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チキンハート  作者: 27サグマル
5/133

5.空~移動中~

『……ど、どうかな?』

『うむ、上出来だ』


 ベルザークの住む洞穴まで飛ぶ最中、僕は念話(テレパシー)を教わっていた。

 口調が砕けているのは本人に命じられたからだ。

 正直どう話して良いか分からないので、割とブレまくっている。


『ではお前に……む、お前もう名前を持っているな?』

『あ、はい。ラウネンって言いま……言うんだ?』

『無理に敬語を避ける必要も無い。そんな名前とは別の真名があるだろう』


 真名とか厨二っぽいこと言われても……と思いつつも、何のことを言われているのかを察する。


『小鳥遊啓太です。元は異世界の人間だったので』

『タカナシケイタ、か。……ああ、他人に真名を知られると命に関わるぞ?』

『そんなことだろうと思ったけど』

『なんだ、つまらん』


 割と衝撃的な出自を軽くスルーした奴のセリフじゃない。

 いや、それとも転生者ってこの世界じゃ多いのか?


『我の知る限りではお前だけだ』


 そこは律儀に答えてくれるのな。


『じゃあ折角だしな。お前は今日からケイだ』


 そんなポケ○ンじゃないんだから……


 名前:ケイ


 種族:ブラックファイアチキン


 Lv:37


 名前変わったぁ!?

 ってか真名が消えてるんだけど!


『隠蔽しただけだ阿呆』

『は、はぁ……』


 他人のステータスも余裕でいじる辺り、つくづくこの黒龍は規格外なんだと思わされる。


『そう褒めるな。いくら世界最高峰の黒龍の能力の一端に触れたからといって』


 いや、自慢する気満々じゃねぇか!

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