コスプレ?
俺とキュリアはアゲハから渡された服を仕方なく着てみる。
制服に白衣なのだがこれも執事服と同じよう軽装以上の性能だった。
シウ専用 制服 (ブレザー)セット 耐久値500/500
全身(服)
アゲハ指定制服セット
VIT+50
INT+50
MND+50
AGI+50
スキル
【不屈】【ガッツ】【身体強化】【コスプレ魂】
キュリア専用 白衣の天使セット(保健の先生タイプ) 耐久値500/500
全身(服)
ミニスカ白衣セット
VIT+70
INT+50
MND+70
AGI+50
スキル
【魔法軽減】【身体強化】【魅了】【狂化】【コスプレ魂】
「FLOでも制服を着るなんて思ってもなかったよ…今は夏休みなのに…しかもなんで専用装備なんだよ」
「足元がスースーするのです…落ち着かないのです…でもサイズぴったしなのです!アゲハさん凄いのです!」
(2人とも羨ましいのじゃ…妾なんか…なにもないのじゃ…)
「まぁ姫はお猫様だから...装備出来ないから仕方ないだろ?そのうちなんか作ってもらうよ…そのうち」
「そんな事よりマスター、この後どうするのです?」
「この格好だしな…あまり外に出たくないけど観光もしたいんだよな…くっ!この葛藤…どうすればいいんだ…」
俺が工房の待合所で悩んでいると誰かが工房に入ってきた。
「シウ?そろそろみんな解散しただろ?街の案内で……も……」
ユーキングが工房に入ってきて俺達の姿を見て言葉を失っていた。
「アゲハにやられたのか…ご愁傷さま…南無南無...」
「手を合わせるな、こんな格好で街を出歩けとお前は言うのか?案内は嬉しいが流石にこの格好は…な?」
「ふむ…それならちょっとまってろ!アゲハー!」
ユーキングはアゲハ専用工房に入っていき、暫くすると出てきたのだが
「待たせたな!これなら恥ずかしくないだろ?それと変装用にメガネ借りてきたぞ」
アゲハの工房から出てきたユーキングは俺と同じ制服を着て現れた。
そして1つのメガネを手渡してきた。
「メガネしてたら少しは分かりにくくなるだろよ。キュリアちゃんは…どうすっかな…白衣までがセット装備になってるからなぁ。まぁキュリアちゃんはそのまんまで大丈夫か」
「大丈夫なのか?!本当に?!お子ちゃまがいきがってミニス「誰がお子ちゃまなのです!見えるか見えないかの瀬戸際なのです!マスターを悩殺なのです!」」
「とりあえずシウ、お前はメガネしてみろよ。少しは雰囲気変わるから。キュリアちゃんもメガネしてみるか?」
「してみたいのです!」
ユーキングは再度アゲハの工房にキュリアのメガネを取りにいき、戻ってくるとメガネだけではなくカチューシャまで手に持っていた。
「アゲハがこれも着けさせろってさ」
キュリアは赤い縁のメガネをつけ、頭に赤いカチューシャを装備した。
白磁色の髪に赤が映え、メガネをつけたキュリアは小さいながらも雰囲気がある先生みたいになっていた。
そして俺も黒縁のメガネを装着してみる。
「なかなか2人とも似合ってるじゃんよ。これなら…多分大丈夫だろ。よし!街に行こーぜー!制服着て外に出ると学校帰りみたいな感じになるな。新鮮だわ」
ユーキングに連れられてクランハウスから出てぶらぶら歩き出した俺達。
やはり周りのプレイヤー達は俺達の格好に目を取られていたがユーキングの姿を見て何故か納得をしていたプレイヤー達。
プレイヤー達がヒソヒソ話しているのを俺は聞いてしまった。
