶然、第2王子がやってきて言いました。
「こんなところで、どうしたんだ」
「岩を切るための、練習をしているんだ」
第2王子は、第3王子を手伝ってくれるようでした。
第2王子に教えられながら、第3王子は剣の練習をします。
幸運のリスのもとに向かった第3王子は、人3人分はある岩を切ってみせます。
幸運のリスは、言いました。
「すごいね、えらいね」
第3王子は幸運のリスから、虹の花を貰いました。
城で、流れ星を見る準備をしていた第3王子は、気付きました。
叶えたい願いが、もう無いと。
頭の良さも、
戦う力も、
兄たちとの仲だって、
もう、叶っているのですから。
兎とリス、どちらも幸運を象徴するらしいです。