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アゲハ襲撃

 

<東の森>


 キリングスパイダーを倒した俺達は先に進んでいる。

 暫く歩いていると1本の大木が根付いている広場にたどり着いた。そこは東の森の新しいセーフティゾーンであった。


「この先はまた街に続いていくんだな。とりあえず休憩でもしますかね、リプリル食べるか?」

「もちろん食べるのです!ここの木はさっきの蜘蛛と戦った場所の木より大きいですね」

「森林浴してる感じがするわ…マイナスイオン補充ぅぅぅぅ…それよりユーキングから返事が来てたな…確認すっか」


『俺の予想になるんだがもしかしたら前のイベントの続きが始まるかもだな。シウたち2陣が来る前にあったイベントで悪魔が出てきたんだけど。その時に混沌だの復活だのなんか言ってたからそれの関係かも知れない。俺たちも調べてみる、情報サンキューな!東の森の先の街に行くならアゲハ達が居るから挨拶しておけよー』


「イベント関係…ね。そういや明日からイベントか、ほとんど西と東しか進んでない俺たちでも大丈夫か?」

「なんとかなるのです!2人なら無敵なのです!」

「心強いなキュリアは」


 大木に背もたれてリプリルを食べていると1人の女性がセーフティゾーンに入ってきた。その女性は東の森で遭遇した謎の人物の様に黒のローブを羽織っていた。しかしローブの隙間から見える服は黒と赤を使っているゴシックドレスの様だった。髪も黒髪で腰まである長さであった。フードを被っていたせいで顔は分からなかった。

 セーフティゾーンでプレイヤーと遭遇したと思ったのだがマップに映っていてるマーカーの色は住人を示すものだった。


(ん?プレイヤーじゃない?住人?)

(警戒するのです…なにか変な感じがするのです…)

(警戒いってもここはセーフティゾーンだから攻撃は出来ないぞ?)


 その女性は俺達に近づいてきた。


「やっと会えた…でも今はまだ早い…今日は挨拶だけ、次会うときは楽しみましょうね?それではまた近いうちに…」


 そう言うと手に持っていた石が輝き、女性は光とともに消えていった。


「なんだったんだ?あれ…鳥肌が立ってやがる…変な威圧感があったぞ」

「動けなかったのです…それにマスターを知っていたのです…マスターのお友達では?」

「あんな友達は居ないわ。それにプレイヤーじゃない感じだし。でもまたきっと会うんだろうな…なんか嫌な予感しかしねーよ…そろそろ移動すっか、いい時間になりそうだしな」


 腰を上げ次の街に向けて歩き出した。

 森を抜け街道を歩いていると目の前に新しい街が見えた。空は徐々に日が落ちオレンジ色をしていた空から黒に染まろうとしていた。

 時刻は19時前、街に着いたら宿屋を探しログアウトするつもりだった。


<ドライゼン>


 街の中央に設置されてあるポータルに触れ登録を済まし宿屋を探そうとしていると…

 前方から見慣れた人物がこちらに向かって早歩きでこちらに向かってきている。


「シーウくん!やっとここまで来たんだね。待ってたよ!」

「こんばんはアゲハさん。まさかとは思うけど、ここでずっと俺を待ってたりしてないですよね?」

「ユーキンから連絡があったから、そろそろ来るかなーって思ってさっきここに来たのよ。いまからどうするの?」

「一旦ログアウトしようと思ってます。時間も時間なんで」

「それなら宿屋にお姉さんが…連れてってあ・げ・る♪」

「アゲハさんのキャラが会う度に変わるのは気のせいだろうか…最初の頃のアゲハさんは一体どこに…」

「アゲハさんの七変化ですの…」

「あれ?なんか引かれてる?まぁそんなことより早く行きましょ!」


 アゲハに連れられて宿屋に向かう。

 宿屋に着きまた夜にインすると伝えると連絡をして欲しいと言われ俺はログアウトをする。


 ▽△▽△▽△▽△▽△▽△


 542:名無しの剣闘士


 今ルーズウェル鉱山なんだが…モンスター変わった?

 腕だけ黒いゴーレムとか出てきたんだが。



 543:名無しの銃士


 俺もシーナクの森でそんなモンスターに遭遇したぞ!

 ソードパンサーだったんだけど普段使ってこない衝撃波とか使ってきて焦ったわ。



 544:名無しの騎士


 最近よくその情報出てるな。なんかの前触れ?



 545:名無しの魔導師


 イベントなのか?!(´Д`三´Д`*)hshs



 546:名無しの双剣士


 2陣イベント終わったら来るのかな?(´Д`三´Д`*)hshs



 547:名無しの魚人


 海の中でも黒い鰹なら現れるぞ!

 これがまた美味いんだ!



 548:名無しのコック


 素材お待ちしてまーす。

 鮪もお願いしまーす。



 549:名無しの漁師


 海で思い出したけど、シーサーペント誰か倒した?

 倒してくれないと漁に出られないんだが!



 550:名無しの銃士


 魚人さんがやってくれるはず!



 551:名無しの僧侶


 我らが魚人様なら!



 552:名無しの剣闘士


 我らが救世主!魚人様!!



 553:名無しの魚人


 ワイに…ワイにまかせんかぁぁぁぁい!!!



 554:名無しの拳士


 それより新しいイベントどんなのと思う?

 俺的には前回の続き的なイベントが楽しみなんだが。



 555:名無しのハンター


 悪魔襲来の続きかぁ〜

 魔人とか出てきたら面白そうなのにな。



 556:名無しの忍者


 ドライゼンで幼女発見でござる!

