14:彼女が倒れたから知る真実
第三者視点です。
舞台は彼女の母国です。
長いです。
シアノがエーテルを庇い、暗殺者の凶刃に倒れてから半月。早馬で馬を繋ぎながら駆け抜けた使者がシアノの母国……シアノの父である国王の元に馳せ参じた。
「それは本当か⁉︎」
「……はっ。シアノ王妃殿下、エーテル国王陛下を庇い暗殺者に因って生死を彷徨っておられます」
使者は急いで伝えろ、という王命だから従っているが、正直なところ王族なのだから“王家の加護”が有るわけだし、そもそも大国の王女だからなのか知らないが、離宮に引き篭もって見かけた事が無い。そんな名ばかりの王妃のために、こんなに急ぐ必要が有ったのか、という不満が内心で渦巻いていた。
「そうか。……感謝する。よく休んでくれ」
国王の顔から少しだけ悲しみの感情が見えたが、それを隠すように使者を労った。使者はそれなりに持て成された事で不満を幾らか解消し、帰りは急ぐ必要も無いため、気持ちに余裕を持つ。出立時に使者への礼として旅費という形でシアノの母国から多めに金を持たされた事も不満解消の一つだろうが。使者を見送った国王は、シアノの身を案じるあまり仕事が捗らない。そんな時、アルザスの父が書類を持って国王を訪ねていた。
「失礼します、陛下?」
どこかボンヤリした表情の国王に声をかければ、国王はこの男には何の責任も無い、と解っていてもアルザスがシアノを大切にしていてくれさえすれば……と恨みがましく思う。素っ気ない口調で国王は告げた。
「シアノが暗殺者の凶刃に倒れた」
「シアノ王女が⁉︎」
「知っての通り、シアノには王家の加護が無い。死ぬ可能性が高い」
「あ、アルザスに知らせても⁉︎」
「知らせてどうする」
「仮にも婚約者だったのです。今度はアルザスがシアノ殿下のために祈りを捧げるべきでしょう」
「お前の息子とはいえ、あの愚か者にそんな気持ちが芽生えるのか」
国王が皮肉を溢すと怯んだ様子。確かにあまりにも愚かで爵位継承剥奪と王都追放の処罰を与えているアルザス。しかし。
「実は……陛下に伝えるのもどうか、と思っておりましたが」
シアノ王女との婚約解消を改めて説明した途端に例の伯爵令嬢と結婚したい、というアルザスに溜め息を吐きながら了承し、結婚した2人。
「嫁いで来たあの女が爵位継承剥奪と王都追放の処罰に、アルザスを焚き付けるようにして撤回を求めて来たのです。ですから、嫁に来た以上、私の方針に従うのがこの家の者だろう、と叱ったのですが。それがどうやら気に入らなかったらしく。アルザスに私の悪口を言うようになった、と領地で2人の面倒を見ている執事から連絡が有りました」
2人は領地経営の名目で、ずっと領地に居る。幽閉とは言わないが領地の外には出ないよう監視は付けていた。その監視をしている者達の報告では……
「さすがに自分の親の悪口を言われ、アルザスは妻に不審感を募らせているようです。確かに爵位継承剥奪も王都追放もアルザスは酷い処罰だと思っているようですが、少しだけシアノ殿下に誠実で無かったことにようやく気づいたらしく、私の処罰に撤回を申し出る気は無かったようです。それなのに、妻に選んだ最愛の女性は、アルザスの気持ちを汲むどころか私の悪口を言うことで……まぁ要するに気持ちが冷めたのだと思います」
「どうでもいいことだ」
「はい。……ですが、だからこそ、今のアルザスに今までの事を話せば受け入れられるのではないか、と」
「受け入れることと神へ願うことは、また別だろう」
「そうかもしれませんが、どうかアルザスに理解させたいのです」
「好きにせよ」
国王にすれば最早どうでもいいこと。終わったことなのだ。気にしているのはアルザスの父の方だけである。だからこそ感知せぬ、と国王は言外に告げたがそれでも、と仕事をある程度配下に任せられるよう対処して領地へと馬を走らせた。公爵領は王都から近いので馬車でも1日有れば到着する。馬なら尚更のこと。