「ユーキングがアゲハの犠牲になったのか?」「あの2人は誰なんだよ、新しいクランメンバーか?」「てかあんな小さな女の子に白衣を着せてるなんて…アゲハ…ナイス」「メガネかけてる制服のプレイヤーって…女の子?」「男装してるのか?!」「でも獣人だよな…あの尻尾にあの耳…まさか?!」「これは素晴らしいでござるぅ…」「はぁはぁ…狐様…はぁはぁ…メガネ姿…はぁはぁ…あっ鼻血出てきた…」「蒼紫殿?!」
俺は全ての思考をシャットアウトして前だけを見て歩き出した。
「いきなり早歩きになってどうしたんだよ。そんなに早く教会を見たかったのか?」
「ちげーよ!耳と尻尾でバレたわ!」
「まぁいいじゃんよ。結局のところ誰も声掛けてこないから気にしなくていいだろ」
ユーキングはこの時何も知らなかった。
周りのプレイヤーはユーキングに恐れて声を掛けれないでいた事を。
そんな事を知らない俺達は聖都のメインである教会に向かっていた。
教会本部<アルビオン>
教会の中に入ると巨大なステンドグラスに目を奪われた。
各属性の精霊達がステンドグラスに描かれていたのである
そんな俺にユーキングが話しかける。
「ここはいろんな街にある教会の総本山なんだわ。僧侶とか神官はここに住むことも出来んだぜ。ずるくねーか?」
「…ずるいかどうかはわかんねーけど…街の外からでも凄いと思ってたけど…中もすげぇな…なんだろ?外の空気と違うのかな…澄んでる気がする」
「ここは精霊達が守ってるって話だからな。祈ったら精霊に会えるんじゃね?お前は水の精霊からブラシ貰ってたろ?それに加護まであるなら祈っておくべきだろ」
「まぁ確かに…前も教会で祈ったら少しだけなんだけど会えたしな、またお祈りしとくか」
(…あれ?そういやユーキングにこの事言ってたっけ?)
ふとイベント中に教会で少しだけだがディーネと会話をした事を思い出し声にしていた。
勿論、ユーキングはその事について追求してくる。
「シウくん?どういう事なのかな?お兄さんとすこしお話ししようか」
ユーキングはとびきりの笑顔で俺の肩を掴み逃がさないようにした。
「うん、ちゃんと後で説明するから離そうか?ね?ダメージくらわなくてもなんか痛く感じるんだよ?それにここ教会だよ?大人しくしようね」
「絶対だからな!しっかりきっかり説明求めるからな!」
ユーキングの肩掴みから逃れた俺はステンドグラスの前にある祭壇に近づく。
祭壇の近くには司祭が居て話しかけてきた。
「心ゆくまでお祈り致すのです…」
司祭は銀で出来ているトレーを俺の前に出してくる。
「あっ、お布施って事ね。ならこれで…」
「マスター…ケチんぼなのです…」(大金を手にしたのにそれ程の金額とは…情けないのじゃ…)
シウはトレーの上に5,000Gを乗せたのだがキュリアと姫にバッシングを受けていた。
「…なら追加でこれで…」
んだよ…お布施なんだから気持ちの問題じゃんよ…2人して…1人と1匹で言わなくてもいいじゃんよ…とりあえず合計で2万G渡せば文句ないっしょ!
「それでは…神にお祈りを…」
俺達は祭壇の前に行き、前回と同じように手を合わせてお祈りをすると。
…この前は祈ったらディーネが現れたんだよな…声だk
「シウ様〜ようやくここまで来てくれたんですね〜♪︎待ちくたびれましたよ!いつまで目を瞑ってるんですか?そんなに私を見たくないんですか?!ひどい!!」
うわぁ…やけに鮮明に聞こえるんですけどー。めっちゃ普通に声が聞こえるんですけどー。とりあえず目を開けてみる?でも祈ってる最中は目を開けたら駄目なんだy…
「そんな事を考えなくて良いから早く目を開けて!そして私をちゃんと見て!」
俺はゆっくりと目を開けて声のする方に顔を向けると…
「なんでディーネがいるの?てかここどこ?!教会じゃ無くなってる?!」
顔を向けた先にはディーネが居る。そして教会では無い別の場所に居たのだ。




