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第8話

                 第8話

「でもよかったんですかねえ、優勝したバトルスーツをマーカー国に置いたまま帰国してしまって。」

 ピエールは、やや不満そうにレイラの方へ振り返る。


 ここはペンシル国古城前の広場だ。

 優勝賞金の大部分はコットン村などの貧困にあえいでいる地方都市に対して寄贈し、余った分で食料を買い込み炊き出しを実施しているのである。

 広場には子供から大人まで詰めかけて、配給される食事を受け取っていた。


「仕方がないではないか。優勝したバトルスーツを大会期間中は、会場に展示するという事なのだから。

 でもおかげで帰りの荷車が軽くなり、代わりに頂いた賞金の一部で、マーカー国で大量の食糧を買い込むことが出来たではないか。それで、こうやって毎日炊き出しが出来るのじゃから、かえってありがたかったくらいじゃ。」


 レイラはやってきた子供にお椀一杯の芋のスープを渡しながら、楽しそうに答えた。

 城の女中たちのみならず、レイラ自ら炊き出しの調理をして、更に配分もしているのだ。

 レイラは途切れない列に対して、忙しそうにスープを振る舞っていた。


 しかし、ピエールには一抹の不安があった。

 あの競技会の中で、レイラの設計のバトルスーツはパワーもスピードも群を抜いていた。

 その為、割と簡単に勝ち進むことが出来たのである。


 Bブロック決勝で当たった、レイラの師匠ともいえる教官のバトルスーツも強かったが、レイラの設計の方が上と感じていた。

 多分、ピエールがバトルスーツの操作を取得して、一人で剣を使って戦うことが出来れば、相手を圧倒していたであろうという自信はあった。


 それほど、性能差を感じていたのである。

 教官である相手の操作と剣技がレイラに勝っていたために、ピエールが加わったとしても、僅差の戦いになったと考えているのだ。


 その為ピエールは、バトルスーツを会場に展示するなどと言う事は言い訳で、バトルスーツを解体してその構造を解析し、レイラの設計方法を盗み取ろうとしているのではないかと考えているのだ。だが、今となっては置いてきたバトルスーツを取り戻すすべはなく、無事な形で返却されることを祈るのみだ。


 その日の夕方から、ささやかながらバトルスーツ競技会での優勝を祝う祝勝会が開催された。

 と言っても、炊き出しで余った食材と、バーにある酒を兵士たちに振る舞っただけではあるが、久しぶりの祝宴に広場は沸き立っていた。この日ばかりは、兵士たちも遠慮なく豪快に酒盛りに供している。

