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2. 召喚


目が焼けるような強い光が収まった後目を開けた私は、広い石造りの神殿のような場所に座り込んでいた。


(……え?どこ、ここ……。私は、病院にいたはず……)


混乱する私の前に、恐らく私と同じ高校生くらいであろう青年が膝をつく。まるで中世の貴族のような立派な服を着た艶やかな黒髪の快活そうな青年は、ゆっくりと私に手を差し伸べながら口を開いた。


「ようこそいらっしゃいました、光の聖女様。どうか私たちに力をお貸しくださいませんか」

「……え……?」


意味が分からなくて馬鹿みたいに呆ける私に、緊張を和らげるような軽い調子の声が横からかけられる。


「リヒト、いきなりそんな事言われてもびっくりしちゃうんじゃない?まずは自己紹介と、ここの説明をしないと」

「⁈」


――その声を聞いたとき、私は全身が雷に打たれたような心地がした。


だってそれは、ゲームの中で何度も何度も聞いた大好きな声だったから。


幻聴なのか確かめたくて……でも確かめるのが怖くて、ぎこちなく振り向いた私の目に、とても美しい男性ひとが飛び込んできた。


すっと通った鼻筋に、神様が寸分違わず配置したかのような均整のとれた取れた顔立ち。そして絹糸のような艶やかな金色の髪に、春の新緑を思わせる、まるで翡翠のような美しい瞳。……エルフと言うのが頷ける、怖いほどに整ったその(かんばせ)に人の好い笑顔を浮かべながら私を観察する――――大好きな推しが、そこにいた。




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