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甘いの?辛いの?




 1度ログアウトをしてリアルに休憩をした俺は再びFLOの世界に降り立った。

 宿屋をキュリア、姫と出て東にある聖都を目指して進み出す。

 一旦東の森を抜けドライゼンにやってきた。


「マスター駆け足でドライゼンまでやってきたのです。なにかあるのです?」

(ずっと走りっぱなしなのじゃ〜足がパンパンなのじゃ〜少し休憩するのじゃ〜!)

「特に意味は無い!何となく走り抜けたかっただけだ!まぁ俺も疲れたから少し休憩すっか」


 俺達はとある店に入っていった。


 甘味処<ハバネロキャッスル>


「だからなんで?!甘味処なのにハバネロなんだよ?!甘いの?辛いの?どっちなんだよぉ?!」

「マスター1人でうるさいのです…お店に迷惑なのです!」(早く入るのじゃ!)


 甘味処にキュリアと姫はそそくさと入り俺は1人入口で残されていた。


「置いていくなよ!恥ずかしだろよ!」


 店内に入ると中は予想以上にファンシーな内装になっていた。ポップやパステルカラーのぬいぐるみなどが飾られており男の俺には居心地が悪かった。

 キュリア達は気にすることなく案内されたテーブルに座ると直ぐにメニューに目を通していた。


「キュリアさんや…俺的に居心地悪いから早く出たいんだけど…」

「休憩なのです!疲れてるのです!誰のせいなのです?」(のじゃ!)


 俺はブラックコーヒーを、キュリアはショートケーキセット、姫はリプリルスムージーを頼みひと休みする。

 店の中には数名のプレイヤーが居たが特に俺達のことを気にする人は居なかったのだが、店員は俺のことをチラチラ見ていた。


(なんかさっきからあの店員さんに見られてるよな…絶妙に)

(チラチラ見てるのです、マスターのお知り合いなのです?)

(リプリルスムージー美味しいのじゃぁぁぁ!!!主!お代わりなのじゃ!)

「はぁ…姫はマイペースだよな…すみませーん、リプリルスムージーお代わりお願いします」


 先程からチラ見をしている女性店員に声をかけると


「喜んでぇぇ!...あの狐さんに声をかけられちゃった…あぁ…掲示板に書き込まないと…今まで書き込んだこと無かったけどあの掲示板の人達に自慢しないと…」


「……あの店員さんも掲示板民か…まさかだよ…てか自慢ってなんやねん」

「マスターは人気者なのです〜」(スムージーうまぁぁぁぁなのじゃぁ!)


 女性店員はすぐさまメニューを開き何か操作をしていた。それを見た俺は

(掲示板に書いてるんだな…)


「それよりマスター?なんで聖都なのです?あの水精霊に言われたからなのです?」(主にまた女性の影があるのじゃ?!何人の女性を虜にすればいいのじゃ…このオスは…)

「姫?後で覚えておけよ?まぁそれもひとつだけど、実はユーキングのクランに誘われてるんだよな〜入ってみないかって」

「入るのです?あの熱血さんの所に?」


 普段からユーキングにクランに誘われていたのだ。ラード達からも同じパーティに入って欲しいなど誘われていた。

 ユーキングだけではなくサクヤからも毎日の様に誘われているのだ。


「サクヤお姉ちゃんからも誘われてるのです?なら王都ですよね?」

「まぁアゲハさん達に会う前提で聖都に行くつもりだし。どの道クランには多分入らないよ?俺たちは俺たちで自由に動きたいだろ?それに俺は集団行動苦手だし」

(妾達と行動するのはいいのかえ?)

「姫とキュリアは別かな?2人…1人と1匹は最初から普通に話せたし、初対面の人と話すの苦手なんだよ。ユーキングのクランは結構大人数居るみたいだから多分俺には合ってないと思うし。まあ見学だけでもしておいてちゃんと断れば諦めるだろうよ」

「マスターが思うように動くといいのです!私たちはマスターの意見を尊重するのです!」(そろそろ妾も1人扱いしてもいいと思うのじゃ…)

「そんな訳だから…そろそろ聖都に向かいますかね。ドライゼンから聖都に行くには川を渡って行くらしい。橋があってそこにボスが出るみたいだからさっさと行こうか!」

「はいなのです!」(のじゃ〜)


