表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チキンハート  作者: 27サグマル
49/133

49.キュシャ島群-3

 相変わらず森での特訓の最中。

 今は魔法の練習ということで、リーザを後衛にして魔物と戦っていた。

 良い感じに隙が出来たんで手近な葉狼を捕獲。

 

『ほら、撃ってー』

「いやアンタが邪魔!」

『それくらい避けるから大丈夫だって』

「水魔法の練習したいのに、アンタがいたら火魔法しか撃てないって言ってんの!」

「焼き鳥!?」


 仕方ないから狼を降ろして射線を開ける。

 さりげなく影で縛って逃げられないようにするのも忘れない。


「『青の射手』!」


 宣言通り放たれた水の弾丸が狼を撃ち抜く。

 胴に一発程度じゃ倒れないんで蹴ってエルザにパス、トドメを刺してもらう。

 そんなことをしている間に、他の葉狼たちには逃げられたけど……まあ僕が倒しても大した経験値にはならなそうだし、見逃すか。


「まだ魔力を乗せられると思うんだけどなぁ」

『その辺はレベルと経験だからね』

「ところで今のリーザ様のレベルってどれくらいなんですか?」

「38。結構上がったとは思うけど、エルザと比べたらね」


 今の戦いで仕留めた魔物を捌きながら溜息を吐くリーザ。

 個人としては強い方だけど、集団を相手にするにはまだ心配な感じだ。

 でもそろそろレベルも上がりにくくなってくる頃だし、先に進んだ方が良いかな……。

 そんなことを考えていると、リーザの視線を感じた。


『ん、どうかした?』

「……ケイの羽って柔らかいけど、よくあんな牙とか弾けるわね」

『攻撃受けるときは硬いよ?』

「ダイラタンシーみたいなもん?」

『そうかもね』

「あの、ダイラタンシーってなんですか?」

「やっぱりこっちの世界じゃマイナーなのかな?」


 リーザが簡単に説明する。

 水に一定量のデンプンを混ぜると出来るものであること。

 ゆっくり触ると液っぽく沈み込むけど、勢いよく指で突くと固まって受け止めること。

 それを聞いたエルザは分かったような分からないような表情で呟いた。


「じゃあケイさんの羽って、ゆっくりナイフを押し込んだら斬れるんですかねー?」

「『!?』」

『ちょっと怖い想像しないでくれる!? た、たぶん魔力的なあれこれの関係だから大丈夫なはず!』

「でも柔らかい時と硬い時があるなら、裏をかく手もあるんじゃない?」

『それが攻撃なら平気だね! 何であろうとカッチカチに固まるね!』


 確認しときたいけど、もし本当にそれで効果あったらと思うと怖くてそんなことできない。

 だ、大丈夫だよね?

 防御力ってのはそういうもんじゃないよね?


『と、とにかく今日はこの辺で切り上げ――』


 話を切ろうとしたところで、奥の茂みが揺れて何かが姿を現した。

 それは樹木と一体化したような前足を持つ、緑がかった虎。

 ユニコーンと似てるこの気配は聖獣……かな?

 リーザも何か感じたみたいだけど、エルザはナイフを構えて飛び出そうとしてる。


「行きま――せぶっ!?」

「エルザ!?」


 前もこんなことがあったような気がするな。

 影で止めようとしたんだけど、思ったよりエルザの勢いが強くてすっ転んだ。

 これで攻撃されるようなら助けないといけないとこだけど……ダイブしてきたエルザを、樹虎は予想通り身を翻して避けた。

 敵対する意図は無いみたいだけど、聖獣ってのは何を考えてるのかいまいち分からないんだよなー。


『えっと……何か用?』

「…………」

『やっぱり反応ナシかー。まあ、僕ら今日はもう帰るんだけどね』

「…………」


『じゃあ、そろそろ帰らない?』

「そこの虎は良いの?」

『特に何かある訳じゃないみたいだし。あとエルザ、聖獣にまで襲い掛からない』

「はーい……」


 一応樹虎にペコリと頭を下げると、僕たちは街に戻った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