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 僕はただ黙って見ていた。小走りに横断歩道を渡っている彼女が今にもトラックに直撃しそうな状況を。直ぐにでも動き出さなければならないのに、僕は冷静だった。

 世界に意思があり、その意思がこの空間を永久に保存したいが為、時間を止めてくれる。そんな非科学的なことが起こると確信していた。事実、世界は停止していた。

 僕は、彼女の後ろ姿を見て、とても遠くに行ってしまいそうな気持ちになる。そう、僕の手が届かない場所に。そのときになって、やっと焦燥に駆らる。

 彼女を歩道に戻さないとと気持ちだけが先走って、最初の一歩が進まない。足元を見てみると、アスファルトと足が一体化しているかのように、全く足が動かないのだ。いろんな方向に動かしてみるが、テコでも動かない。

 すると、ドンッと鈍い音が前の方で聞こえた。嫌な予感がする。周りから悲鳴が聞こえる。意を決して、前を見る。

 するとそこには、線切れた操り人形のように彼女がそこに転がっていた。

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