狐さんと狐その③
西の森を駆け抜ける俺達。目の前に現れたモンスターは容赦なく蹴散らして行く。
走っていると突然木の上から攻撃をされた俺。ダメージはそこまで無かったものの何かを投げられていた。
地面をふと見てみると何かの種らしきものが転がっていた。
「地味に痛いのですぅ〜!なんなのですかこれは!」
「わからん!でも同じ所から攻撃して来るなら分かりやすい!インパクトショット!」
攻撃をしてきている場所にアーツを撃ち込み何かに当たったらしく爆発が起きた。
木の下に落ちてきたのはリスであった。
ボッチリス Lv14
「このりす…ボッチなのね…可哀想に…友達が欲しくて気を向かせたかったのか?」
「攻撃してきて友達になろうなんて…常識がないのです!」
「モンスターに常識求めても無駄だろ…てかこんなリス見たことないよな?これがイベント限定モンスターなのか」
「そんなことより早く街に帰るのです!」
その後もボッチリスの嫌がらせのような攻撃を何度か喰らっていたが俺とキュリアは軽くあしらって先に進んでいた。
ボッチリスの他にも猿型モンスターのチュンパンジーも出てきたのだが、木から飛びかかってきた瞬間、俺の右手は勝手に動いておりチュンパンジーの首を狩っていた。
▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△
803:名無しの忍者
首狩りさんを途中で見失ったでごさるよ…不覚!
804:名無しの剣士
忍びがどうした!お前の実力はそんなものじゃないだろ!
805:名無しの銃士
狐さんの方が1枚上手だったのか?てかなぜに見失ったんだ?
806:名無しの忍者
セーフティゾーンに入るまでは確認出来たのでござるよ!そこで天使ちゃんが首狩りさんの尻尾をブラッシングしてたまでは良いのでござるが…
807:名無しの遊び人
ブラッシング!もふもふ!モフりたいぃぃぃ!!顔を埋めたいぃぃぃ!!!
808:名無しの樵
なんか変な奴が来たぞーー!!しかも遊び人ってwww
809:名無しの遊び人
もふもふ…もっふもふ…もふもふもふもふぅぅぅぅ!!!
810:名無しの双剣士
…重症だな…それより忍者くんよ、その後をkwsk!
811:名無しの忍者
そこから見えなくなったのでござるよ!そこから謎なのでござるぅぅぅ!!もっふもふぅぅぅ!!!
812:名無しの魚人
ぴっちぴちぃぃぃぃ!!脂がのってるんだぞぉぉぉ!!
813:名無しのコック
だから食材待ってますって!
814:名無しの傭兵
イベント限定のクエストとか発生したのかな?
815:名無しの魔法使い
自分は今現在イベント中ですけど特にクエストなんか…発生してませんよ…
816:名無しの忍者
待つでごさる!爽快に駆け抜ける狐さんが現れたでござる!
なにやら急いでいる様子…
817:名無しの剣闘士
時間制限ありのクエストか…あれはめんどくさい…
818:名無しの忍者
ひぃ!駆け抜けながら…モンスターの首を薙ぎ払ってるでござる…
変な猿モンスターなんか…現れた瞬間に斬首でござる…
819:名無しの薬師
必殺仕事人な狐さん…カタ:(ˊ◦ω◦ˋ):カタ
820:名無しの斧使い
軽快に森を走り抜け首を狩り続ける狐さんは今日も元気である(`・ω・´)キリッ
821:名無しの双剣士
元気すぎて他のプレイヤーは困ってるがな…
822:名無しの遊び人
元気に尻尾を振ってる狐さん…(;//́Д/̀/)'`ァ'`ァ
尊いぃぃぃ!!!
▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△
<アインスドット>
西の森から帰ってきて直ぐに師匠の店である森の隠れ家にやってきた。
店の中に入ると師匠が店番をしていた。
「おや?息を切らしてどうしたんだい?なにか忘れ物でも買いに来たのかい?」
「師匠!呪いを解呪するアイテムの作り方を教えて欲しい!」
「呪い?ふむ…なにか訳ありのようだね。工房にいくよ。ノワル、店番よろしく頼むね。天使の嬢ちゃんも店番しておくれよ。売り上げ上がるからな、いーひひひ」
工房に移動した俺は師匠に西の森で出会った狐について話した。
「呪いを掛けられた狐を助けたいと…解呪できる物は作れるには作れるが効くかは保証はせんよ。1番手っ取り早いのはその呪いを掛けた元凶をどうにかするのが1番なんじゃろけどねぇ」
「やるだけやってみないとわかんないだろ。どんな素材がいるんだ?」
「今のお前さんが作れる解呪薬に必要な素材は3つさね。聖水、月詠草、光蜜、この3つあれば出来るよ。聖水は街の教会で売ってあるからそれで大丈夫だよ。月詠草は南の湖、光蜜は北にあるボムビーの巣から取れるさね。でもこの2つは夜にしか取れないからね。」
「北と南だな!ありがとう師匠!もうすぐで夜になるし丁度いいな」
店の方に戻り店員をしていたキュリアと合流して1度ログアウトするべく宿屋に向かった。
<フィノス湖>午後8時
ログインをして戻ってきた俺は直ぐにフィノス湖に向かっていた。
八面鳥に蛙を蹴散らし湖に向かっていると。ここでもイベント限定モンスターが現れる。
フレイムタートル Lv19
甲羅が紅く口からは微かに火を出していた。
「亀の口からは火が出てますやん…ガ〇ラかな?回転しながら飛んでくるのかな…」
「硬そうな亀さんなのです!マスター来ます!」
フレイムタートルは動き自体は遅いのだが、口からファイアボールを吐き出しながら進んでくる。
俺達は左右に別れて攻撃を仕掛けるが、矢が甲羅に弾かれ槍も刺さらない。
するとフレイムタートルの甲羅が真っ赤に色付き、炎が上がる。
その炎は意識があるかの如く鞭を形作り襲い出す。
「近づけねぇ!どうにかならねーかな…」
「暑いですのぉぉ!気温上昇なのですぅぅぅ!!」
「とりあえず水魔法ぶっぱなすか。アクアボール!!」
アクアボールを放つがそれほど効果は無かった。
アイスストーンも使ってみたがそれ程ダメージを与えていなかった。
「うーん…甲羅が邪魔してるしな…頭も近づいたら炎の鞭で邪魔されるし……裏返しに出来たら…アースストーン使っちゃう?ひっくり返るかな?」
アースストーンを取り出しフレイムタートルに投げる。
当たるとノックバックした勢いのままひっくり返った。
腹を出したフレイムタートルは足をばたつかせてもがいていた。
「キュリア…ここがチャーンス!」
「お腹は柔らかそうなのです…上空から一刺ししてやるのです!」
キュリアは光の翼を展開させ空に上がっていく。
俺はフレイムタートルの顔にゆっくりと近づき…ダガーを手にして
「首がどこかわかんねーけど…亀さんお疲れ様!」
ダガーを振り下ろし亀の頭を切りつける。
キュリアはフレイムタートルの腹に白兎を差し込む。
キュリアの攻撃が一足早かったようで刺した瞬間にフレイムタートルは顔を引っ込めた。
引っ込めた事によってダガーでの攻撃は空振りに終わった。
「んなぁ?!キュリアに持って行かれたァァァァ!!!」
「私の勝利ですのぉぉぉ!!」
白兎を空に突き出しキュリアは叫んでいた。




