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振り向いたら座敷わらし  作者: 日野あべし
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【第三話】

「しゅうすけだから。」

「え?」

何かの聞き間違いだろうか。今この子はしゅうすけと言った気がする。

しゅうすけ、しゅうすけ。何かの宗教の用語だろうか…。

私の名前は高樹修介だが、この子に名乗った記憶もないし、ましてや座敷童と面識を持った記憶など更にない。

いやだが、念のため確認しておこう。

「私のこと知ってるの?」

座敷わらしはコクンと頷いた。

知っている…。

私はあらんかぎりに頭をフル回転させて記憶をさかのぼってみたがやっぱり記憶にない。新卒で今の会社に入ってからは座敷わらしにあった記憶などなく、大学高校中学まではある程度覚えているが、それでもやっぱり会った記憶はない。それより以前となると記憶も曖昧で尚のこと思い出せない。

もう頭をこねくり回しても一向に出てこないので私は思い出すのをあきらめた。

「君は座敷わらし…なんだよね?」

座敷わらしはまたコクンと頷く。

「お名前とかあるの?」

座敷わらしは首を横に傾けて、目をパチパチさせて考えているようだった。

「…座敷わらし。」

名前がないことが確定した。

座敷わらしちゃんと呼ぶのも何だか呼びづらかったのだが仕方がない。次はちょっと聞きづらいことを聞かなければならないのだが、聞かざるをえないだろう。

「座敷わらしちゃんは帰るおうちはあるの?」

「ここ。」

「えっ。」

「しゅうすけのおうち。」

一瞬何を言っているのかわからなかったが。住む気満々のようである。いやいやちょっとまて。

座敷わらしは家に宿るとどこかのなにかで聞いた気がするが、はたしてこのボロアパートに座敷わらしが宿るものなのだろうか。

私のイメージだと立派な昔ながらの日本家屋や、由緒正しき地方の旅館とかに宿るものなのではなかろうか。

大家さんはとてもいい人で、そのお人柄に惹かれてこのアパートを選んだところはあるのだが、どう褒めてもこのアパート!立派な日本家屋みたいですね!とは言えない。


なんだか頭が混乱してきた。

座敷わらしがついてきて?なぜか私のことを知っていて?しまいには私の住むボロアパートに住むという。

「…ちなみに何で私の家に住もうと思ったの?」

「しゅうすけだから。」

私は考えることをやめた。

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