そうしてアルザスは、シアノが16歳の年に結婚してから2年……あの出来事から4年が経って真実を知ることになる。父が急ぎやって来たことを知ったアルザスは、妻となったあの令嬢……ソイーナを連れて挨拶をする。領地に来てからというもの、だいぶソイーナと出会う前のアルザスに近くなっていたことも有り、アルザスの父である公爵は今のアルザスならば……と話をすることにした。
「父上」
「お義父様ご無沙汰してます」
「うむ。アルザス、お前に話が有る」
ソイーナはアルザスの爵位継承権を剥奪した上、王都追放の処罰を下した義父である公爵が嫌いだった。一応表面上は挨拶をするが、顔に不満がありありと浮かんでいる。これでよく公爵家の妻に収まっているものだ、と公爵は溜め息をつきたくなるが、もちろん顔には出さない。当たり前である。表情に出せばそれだけ他者から付け入られ易いのだから。我が子だけでなく伴侶となった者も、王族並みとまではいかずとも、他者に容易く付け入られるようでは公爵家を背負えない。跡取りだろうと跡取りではなかろうと、そういうものである。
というより、仮にも伯爵令嬢だったのなら、当たり前に出来る事なのだが。身内ならば感情を露にしても良いだろうが、それは信頼関係が出来ていてこそ。何の信頼も築かれていない相手に感情を露にするのは、夫の父であっても貴族としては致命的である。公爵は伯爵家がなんの教育も施していないのだろうな、と常々思っていた。マナーも伯爵令嬢にしては悪いし、学園時代の勉強も悪かったと聞き及んでいる。不平不満だけは一人前らしい。
とにかく、ソイーナを下がらせ執務室へとアルザスを連れて公爵は話し出した。
「お前は、だいぶ落ち着いたようだから、今なら真実を受け入れることが出来るだろう」
そう切り出して、アルザスが不貞とも言える行動についてシアノが実際に見ていたこと。それからアルザスについて情報を集めたこと。結果、ソイーナとの関係を知り、婚約解消を求めていたこと。そこまで話すとアルザスが顔を歪める。
「婚約解消、とあの頃も言われましたが、そんな簡単にいくものなんですか? 王家と公爵家の契約でしょう」
「それが解っていて、不貞行為をしていたお前が言うのはあまりにも愚かだが、お前も知っていたはずだ。シアノ殿下との婚約は仮のもの。お前に嫁げるか解らないが、と話したはずだぞ。だからこそ、殿下は再三に渡りお前を召して婚約解消の話し合いをしようとしていたのだろうが」
アルザスは、そこで唖然とした表情を見せた。……いくら身内とはいえ、あからさまに表情に出すのは頂けない。再教育が必要か、と公爵は苦々しく思う。
「仮……婚約……ああ、そう、でした。シアノ様と私は仮の婚約者だった……」
「忘れていたのか」
「……はい」
ずっと王命による婚約者だから、破棄も解消も出来ないと思い込んでいた。だから自分を縛り付けるシアノが憎くて遠ざかっていたが、思い出せば、シアノに何一つ悪い所など無い。気付いたら婚約解消となっていたが、シアノの我儘でそうなった、と思い込んでいて。解消だけは良くやってくれた、と見下す気持ちがあった。思い返せば王女に対して随分と不敬な事を思っていたものだ。いつからか、自分が上で王女とは無理やり結婚しなくてはならない、と不満を抱いていたが……
仮、だったのだから婚約解消は本婚約を結んだ後の解消よりも簡単だったことを忘れていた。それなのに、自分はどれだけ傲慢でシアノを蔑ろにしていたのか……と自身に愕然としていた。ソイーナを妻に出来ないなら、シアノをお飾りにしておいて、シアノと結婚した日にソイーナを愛人として迎えるつもりだったが、そもそも前提が違えば、シアノは何一つ悪くない。ソイーナを妻にしたい、と願えば婚約を解消出来ていたのだから。そんな事すら忘れるほどソイーナとの恋愛にうつつを抜かしていた自分が恥ずかしい、とアルザスは落ち込む。そんな息子の様子を見て、これなら……と公爵は話を更に進めることにした。
「お前が、妻にしたあの女と不貞を働いていた頃。馬車で事故に遭ったな」
「……はい」
