33.ダリアマ平原-3
勇者は思いっきり金髪蒼眼のファンタジー顔してるけど、この世界じゃ黒はあまり受けが良くないみたいだし。
もう少し話を振ってみようか?
『嗚呼、東京バ七が食べたいなー』
「おい今なんつった」
『それにしてもTPPはどうなるんだろ……』
「どう考えても鶏の発言じゃねぇ!」
『勇者さん言葉遣い』
「はっ!? ……そうじゃなくて! あんた何者!? 日本に帰る方法知ってるの!?」
あちゃー、そっち行っちゃったか。
……帰りたいのかな?
まあ、彼女が同じ日本人なのは分かった。
話によっちゃ日本は日本でもパラレルワールド出身だったってこともあるから絞り込んでみたんだけどね。
『残念だけど、僕は転生したパターン。ちなみに元は京大の法学部生』
「年上! しかも意外に賢……いや、証拠的に嘘を言っても……」
『あー、そういえばマサチューセッツの教授に名指しで招かれ』
「もう京大生で良いや」
ちなみに京大生なのはホント。
でもそっか、どうせ異世界なんだしちょっとくらいホラ吹いても良かったかな……。
『ちなみに勇者は?』
「私は滋賀高の二年生。本名は理沙だけどこっちじゃリーザって名乗ってる。だから勇者って呼ばないでね」
『分かった。僕は本名が啓太でケイって名乗ってる』
「兄さんと同じ名前なのね」
『奇遇だね、僕にもリサって妹がいるんだ。大学行ってからしばらく会ってないけど』
「兄さんはどこの大学に行ったんだったか……聞いたけど忘れた」
『君のお兄さんが聞いたら泣くよ?』
そこで、僕とリーザは少し黙り込む。
二人してなんとなくさっきから話題に入れてないエルザに視線を向けると、手振りで先を促された。
……。
「まさか……ね」
『他に聞いてる人もいないし、苗字でも確認する?』
「じゃあ、三、二、一で。せーのっ」
『小鳥遊』
「高橋」
「『………………』」
なんかドッと疲れた。
この無駄なニアミスはなんなの……。
柄にもなくちょっと緊張しちゃった自分が情けない。
多分リーザも同じようなこと考えてるんだろうなー……。
苗字のニアミスは運命のイタズラ的なものです。
それ以上の意味はありません。
まぁ二人の関係に多少の影響を与えたり与えなかったり……