 幼女天使襲来でござるよ!!



 557:名無しの剣士


 なんだと!そっちに行ったのか!



 558:名無しの召喚士


 しかし…この前狂戦士に釘を刺されてるからなぁ…



 559:名無しの忍者


 ストーキングするでござる!

 新鮮な情報をお届けするでござる!



 560:名無しの調教師


 あなたが神か…



 ▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△



<ドライゼン>


 ログインするとすぐ様アゲハにコールをした。


『もう戻ってきたの?早かったわね、まだ宿屋から出てないでしょ?迎えに行くから待っててね!』

「言うだけ言って切りやがったよ…とりあえず下に降りるか…」

「なんの用事なんでしょうね?」

「考えられるのは素材関係か明日のイベントか?」


 借りていた部屋から出て下の階に降りると既にアゲハは到着していた。


「それじゃ行くわよ!」

「どこに?!てか到着するの早くね?!」

「すぐ近くに居たからね!今から行くのは工房よ〜シウくんここに来るまでに素材タップリ集めてるでしょ?それに明日からイベントだから今のうちに装備の耐久値を回復しておかないとね♪」


 アゲハの後に着いていく俺とキュリア。

 宿屋の近くにあるレンタル工房に到着すると1時間分の料金を払い部屋に入っていく。


「さぁ…シウくん…全ての素材を洗いざらい出しなさい!君の事だからレアな素材GETしてるんでしょ!さぁさぁ!キングからは聞いてるのよ!森狼姫を倒したって!!」

「そんなレアな素材なんて無いと思いますよ?姫の素材も確認してないからどんな物か知らないですよ?」

「いいから!だーしーなーさーいー!」


 手持ちの素材を出すのではなく、アイテムボックスの中のリストをアゲハに見せるようにした。


「大量にあるんで、出すんじゃ無くてこれで確認してください」


 シウのアイテムボックスの中身はこうなっていた。


 森狼姫の毛皮

 森狼姫の牙

 森狼姫の爪

 ☆森狼姫の尻尾

 ☆森狼姫の魔石

 森狼長の毛皮×3

 森狼長の爪×5

 ☆森狼長の魔石

 ☆色彩蛙の皮×3

 毒蛙の皮×15

 毒蛙の毒袋×10

 ☆八面鳥の鶏冠×3

 殺戮蜘蛛の糸×3

 ☆殺戮蜘蛛の糸玉×1

 殺戮蜘蛛の脚×3

 ☆殺戮蜘蛛の魔石

 ★精霊石

 ☆水魔結晶


 他にも狼やカブト虫などの素材もあったが新しい素材はこれぐらいだった。


「やっぱりレア素材あるじゃないの…てか精霊石をなんでシウくんが持ってるのかな?お姉さんに説明してくれるかな〜」

「あ〜それってやっぱりかなりの代物?」

「かなりなんてものじゃないわよ!オークションに出したら軽くウン百万は行くぐらいよ!どこで手に入れたの?拾ったの?盗んだの?!」


 ディーネと会った湖での事を隠さずに全て話した俺。

 精霊と会ったことにアゲハは再度驚くことになった。


「流石シウくんね…でもこの精霊石はどうするの?魔弓に使うの?」

「さすがに今はまだいいかなって思ってます。まだ初心者だし武器に頼ってたら面白くないじゃないですか。あっ、でも防具はこの素材使って強化出来るならお願いします」

「いい事言うわね〜お姉さんに任せなさい!明日のイベント迄に強化を終わらせてあげるわ!パンくんも犠牲になってもらわないとね〜うふふ。キュリアちゃんの装備も一式強化していいの?」

「もちろんですの!マスターをしっかりと守れるようになるのです!私は槍の強化もお願いするのです!相棒の穿き丸を強くして欲しいのです!」

「白兎だよね?!キュリアさん?!いつの間に名前変えたの?!」


 俺は全ての装備をアゲハに預け強化と修理をお願いした。

 代金は素材を売り払いそこから支払うことになったが結構な額になり俺の手元に数万Gが戻ってきたのだ。

 ほぼほぼ裸同然の姿になった2人はアゲハからサービスで服を貰ったのだが…


「ねぇアゲハさん?なんでキュリアはメイドになってるの?すごく似合ってるんだけど…なんで?!それに俺はこの前見せてもらった執事服ですよねこれ!」

「今手元にそれしか無かったからね〜2人ともなかなか似合ってるわよ♪スクショ撮れたら良かったのに…ちっ…勿体ない…」

「ふわぁぁぁ!マスターマスター!この服可愛いのです!可愛いのですぅぅぅ!!」


 キュリアはメイド服を気に入りその場でクルクル回っていた。

 俺とアゲハはそんなキュリアを微笑みながら見ていたが


「キュリアはいいとしてもなんで俺はこれなんだよ!チェンジを要求す「だが断る!!」えぇ…イベントまでこの姿で居なきゃならねーの?まじかよ…」

「明日の10時には渡せるようにするからね!さぁ私は自分の工房に戻るからここから出るわよ!さぁ行くわよ!!」

「はいなのです!!」「いやだぁぁぁぁ!!!ここから出たくないぃぃぃぃ!!」


 アゲハに無理やり引きずられレンタル工房から出る。

 そして執事服姿の俺とメイド服姿のキュリアをプレイヤー達が見るのは当然であり、掲示板にももちろん載ることになる…




「俺を見るなぁぁぁぁぁ!!!」




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