第6話「出鼻を挫く(物理)」
自動化の手がかりが見つかった
早速、部品を作っていこうと思うのだが、その前に村に戻ろう
勿論、水不足にならないように水も持って行く。あんな目には二度度会いたくない
◇◇◇◇◇
機械の試作品を作った
使い方は簡単で台座に鉄のインゴットを置き、取っ手を掴んで魔力を込めるだけ
サルでもゴリラでもできます。いや流石に野生の動物は無理か
ざっくり手順を解説しましょう
1.刻印した魔法【フレア】で鉄を熱する
2.【技巧】を刻印したハンマーで、クランク機構を使い鉄を高速で打ち込む
3.刻印した魔法【アクア】で急冷する
以上、自動化機械の完成です
浩太「って感じだが、とりあえずやってみよう」
なんだい?俺が一人で話しているヤバい奴なのかって?
それはない。現在ちゃんと目の前にパーティーメンバーいますよ
ソルム「よし、それなら倉庫から鉄を持ってくるわ」
ソルムはダッシュで倉庫に向かった
いやぁ、自ら動いてくれるのは本当にありがたい限りだ
ソルムが鉄を持ってきたところで、実際に動作させよう
浩太「セッティングよーし。それじゃあ行きますか」
俺は機械に魔力を送る
遂に感動の瞬間、機械が動き出してあっという間にレールの完成
とはいかないのが現実だ
バコーン!
機械が俺の顔面に直撃した
どうやら、クランクの反動によって機械が吹っ飛んだみたい
なんて冷静でいられるわけがないだろめっちゃ痛いんだが!?
浩太「ギャァァァァァ!!!俺の鼻がぁ!顔面がぁ!」
エレ「大丈夫ですか!?はわわわわどうしようどうしよう!」
これが、出鼻を挫くってことなのか。間違ってはいないはず、たぶん
◇◇◇◇◇
まあ、さっきのは気にしないでおこう
テイク2始めます
今回はちゃんと机に万力でガチガチに固定してやったわ。これなら出鼻を挫かれることもなかろう
改めて、俺は機械に魔力を送る
ガタッ
ガッガッガッ
ガガガガガガガガガガガガガ
いやめっちゃうるさい。こんなん街中でやったら騒音で苦情来るわ。ここが小規模の村で良かった
そんなことを思っていると、機械からにゅるにゅるとレールが出てきた
よし、成功した!これならレールの量産が簡単にできる。後は魔力源だが、魔熱油から魔力を抽出するのも悪くはない。悪くはないが、これも持続可能がなんたらというやつだ。再生可能エネルギーではない以上は無暗に使うことはできない。列車を走らせるために魔熱油を使うのだが、その時に発生した魔力を何かしらの機械に使うことは可能だがね
とりあえず、一旦機械を止めようか。流石にうるさい。念のために耳栓をしていて良かった
周りを見てみると、フィーア・ソルム・エレが泡を吹いて気絶していた。仕方がないさ、ダイレクトにあの騒音を聞いちまったんだから。残念だったなの〇太、この耳栓は一人分しかないんだ。諦めるんだな
気絶した三人を村の療養所に連れて行った。さっさと起きてもらわねば困るのだ
話をレールに戻そう。俺たちが真っ先に行わなければならないのはレールを素早く生産すること
そのためには仲間の三人、というよりはエレが必要だ。あいつ女神とか大層な肩書持ってるくせに、女神らしいところは一切見当たらない。そのせいで大量に魔力が有り余ってるんだよな。だから丸一日機械の前に立たせて役に立ってもらおうと思う。おいおい勘違いはするなよ?ちゃんと見合った報酬は出す。いくら仲間とは言え、流石にサビ残は労基に怒られる。いやこの世界にそもそも労基という概念自体が無いんだが、そこは気にしなくていい。要は恩は返そうってことだ
エレ「いえ!私なんかに報酬は必要ありません!」
数時間後、復活したエレに要件を話したら、無償でいいと言ってきた
浩太「いや流石にタダ働きは気が引けるだろ。最低限はキッチリ払うから」
エレ「私なんかがそんな大層な物をもらう資格はありません」
うーん、しかし困ったなぁ
俺も感性は日本人だ。義理というものがある以上は‥‥‥。なんかないかな
‥‥‥うん、良いことを思いついた
浩太「じゃあ、こうしよう。働いた分はエレの装備代とその他で返そう。直接金で支払う訳じゃないだろ?なら問題ない」
俺結構知恵を絞ったぞ、これで引いてくれればいいんだが
エレ「そんな私なんかにお金なんて掛けなくても大丈夫です。それに私はパーティーの中でも唯一役に立ってないメンバーです。役立たずにお金を掛ける必要はありません!」
そうかそうか、お前がそういうなら仕方ない。最終手段を使う以外の選択肢は、ない!
浩太「エレ?」
エレ「はい。どうしましたか?」
浩太「お前、さっき自分のことを『役に立ってないメンバー』といったよな?」
エレ「はい。その通りです」
浩太「じゃあ、『役に立ってないメンバー』はパーティーに少しでも役立たなければいけないよな?」
エレ「はい。ごもっともです!」
フフッ、かかったな。それがお前の敗因だ!
浩太「『役に立ってないメンバー』は役に立つために、他のメンバーの言うことは聞かなければならないよな?」
エレ「はい、もちろんです」
浩太「ククッ、お前まだ気付かないのか?」
エレ「ん?どういうことでしょうか?」
エレが素っ頓狂な顔をしている。実に滑稽、故にこの瞬間が面白いのだ!
浩太「つまり、俺の言うことをお前は聞かなければならない」
エレ「え?‥‥‥待ってください!?まさか」
気付いたようだな。だがもう時すでに遅し。俺の手には既に切り札があるんだよ
浩太「命令です。報酬を受け取りなさい」
エレ「そんなぁ!?卑怯ですよ!」
浩太「そんなことは今に始まったことではないっ!!!世の中卑怯こそ正義なのだ!」
ということで、何とか説得(強引)に成功しました
今のところ順調に準備は進んでいる。後はどこに線路を敷設するかだな