 勿論、近衛隊隊長と衛視長のコンビも、広場の隅の方でグラスを手にしていた。


「先日はどうも。戦火の最中に酒樽を運んだ件に関しては、事情も知らずに言葉が過ぎました。

 大変失礼をいたしました。非礼をお詫びいたします。」

 ピエールは帯刀している刀を鞘ごとベルトから外し、鞘を利き手である右手で掴んで武装解除を示してから、二人の面前に立ち深々と頭を下げた。


「ああ、あの件なら気にはしていない、大丈夫だ。味方側からも、酒好きの近衛隊隊長が何よりも大事な酒樽を守ったと思われていた方が、今後の戦略上も有利に働くだろう。

 それよりも、随分とご活躍だったそうじゃないか。


 姫様の剣の稽古は、姫様が5歳のころからたしなみの一つとしてわしが指導していたのだが、最近ではわしと同格か、下手をすればわしよりも強いと感じていた。

 その姫様を差し置いてバトルスーツを操作して剣技で相手を打ち倒したというのだから、相当なものだ。

 今度一つお手合わせをしていただきたいものだな。」


「おお、一緒にわしもお手合わせをお願いする。」

 赤ら顔の近衛隊隊長は、酒が進んでいるのかいつもよりさらに顔を赤くしていたが、それでも凛として話しかけてきた。衛視長の顔もずいぶんと赤くなっている様子だ。


「いやあ、私などの剣の腕前はまだまだですよ。

 準決勝では複雑なバトルスーツの操作は無理なので、両手の動きだけを担当しました。


 その為、身のかわしや踏込などはレイラ姫に担当していただいて、私は剣と盾の動きだけに集中できたために相手に勝ったと考えています。

 それもこれも、レイラ姫設計の優秀なバトルスーツあってのものでしたがね。」


 ピエールは微笑みながら、謙遜して見せた。

 思っていたほど、近衛隊隊長たちが先日の件を不快に記憶していない様子であることが、彼の気持ちを少しは楽にさせた。


「おおそうか、随分と謙虚だな。

 少しの功績ですぐに天狗になるタイプではないかと勘繰っていたが、違ったようだ。

 それよりも姫様と一晩を過ごして、変な気持になってよこしまな行動を起こさなかったであろうな。


 姫様がお前のようなやさ男に組み敷かれることはないとは思うが、狂気が混じれば想定外の事も起こりうる。

 大丈夫であっただろうな!」

 近衛隊隊長は先ほどとは違い、強い語気でピエールに詰め寄ってきた。


「いえ、誓って変な事はしておりません。バトルスーツの調整を終えた後、一つのテントでの仮眠に誘われましたが、私は保安上の理由からテントの前で立番をしておりました。

 競技会への参加者たちのいかつい男達の視線から、姫様を守り抜きました。」

 ピエールは近衛隊隊長に向かって、直立不動の姿勢で答えた。


「そうか、ならばよい。それはそうと、未だにお主にとって姫様は理想から外れているのか?」

 近衛隊隊長は、満足したように笑みを浮かべながら尋ねてきた。


「は、はい。大会での出来事と、帰ってきてからの炊き出しなど、違う面の姫様の姿を見てきました。

 最初の印象とはずいぶんと違って来ましたが、やはり私の理想とするのはおしとやかな女性です。」

 ピエールは尚も姿勢を緩めずに答える。


「そうか。好みではない方が、余計なちょっかいを出すこともなく安心だ。

 引き続き、姫様の身の安全を第一に考えて役目を果たすように。良いな。」

 そう言い残して、二人は城の中へと入って行った。


 ピエールは直立不動の姿勢で敬礼したまま、二人の姿を見送る。

 その日の宴は、若い兵士たちを中心に深夜まで続けられた。

 宴は初日だけで、翌日からは市民への炊き出しだけが実施されることとなった。



ピエールが考えていた心配事は、大会最終日の朝に現実となる。

 ジェノバ王子自らが優勝したバトルスーツを運んで城の前の広場までやってきたのである。

 しかし、それは人型ロボットの形をしていない、屑鉄同然の姿であった。


「申し訳ない。うちの方の技術者が破壊された盾を交換して、左腕の配線を修理して装甲も交換したまではよかったのだが、模擬戦用に装備されたペイント弾を実弾に変えようとした際、ロケット弾が暴発してしまったのだ。

 装甲の上からであれば、ロケット弾の爆発でも傷がつく程度ではあるのだが、装甲を開けて装備しようとしていた時だったからひとたまりもなかったらしい。


 うちも大きなけが人が出なかったのがラッキーだったと思っているよ。

 親父は構わないからそのまま返せと言ったけど、このまま戻すのは気が引けるので、僕の一存で代わりに5台分のバトルスーツの材料を運んできた。せめてものお詫びの印だ。」


 大型のホバーカーの後ろの荷車にガラクタと化したバトルスーツの残骸を乗せ、更に5台のホバーカーそれぞれに部品を山積みにした荷車が追従してきていた。

 ジェノバは深々と頭を下げて、お詫びの意志を表した。


「あんなことを言っていますが、本当はレイラ姫の設計したバトルスーツの構造を知るために分解して、組み立てられなくなったから証拠隠滅で破壊したのでしょう。許せません。」

 ピエールは身を乗り出して、今にもジェノバに掴みかかりそうであった。

 その気配を察したのか、屈強な体をしたお付きのものがジェノバの前に立ちはだかった。


「まあ待て。起こってしまったことは仕方がないではないか。

 向こうだって壊したくて壊したわけではないだろう。

 たった1台のために5台分の材料をくれたのだから、ありがたく頂戴するとしよう。」

 レイラはいたって冷静で、ピエールを右手で制した。


「お詫びを兼ねてと言っては何だが、また一緒に食事に行ってはくれまいか?

 今日でも明日でも僕は構わない。」

 ジェノバは自信ありげにレイラを見つめて微笑んだ。


「申し訳ないが、今は炊き出しで手いっぱいなのじゃ。

 それにバトルスーツの材料を頂いたのでは、その制作で当分は暇が取れぬじゃろう。しばらく待ってくれ。」

 予想していなかったレイラの答えに、ジェノバは少し慌てた様子であった。


「バ、バトルスーツの制作なら、我が国から技術者を送り込んでもいい。

 そうすれば5体くらいすぐに完成するであろう。いかがだ?」

 ジェノバは尚も未練がましく誘ってきた。


「いや、休戦中とはいえ敵国同士。武器ともいえるバトルスーツ制作の補助をするのは適正ではないじゃろう。

 ありがたいがお断りしておく。」

 レイラの返事に力なく反応したジェノバ王子は、俯いたまま荷車を外したホバーカーに乗り、帰って行った。



 事態の急変はその日の午後に伝えられる。

 夕食の炊き出しの準備のために、食材を城の前の広場に並べているレイラとピエールの所に、国境から伝令が駆け込んできた。


「た、大変です。マーカー国からバトルスーツの一団が攻め込んできます。

 本日はバトルスーツ競技会の大会最終日の為、マーカー国間とのバトルスーツの行き来は自由という理由で、マーカー国側から5台の新型バトルスーツが無理やり検問を突破して、お城を目指してやってきます。