 甘味処を出て俺達はさらに東に進むためにドライゼンを後にした。

 聖都に続く川までは、森や平原でなく、街道を進むことになっていた。街道でもモンスターは現れる。

 背中に無数の針があるニードルフロッグ、蟷螂のカマが鋏になっているシザーマンティス、毛が赤く尻尾の先端が鋭く尖っているレッドウルフが出現するようになっていた。

 どのモンスターもLv25~28と俺達のレベルに近いモンスター達であった。


「あのカエル!針!飛ばしてくる!」

「おぉ〜見事に全部避けてますです!私はカマキリの相手をしてくるのです!」

「えっ?!俺のフォローは?!姫!」


 キュリアは槍を構え、光の翼で羽ばたき出しシザーマンティスに駆け出した。

 俺は姫にフォローを頼もうと姫の方を向くと


(赤犬はさっさとくたばるのじゃ!そんな尻尾で妾を刺そうとしても無駄なのじゃぁァ!!無駄無駄無駄ぁぁぁ!のじゃ!)


 俺の声は姫に届いていなくレッドウルフを魔爪で斬りつけていた。


「連携なんてクソ喰らえかよ!っ!もう針うざい!爆散しやがれや!インパクトショット!」


 ニードルフロッグは爆破を喰らい一瞬怯む。その隙に左側に回り込み新たに覚えていたアーツを放つ。


「覚えてたけど使ってない新アーツ…アクアピアーズ!」


【弓術】アーツ

 アクアピアーズ 消費MP20~

 矢を放つと同時に魔力で出来た矢も放つ。

 魔力の矢の数は消費MPにより変わる。


 MPを基本通りに20消費させてアクアピアーズを放つと、石の矢が飛んで行くと同時に魔力で出来た矢が石の矢を追撃するように放たれる。

 インパクトショットは火属性、アクアピアーズは水属性。

 アクアピアーズは弓術がLv20の時に覚えており、弓術のLv25になった時にさらに覚えているアーツも俺は試していた。


「今度の属性はこいつだぜ!ストームライフル!」


【弓術】アーツ

 ストームライフル 消費MP35

 風の矢を放ち、相手に当たると同時に小さな竜巻が牙をむく。


 普段の矢の速度以上の速さでストームライフルを使った石の矢は飛んでいき、ニードルフロッグに刺さるとと同時に小さいが竜巻が起こりニードルフロッグは上空に飛ばされた。

 上空に飛んだニードルフロッグを付加の火を付けたパワーショットでトドメをさす。

 竜巻で飛ばされたニードルフロッグは上空で光となって散っていった。


「ふぅ…とりあえず新しく覚えたアーツを使えたから満足かな?今回は試し打ちな感じだから時間かかってしまったな…次は多分レベル30で覚えるのは地属性だな。てか30になったらスキルが進化するのか…どんなスキルになるんだっけな…後で調べておくか」


 俺は1人呟いていると


「マスターようやく終わったのです?待ちくたびれたのです…」

(あんなカエルに時間かかるとは…主らしくないのじゃ)


 背後からキュリアと姫が声を掛けて来たので振り返ると、キュリアは体操座りをして、姫は香箱座りをして俺の戦闘を見学していたのだ。


「なんで見学してるの?!そんなに君たち早く終わったのかな?!」

「マスターが水の矢で攻撃してる所から駄猫と見てたのです」

(主が最後なのじゃ!ビリなのじゃ!!)

「見てるぐらいなら手伝えやぁぁぁぁ!!!貴様らぁぁぁ!!!」



 怒りで我を忘れ魔獣化して暴れました。



 怒りの余りに魔獣化を使ってしまいMPが切れるまで2人を追いかけ回した。しかし、キュリアは光の翼を展開させ空に飛び立ち、姫は森猫姫の本領を発揮して縦横無尽に駆け回り、俺は魔獣化しても2人を捕まえることは出来なかった。そして今現在、俺は1人街道に生えていた木の下で休憩をしていた。

 キュリアと姫は近くに現れたモンスター達を駆除している。


「あいつら嫌いだぁ…俺をいじめてくるぅ…」

 1人木の下体育座りをしていじけている俺。そんな時にユーキングからメールが届いた。


『お前がこっちに向かってるとアゲハに伝えたらあの人飛び出して行ったぞ。もしかしたら遭遇するかもだからよろしくなwww』






「おいぃぃぃ!!!まじかよ?あの人の行動力どんだけあr「シウくん見つけたぁぁぁぁ!!!」来やがったぁぁぁ!!!」






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