もう、不貞、と言われても反論する気などアルザスにはない。どう見ても不貞だったのだから。
「あの事故で奇跡的に全員が助かった」
「私のギフトの力でしょう」
「違う。あの事故の直前、シアノ殿下は予知夢でお前が事故に遭うことを知られた。お前のことはもう諦めたが、それでも婚約者として愛した方だから、と婚約を解消したのにも関わらず、私に連絡してくれた。その上、お前があの女と共に出かけたことを知った直後。殿下は、教会に篭って予知夢通りにお前が事故に遭うのならば、助けて欲しい、と神に祈った。それは殿下に付いていた侍女と護衛が知っており、彼等も含めて神の声を殿下は聞いたという」
「神の、声……」
俄には信じ難い話である。アルザスは父の話がどこに行き着くのか解らず、それ以上は口を閉じた。
「お前のギフトの制限は知っているか?」
「一番命の危機に瀕した者に対して使われるものですが」
「あの事故。お前達より危なかったのは、御者だったはず。何故なら殿下の予知夢ではお前達は死に、御者だけが助かったからだ」
「あの事故で私とソイーナは死ぬ運命だった……?」
アルザスは知っていた。
シアノの予知夢が外れたことが無い、と。
では、何故自分達は生きているのか。
「殿下が神に祈った結果だ。もう諦めた相手とはいえ、慕った相手だから。その恋した相手の恋人だから。命を助けて欲しい、と神に祈った結果。神は殿下の“王家の加護”を取り上げた。死ぬ運命のお前達を生かすには、殿下の“王家の加護”を代償にせねばならぬ、と神のお言葉だったそうだ。殿下は直ぐに了承されたそうだ。実際、神のお言葉を賜わり了承された殿下がお倒れになられた後。殿下の両眼は同じ色になった。お前も知っての通り、王家の加護を受けている王族は、皆、両眼の色が違う。陛下も綺麗な緑と赤の目をされていらっしゃるだろう。シアノ殿下は私も見たが、両眼が揃ったお色になられていた。つまり」
「王家の加護を失った……」
「そうだ。不貞を働いた上に、誠実さの欠片も見えないお前達を生かすために」
「そん、な」
「だが、それでも死ぬ運命だったお前達を生かすのは難しかったらしく、お前は生かせたがあの女は死ぬかもしれぬ、と神が後に仰った。それを聞いたシアノ殿下は、ならばギフトと引き換えに、と願ったそうだが、神からそれはならぬ、と断られ。その代わり次代を育む機能ならば、と。殿下はこれも承知された。故に殿下は、お前達のために王家の加護を失い、子も産めぬ身体になった。既に殿下とお前の婚約は解消されていたために、そこまで話す必要も無い、と判断されていたが。お前が愚かにも、婚約者が事故に遭ったのに見舞いにも来ない悪女、と罵った上。それがあっという間に広まった。何故、あんなに早く噂が流れたのか今も謎だが。殿下は結果的に悪女だと国民から思われている。それ故に、お前の継承権剥奪と王都追放が決まったのだ。かなり甘い罰だとは思うが、殿下が酷くしないで構わない、と仰ったからな。ちなみに殿下の両眼が同じ色になったにも関わらず、公の場では今までと同じ色に見えたのは、色変えのギフトを持つ侍女がギフトを使っていたからだ。長時間使用出来ないが、皮肉にもお前達の所為で長時間公の場に出なくても良くなったからな。短時間誤魔化していただけだ」
アルザスは、膝をつく。あまりにも重い真実を突き付けられて、改めて自分の仕出かしたことの重さに耐えられなくなったのだ。そんな息子を見ながら公爵は更に進める。
「真実を知ったお前には、やってもらう事がある。その殿下が支援金と共に嫁いだ事は当然知っているな?」
「……はい」
項垂れたアルザスは、やってもらう事、という父の言葉に顔を上げる。
「その殿下が、夫であるかの国の国王陛下を庇い、暗殺者の凶刃に倒れた。王家の加護の無い殿下が、だ。意味は解るな?」
「……っ。シアノ様の容体は⁉︎」
「刃に毒が塗られていて、どうなるか分からない、と」
アルザスは絶望感に陥る。ソイーナと出会う前は妹のように可愛がって、恋愛とはいかずとも家族愛を育めるだろう相手として慈しんでいた。その相手が生死の境に陥っている。自分達の所為で、王家の加護も無く。
