第4話「正義ではないナニカ」
裁判官「それでは決闘裁判、始め!」
ザーレ「【獣化】」
獣化
獣人が生まれながらにして獲得するレアスキル
自身が持つ獣の遺伝子を強く引き出し、身体を変化させる
ザーレは種族・狼の獣人で近接戦を主体とする
この勝負は近接のやり合いになる
ソルム「【聖斬】」
ソルムが斬撃を放つ
がザーレは身軽にそれを躱す
ザーレ「これが種族・狼のレアスキル【瞬足化】だ」
瞬足化は自身の移動速度を上昇させるスキル
これにより、ザーレは巧みな技を繰り出せる
ソルム「そうか、では俺も少し嗜好を変えよう。【神ノ導線】」
ソルムが一切の迷い無く、ザーレに向かってダッシュする
ザーレ「馬鹿か!」
ザーレはレアスキル【爪ノ薙ギ】を発動
爪ノ薙ギは狼が持つ爪に風属性の力を込めて辺りを薙ぐスキル
だがソルムは予知していたようにそれを躱す
そしてソルムは剣を構える
ソルム「【神ノ誘導】」
ソルム「断つ!【聖斬】...............!」
ザーレは回避に徹する
しかしソルムの剣の軌道はザーレの動きに連動するかのように、ザーレを迷い無く追い
そしてザーレを斬った
ザーレ「がぁぁぁぁぁ!?............なんだと、確かに俺は......」
ザーレを意にも返さず剣を突きつけるソルム
ソルム「御託はいい。選べ、投降するかこのまま戦うか」
ザーレは確信した。彼の目には自分の保身などは微塵も混じっていない、純粋に奴隷フィーアを救うという眼。
___なんだあの眼は!
___嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
___たかが一人の奴隷、しかも見知らぬ奴隷をだぞ!?
___狂っている、なんなんだ!この眼は
___こんな奴に俺が勝てるわけないだろ............
___これが「正義の眼」なのか
___いや違う、これは____
何かヤバいと感じた
ソルムの眼には、正義ではない何かが映っていた
気付いたら体が動いていた
浩太「そこまでだソルム、これ以上は言う必要はないだろう」
ソルム「そうだな」
ソルムは剣を降ろす
あのまま放置していたら多分、ザーレの首は吹っ飛んでいただろうな
ソルムは剣を突き付けたとき、眼に何か映っていた
あれは正義の眼じゃない、負の感情の類
裁判官「原告の投降により、決闘裁判を終わる」
裁判官「改めて、原告に人権侵害の罪として懲役5年の刑を言い渡す」
そして裁判は閉廷した
ソルムのあの眼はいったい何だったんだろうか
俺は引っ掛かりを覚えながらも、この件は考えないことにした
後に大きな後悔を生むかもしれない
俺は見えない可能性に目を背けた
それが初めての罪




