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暴行罪で幸福になりました、恋物語

作者: たなはかなかに

少年は大人になる

やがれ恋を知り恋に溺れる

大事なことを見ずに人を愛する

彼女の心を潰した恋愛ドラマ

物心がついた時、たった一度だけ体験したがきっかけに僕はおかしくなったかも知れない。

小学生だったころ地元の商店街で『超人ヒーロー☆パーフェクトマン』が来ると聞いて放課後まっすぐに遊びに行ったんだ。憧れのヒーローに会いたくて会いたくてたまらずに走りつづけたけど、途中に横断歩道が赤信号に切り替わって立ち止まった。けどこの信号は切り替わってから30秒くらいで待たないといけないから左右確認して車がないことを確認して赤信号を渡ったっちゃんだ。「交通ルールはしっかり守りましょう」なんて家でも学校でも耳にタコができるくらい教えられた。信号無視は「悪いこと」だし危ないから待たないといけないけど今日に限っては交通ルールを破ってよかった。


渡り終えてから僕の後ろで激しい物音が聞こえた。振り向くとグシャグシャに変形した軽自動車が電柱にぶつかっていて、ついさっきまで僕がいた所で事故が起こったのだ。のちに原因は飲酒運転による事故だと聞いた。

あの時きっちり信号が切り替わるのを待っていたら確実に巻き込まれて、最悪死んでいたかも知れないと振り返って信号無視して良かったと本気で思っていた。僕はこれ以来『悪い事をしたら良いことが起きる』と覚えて育ってしまった。

けれども必ず悪い事から良い結果が生まれることはない。こっぴどく叱られるだけに終わるだけなんてザラにある。一度救われた命は偶然にすぎないはずだけど高校生になっても未だに「悪い事をしたら良いことが起きる」と考えを捨てきれないし変えられない。


他の人と考え方がちょっと変わっている僕でも春が訪れた。高校2年になった4月に同級生の女子から告白を受けて付き合うことができた。毎日が充実して素敵な思い出も作れて良かった。時にほんの少し高価なアクセサリーをねだられることがあったけど彼女が幸せになるならとアルバイトで稼いでプレゼントしていた。


しかし中学の時からの友人から聞いた話で僕の彼女はすでに彼氏がいてそっちが本命だという。こっそり確認したら事実と判明して僕は騙されていたと腹がたった。

僕はある日の夜、夜中に彼女を公園に呼んだ。草はらに隠れてタイミングを図り襲いかかった。騒がれないように口元を押さえこみ、その後に彼女の身体にまたがって動きを押さえた。


「騙していたね、今から君に暴行するよ。顔に傷を残すと怪しまれるからお腹にするね」


彼女の目から涙がこぼれ、激しく身体よじる。ガムテープやロープを準備していない僕は左手に体重を乗せてがっちりと彼女を口元を押さえこみ、右手で殴らないといけない。彼女の両手は自由に動けることができ、僕にひっかき攻撃したり口元を押さえられている手を払いのけようとするが負けないように押さえこむ。

押さえこみながら彼女の細い身体の中心にめがけて何度も何度も殴りつけた。

さらに彼女の身体は暴れるが殴るのをやめないでずっと続けているとついに動かなくなった。全体を観察するとぴくぴくと痙攣が見れて呼吸もちゃんとしていたので気絶しているようだった。


気絶してなおも彼女にまたがったままの姿勢をくずさず、口元を押さえる。右手でそっと顔をペチペチとさっきまで腹を殴っていた力とは逆にとても軽い力で叩いた。

すると彼女は目を覚まし、僕を見た瞬間また抜け出そうと暴れるが力がほとんど失っていた。やがて抵抗を諦めて震えながら僕の方を見つめている。


「あのね、ホントは君を傷付けることはしたくないだ。君を愛しているんだよ。だからこれからも『普通』に付き合ってくれないかな?」


彼女の視線が僕の右手に注目している。視線を戻して何度もコクコクとわずかに頷いて返事をくれた(口元を押さえているから顔が少ししか動けない)


「あとね、ことことは『絶対』に誰にも言っちゃだめだよ。友達にも家族にも、そして警察にもだよ。あとはそーだなー他の人にお腹を見られないように体育は休んでね。」

同じように頷いて返事をした。このあと彼女に大事なことを伝える。


「思ったんだけど本命の彼氏さんがいるじゃん、んで君と彼は相思相愛で僕は君に片思いという状況なんだけど、君が僕の事が嫌いということでフラレたら僕は諦めるよ、でもよく聞いてね。」


大事なことを伝える。

「こんな僕と付き合ってもらえない?」

生まれて初めて告白をした。


すると彼女は泣きながら頷いた。


この瞬間僕は幸福に満ち溢れたような感じだった。真夜中の公園で地面の砂と汗でお互い汚れてまったく華やかさなんて微塵もないけど彼女は僕の告白は受け取った。さっきまで酷い仕打ちをしたけれどそれでも僕だけを見つめている。ああ、とても嬉しい気分だ。


運命の夜から、彼女は本命の彼氏と別れて僕と正式にお付き合いができた。数週間は自宅に警察が来るのではと恐れていたが彼女は僕との約束をしっかり守っている。尋ねると友人も家族にも言っていないから安心した。


高校卒業後は偶然同じ大学に入るということで、今も付き合っている。さらに運命のあの日から5年経つ頃、彼女と結婚ができて今までに最高の幸福が訪れた。


「悪い事をしたら良いことが起きる」


まさか結婚までできるなんて驚きだ。毎日ではないが彼女を殴り続けて、悪い事をしているはずなのに別れることは無かった。


この永遠の愛が続きますようにと僕は願っている。

悪い事で幸福になるなら彼女を傷付けます。


僕にとって幸せとは『彼女』のこと

絶対に幸せを逃がさないようにしなきゃね。

以上、絶対的暴力で幸せを手に入れたお話でした。彼女は主人公に逆らってしうまうと痛い目に遭う恐怖から結婚まで至りました。イメージすると凄い物語だなーと思いました。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

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