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ララの古魔術書店  作者: 邑上主水
第一章「失われた魔術」
26/105

エピローグ

「首尾はどうだ。上手く行ったか?」

「いえ、魔術は発動すること無く……失敗です。ゴート・ハイム両陣営共に被害は与えられませんでした」


 月の光りも届かぬ淀んだ闇の中、ぼんやりと青白い炎だけがまるで鬼火のように漂っている。そこに響くのは、男と女の声。


「なんだと?」

「邪魔が入りまして」

「邪魔……?」

「貴女と同じ『無に帰す力』を持った少女です」

「……!」


 女は言葉を失った。


「……まさか、とは思いますが、貴女の助力ではないですよね?」


 それまで卑下していた男の声に、怒りにも似た色が浮かぶ。だが、女は何も答えない。


「まぁ、貴女の事です。何か思惑があるとは思いますがね。司教様には何と報告するおつもりで?」

「……回収は?」


 男の質問に応える様子もなく、女の声が続ける。


「すでに。ゴート商会に渡した『生命付与魔術書』は回収済みです。そして……」


 青白い炎が揺れ、ゆらりと男の顔を浮かび上がらせる。黒縁丸メガネをかけた男の姿。


「ブランの回収も済んでいます。搬送中だった協会職員は処理しました。目撃者も居ません」

「判った……司教様もお喜びになるだろう」

「詳細は後ほど。明日には聖都ヴァルフォーレに戻りますよ」

「判った。明日詳しく聞こう。ご苦労だった」


 そう言うと、女の声と共に青白い炎は酸素を失った炎が消えるように忽然と姿を消した。

 再度、まとわりつくような暗闇が辺りを支配する。


「何を企んでいるのか判りませんがね」


 男が独りごちた。


「ララちゃんは貴女の何なんですかね……ふふふっ……興味あるなぁ」


 光の無い暗闇でさえ判るような冷たい笑み。

 男はそう言い残し、暗闇の中に溶け込んでいった。


これにてララの古魔術書店第一章は完結です!!

ここまでお読み頂いた皆様ありがとうございました!!

この終わり方でなんとなくお分かりかと思いますが、第二章に続く予定です(笑)


番外編なども予定してますのでお楽しみに!!

評価・お気に入り頂いた皆様ありがとうございました。皆様のおかげで最後までこれました(涙)

本当にありがとうございました。

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