 ジェノバ王子が率いている様子ですが、彼らの目的は不明です。」


 国境警備に当たっていた兵士が、必死でホバーカーを飛ばしてきたのであろう。

 電信による通信も出来るのだが、それは宮殿都市でのことであり、古城にはそのようなシステムはないのだ。


「先ほどお断りなされた食事のお誘いを、改めて申し込みに来るという事ではないでしょうね。」

 ピエールは神妙な顔をして、疲れ切って息も絶え絶えの兵士をねぎらった。


「戦時下でもあり、バトルスーツでの来訪は軍事目的と考えるのが筋であろう。

 今、どこまで進んできておる?」

 レイラは炊き出しの準備を取り止めて、本日は城に近づかないように民へ連絡する様、家臣たちに指示をした。


「は、はい。私が出発したのは、バトルスーツが国境を通過した直後でしたので、現在はここから30遠里ほどの地点にまで達していると考えます。」

 兵士はピエールが差し出したコップ1杯の水を飲み干して、喘ぐような息を整えながら答えた。


「多分、レイラ姫の設計技術を盗んで改造した新バトルスーツで、向かってきているのでしょう。

 5台と少数精鋭なのは、その為と考えます。こちらで戦えるバトルスーツは1台くらいしかないだろうと踏んでの、進撃と考えます。多数のバトルスーツによる侵攻は目立つため、休戦協定違反として非難を受けますからね。」

 ピエールは冷静に事態を分析していた。


「その可能性は高いだろう。競技会から丁度1週間経過しておる。

 すぐに分解して構造を知れば、1週間あれば改造も可能であろう。彼らの技術であればのう。


 しかし、最も重要な駆動エネルギーを伝える光球格納部分は、ブラックボックス化して、完全溶接して中身が見えない箱に納めていたのだがのう。」

 レイラは身支度を整えながら、やがてバトルスーツがやってくるであろう方向を遠目に眺めていた。


「だから、元に戻せなくなって破壊されて戻って来たのですよ。

 おかげで、こちらに今戦えるバトルスーツは1台もなくなりました。」

 ピエールは残念そうに唇を噛んだ。


「まあ、仕方がないのう。後は、マーカー国の優秀な技術者が堅実で精巧にコピーすることを祈るのみじゃ。

 ピエール、一緒についてまいれ。」

 レイラは急いで城の中へと戻り、中庭で設計図を見ながら長い計算を始めた。

 ピエールは、何が始まるのか分からなかったが、レイラの指示に従って荷車に荷物を積み込み始めた。


 これより半日ほど前、本日の早朝。マーカー国王宮。

「エンドルフィン様、レイラ姫の設計によるバトルスーツの解析は終了いたしました。

 各部品の仕様・寸法公差など主要部分に関しましては、私が教えていたころの延長上の物です。

 組み合わせ的に最適値を狙っていますが、真新しいものではありません。


 しかし、光球からのエネルギーを配給する液体に特殊な配合がされていました。

 液体と言うのは、光球を収納した容器を満たしている液体の事ですが、バトルスーツの中心部からスーツの隅々まで行き渡り、エネルギーを伝えているもので駆動液と呼んでおります。

 いわば、人間にとっての血液のような物と言えます。」


 あごひげを蓄えた精悍な顔つきをした男は、マーカー国王エンドルフィンに対し敬意を払い深々と礼をした。

 そうしてバトルスーツの胴体部分の装甲を開け、中を指さして見せた。

 彼は、競技会でBブロックの決勝戦でレイラチームと対戦した男のようである。


「駆動液の配合が特殊とはどういった事だ?」

 国王は彼の説明がちんぷんかんぷんで、理解できずにいた。


「この駆動液も遺跡からバトルスーツと共に発掘されたもので、主液に加えて添加用の2種類の液体との3種類の配合にて調整されております。主液Aに対して添加BとCが10対1対1の割合で調整されるのが一般的です。

 主液がエネルギーを運ぶのですが、添加Bはその効率を向上させます。


 主液10に対して添加Bを1配合するだけで、エネルギーの供給効率はおよそ主液Aのみの場合の1.5倍に向上します。しかし、その分熱ストレスも増大し、すぐにオーバーヒートで動かなくなってしまいます。」


「おう。ならば、どうすれば良いのだ?」

 国王は男の説明に興味を示したようだ。


「そこで登場するのが添加Cです。

 添加Cには冷却効果がありまして、添加Bと同等加えることにより、熱ストレスの増加を抑えることが出来ます。

 主液Aに対して添加BとCの配合を様々試してまいりましたが、その最適値が10対1対1であり、主液Aのみの場合のおおよそ1.45倍の高率でエネルギーを伝えることが出来ます。


