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はじめまして、ユッカリーンです。
下手くそな文章ですが、よろしくお願いします。
コンクリートに囲まれた箱の中で問題を解くの作業を終えた俺は、放課を迎えた教室から出るクラスメイトの波に紛れて歩いていた。
7/20日。
地獄の一学期がようやく終わりを迎え、待ちに待った夏休みに心踊る者も多いだろう。
だが――
「不幸だ……」
この俺、神尾英才<カミオエイサイ>にとっては決して楽しめるものではなかった。
この春、高校生になったばかりの俺は、浮かれ気分になってしまったばかりにハメを外してしまった。
ていうか勉強せず遊び呆けてしまった。
テストも儘ならない俺に担任(24歳 独身)が、明日から夏休みと浮かれていた俺に告げたのは夏休みの補修についてだった。
つまり、他の皆が夏休みを満喫している中、俺は一人狭いコンクリートで囲まれた密室内でまるで呪文のような言葉を聞かされる羽目になってしまったのだ。
「まあ、元気出しなよ」
落ち込む俺の横を歩き、凛とした顔でありながら微笑を隠そうともしないニヤケ面が俺を慰めるつもりか、そう言ってきた。
「……お前はいいよな、遥夏」
「いや、君の場合自業自得じゃない」
うっ……
そう痛いところを突かれてしまうと言葉に詰まる。
「い、いいんだよ!! 二学期から本気出すから……」
「本気出すって今まで何回聞いたっけ?」
この幼なじみは俺のことが嫌いらしい。
遥夏こと郁戸遥夏<イクトハルカ>は俺の幼なじみ。
生まれた時からの付き合いだ。
女子と幼なじみなんて羨ましい!!
なんて言う輩も多いが、安心して欲しい。
コイツとは昔からずっと一緒なので特別な感情などとうの昔に消え去ってしまっているからな。
それにしても――
明日から夏休み。
いくら補修があるとはいえ、久しぶりの長期休暇。
部活をやってない俺にとっては貴重な40日間だ。
クラスの友達でも誘って夜通し遊ぶか……。
いや、元中学の友達と遊ぶべきか……。
「いやさ、君。 ただでさえ勉強ついていけてないんだからしっかりと勉強しなよ」
遥夏が、俺の思考に横槍を入れてきた。
こいつ――俺の考えていることが分かるというのかっ!?
「いや、君さっきからブツブツ一人で呟いてるからね」
さいですか。
――――――――
明日からの予定を組み立てながら家に帰ると、家には誰もいなかった。
どうやら、買い物に行っているらしい。
自分の部屋に入り、カバンを床に投げ捨て、ベッドに倒れ込んだ。
……疲れた。
今日は別に夏休み前の注意や、内申書やプリントの配布だけだったので、いつもより断然楽だったはずだ。
まあ――いっか。
上下くっつきたいと志望している瞼に逆らうことなく、俺は意識を暗闇へと手放した。