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熱砂、舞う

 暑い。

 そんな野暮な思考に至らなくなるようになってから、どれくらいの時が経っただろうか。足が砂を噛めば、さく、と軽い音が体に響いて伝わる。乾いた大地の棘は今も足を傷みつけるが、痛覚はこの程度では機能しない。悠久の流れの中で感覚が麻痺してしまったか、あるいは痛みに慣れてしまっただけか。鉄のごとく硬化した脚は、その詳細を語る事などない。ただひたむきに生きよと、訴えかけてくるだけ。

 脚は私達を運ぶ。地平線を知る眼と、一滴の水の臭いも逃さぬ鼻、羽虫の吐息も漏らさぬ耳に躍らされ、的確に獲物を追いかける。

 水辺の恵みを蓄えた体毛は、癒しの流れ。砂原を駆ける時は体を冷やし、またある時は喉の渇きを潤す。火輪が去ってからは、私達の体に温もりを与える衣となる。

 照り付ける火輪は天の頂を突いたばかり。気温が高まる中、目指す先には砂原に踏み込んだ者が、弱りゆくのが見える。獲物は彼らを狙い、そこに現れる。

 そう確信したとき、熱砂を蹴る脚が一段と強くなった。同じくして、前を走る長が、腕を高々と掲げる。

 合図。狩りの時間はもうすぐだ。

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