 ところが、彼女の方法は現在確認されている最適値のエネルギー供給率を更に上回る配合比でした。」


「ほう、それはどういった技術なのだ?今までにない画期的な方法なのか?」


「いえ、そうとも言えません。主液Aに対して添加BとCが10対11対5という変則的なものではありますが、3種の液体の配合と言う事では今までのやり方を大きく逸脱したものではありません。

 しかし、主液Aに対して添加Bの方が多いという配合比は、今までに試した記録はなく、せいぜい主液の半分程度までの添加までで配合比の検討は打ち切られてきました。


 それは、主液Aに対して添加BとCが10対1.1を超えた辺りから、エネルギー供給効率が落ちていく傾向が続くからであり、主液の量を添加が越えた辺りに、もう一つの供給効率のピークがあるとは想像できなかったからです。」


「ならば、どうして更に添加を増やすと供給効率が上がるという事に繋がるのだ?」


「添加Bよりも添加Cの方が粘性が高く、添加Bで向上する供給効率よりも、粘性による流量低下による、供給効率低下の方が大きくて、10対1.1を超える添加は意味がないと考えられていました。

 ところが、添加Bの量を主液と同等にした配合比から、発熱により光球の活動量も飛躍的に向上することが判りました。


 その為、発熱による粘性増加による流量の低下率より、光球からの単位時間当たりのエネルギー量が上回るのです。更に、光球の活動量増加により、添加Cの冷却能力も向上し、添加Bの半分ほどの量で効果を発揮するのです。

 まさに、逆転の発想ですな。


 その為、更に粘性を押さえられ、結果的に彼女の配合比でのエネルギー供給効率は、主液Aのみの場合の1.75倍、現行までの最適配合比の場合と比較して約1.2倍となります。

 この確認の為に研究室での再現実験に3日ほど費やしました。


 遺跡から出土された補充用のタンクの各液の残量も、主液Aに対して添加BとCの割合は10対1対1でした。

 その事から考えて、現行の最適配合比を我々の先人たちも使用していたことになり、彼女の発想は現在よりもはるかに科学文明の進んだ、古き時代の発想をも上回るものと言っても良いでしょう。

 しかし、この最適値を得るために、どれほどの試行錯誤を繰り返したのか、想像に難くありません。」


「ほほう、それは新しい発見というより、発明に近いものだな。よくぞその点に気が付いた。」

 国王は感心したように頷いて見せた。


「当初は、レイラ姫のバトルスーツの設計に目新しい改善が見当たらず、どのようにして、あのような性能を発揮しているのか全く不明でした。

 しかし、通常は装甲内で露出している光球の収納部分がブラックボックス化されて、溶接された鉄製の箱に覆われていたので、これは怪しいと気付いたものです。


 最終的にはすべて解体して液成分も分析などしたでしょうから解析は出来たとは考えますが、その分早く発見できたとは考えております。しかし、おかげで再組み立ては不可能となってしまいましたがね。」

 男の言葉に、国王は何度も感心して頷いていた。


「でかしたぞ、ジャクソン。すぐに我が国のバトルスーツも、その技術を用いて改造するのだ。

 今は休戦中だから、あまり目立つ攻撃は出来ないのだが、機能が上がれば数体のバトルスーツでも大きな効果が挙げられるだろう。完了次第、本日中にでもペンシル国に数体を攻め込ませるのだ。」


「既に新しい配合比で液を調合し、駆動試験を開始しております。

 しかし、なにせ今までに使用したことのない配合比を使用するため、どのような不具合が発生するか不明です。

 少なくとも数週間の動作試験を終了してからの実戦配備が望ましいと考えます。


 もし、本日出立なされるのであれば、私のなせる技術で最適にチューニングいたしますので、そちらをご使用願います。エネルギー供給効率では差がありますが、その他の改善で全体的な運動性能は、レイラ姫設計のバトルスーツに対して大きく劣るものではないと自負しております。」

 ジャクソンは頭を下げたまま、エンドルフィン国王の顔を見ずに答えた。


「うるさい、お前が作ったバトルスーツは、レイラが作った物にあっけなく敗れたではないか。

 感応者の影響のみならず、バトルスーツの性能そのものにも差がある為、ペンシル国に出向くときは向こうの何倍ものバトルスーツが必要になるのだ。


 いいから、レイラの配合比通りの改造をするのだ。

 レイラは、その配合比でバトルスーツの大会に参加して、優勝したのであろう?

 動作試験は終了しているようなものではないか。いいな、すぐにかかるのだ!」


「ははー。」

 エンドルフィン国王は、最古参の技術者であるジャクソンの提言に耳を貸すつもりは全くなかった。

 かくしてレイラの設計通りに最適化されたバトルスーツが、ペンシル国へ侵略目的で向かったのである。



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