表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チキンハート  作者: 27サグマル
23/133

23.黒龍の洞窟-9

 その翌日、ナナと留守番を頼まれた僕は日課の鍛錬を終えて子虎と戯れていた。

 ちなみに僕が鍛錬してる間はナナが子虎と遊んでたみたいだけど、今は昼寝してる。

 ナナと子虎の関係は良好。

 別にサーシャと子虎も仲が悪いわけじゃないんだけど。

 どうも謎のぎこちなさがあるというか……。


「そういえば君の名前を決めないとね」

『んー?』

「あれ、念話できるようになったの?」

『む~』


 まだ普通に話すことこそ出来ないにしても、念話に要るリンクみたいなのを繋げられるっぽい。

 やっぱろ転生の経験が効いてるのかな?

 ――と、今は名付けだった。

 響いた声は中性的で、判断はし難い。じゃあ名前もそんな感じでいこうかな。


「スノウとかどう?」

『やー』

「じゃあ、ホワイト」

『やー』

ヴァイス()……は男っぽ過ぎるかな? 他には……ネイル()

『むー……』


 効果はいまひとつのようだ……。

 いかんせん僕も元はただの大学生だし、語彙はそこまで無いんだよなー。

 名前に直接意味を持たせる方向から離れてみよう。

 ケイ()が拾ったからエル()とか?

 んー……。とりあえず、日本の中性的な名前を列挙してみる。

 子虎が気に入るのがあれば良いんだけど。


「じゃあ、とりあえず色々言ってみるね?」

『はーい』

「メグミ……リオ……チヒロ……シオン……ユーリ――」

『!』


 お、反応あり。

 パタパタ揺れていた尻尾がピンと伸びる。

 様子を見ると子虎は期待に目を輝かせている、のかな?

 なんかちょっと焦らしたくなるけど……まあ、素直に聞いておこう。


「気に入った名前はあった?」

『ゆーりー!』

「じゃあ、君の名前はユーリで決まりだね」

『うん! ゆーりー!』

「ところで、僕の名前は分かる?」

『えーと……けいー?』

「正解!」


 上機嫌にじゃれてくるユーリのあざとさは半端じゃないけど、単純に可愛げとして受け止めておく。

 日本時代のペットだった犬も猫もすぐにふてぶてしく育った経験が、余計なことは考えず子虎との時間を満喫すべきだと告げていた。

 年の離れた弟妹もそんな感じだったしなぁ……。

 ホントに可愛い時期なんて一瞬だけなんや!


 僕がいなくなった後、日本じゃどんな感じになったのか気にはなるけど……転生前後の記憶がかなり曖昧なせいで、想像もつかないんだよね。

 そんなことより、ユーリはどうしよう?

 レベルを上げたいけど、ゲームみたいなパワーレベリングは無理っぽいし。

 人化覚える前の僕と同じことしても良いんだけど、時間がなぁ……。

 まぁ前は僕がしてもらったことだし、自分の番が今になって回ってきたと思えば良いか。気長にいこう。


 そんな感じで、その日はそれ以上することもなく一日中ユーリとじゃれて過ごした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