「教会に、行きます」
「そうしろ」
「引き換えにギフトを失っても構いません」
「そうか」
アルザスは震える両足に力を入れて立ち上がり、執務室を出る。だが、廊下で言い争う声が聞こえてきて、公爵は訝しんだ。
「なんだ?」
声の方へ行けば、アルザスとソイーナが争っているらしい。
「だから! 私とソイーナが助かったのは、シアノ様が神に祈ってくれたからだ。その場にいた護衛や侍女達も神のお言葉を聞いている。今度は私とソイーナで教会に向かい、シアノ様を助けて頂くように願うことの何が悪い!」
「そんなの知らないわよ! あの小娘に王家の加護が無いのも子が産めないのも私の所為じゃない! というか、子が産めないなんて役立たずも良いとこじゃない! あの小娘が勝手にしたことになんで私が感謝しなくちゃいけないのよ!」
「あの小娘って、ソイーナはシアノ様と会ったこともないだろう!」
「無いわよ! だけど、私が狙っていたアルザスと婚約していただけで小娘で十分でしょう! お茶会であなたに話しかけようとしてもアルザスは公爵子息だし、あの小娘が側にいたし。だから、あの小娘が離れる学園を狙って、あなたに魅力のギフトを使ったのに、あなたは後継者から外されるし、王都追放されるし! ほんと、あの小娘ムカつく! これじゃ何のためにアルザスに魅力のギフトを使ったのか分かんないじゃない! こんなんだったら、私が本当に好きだった騎士団長の息子のゼンクルに魅力のギフトを使えば良かった! 騎士団長の息子よりアルザスの方が爵位は上だしお金があるから贅沢出来ると思ったのにっ」
ソイーナの本心がアルザスどころか当主の公爵にも知られた瞬間だった。
当然、呆然とする2人。だが、公爵は直ぐに立ち直り、ソイーナを捕縛して地下牢に入れるよう指示を出し、アルザスを怒鳴りつけたいが、それどころじゃないことを思い出してアルザスに告げた。
「どうするのかはお前が決めろ。但し、最優先事項が何か、考えて行動しろ。これ以上私を失望させるな」
公爵の言葉にハッと我を取り戻したアルザスは、直ぐに教会へ向かい、神へシアノの無事を願うが、直前のソイーナの本心を知って千々に乱れているからか、神のお言葉は賜れなかった。無論、彼のギフトも奪われていない。王家からシアノが助かった、という一報を知らされるまでアルザスはソイーナのことを考えながらシアノの無事を祈るという、どっち付かずなことをしていた。
シアノが神へ願っていた時は、アルザスの不貞やソイーナへの複雑な感情など一切無く、只管に2人と御者の命乞いをしていたから、神に願いが届いたのである。つまり、他のことを考える余裕も無く一心不乱の祈りで無ければ、神も応えない。その差だった。
さて。公爵は急ぎ王都へ戻り、国王に謁見を求め、ソイーナのことを報告する。国王は報告を聞いて、ソイーナの父である伯爵を召喚した。国王の要請である。急ぎ登城し伯爵は国王から威圧をかけられながら、説明を求められて震えた。何故なら、魅力のギフト持ちは親が報告する有無を決定出来るが、報告せねばならない案件だった、と責められているからである。
魅力のギフトと魅了のギフトというのが有るのだが。ギフトは生まれた赤子を連れて教会へ生まれた報告をした時に神から授かるものである。その際、魅了と他にいくつかのギフトは、神から授かった瞬間、教会が保護をすることになる。偶に国そのものに害が及ぶようなギフトが贈られる者がいて、そういう者は教会の保護対象だからだ。
魅了とは人を自分に魅きつけて魅きつけたまま完了させる……つまり魅きつけて終わりにしてしまうギフトのこと。魅了されてしまえば、一生その人物から精神的にも物理的にも離れられないのが、魅了。
対して魅力とは人を自分に魅きつけるまでは同じだが、あくまでも人を魅きつけるだけなので、堕とされはしないので、精神的にも物理的にも離れることは可能。それが魅力。
だが、誰彼構わず、ギフトを使えば堕とされる魅了と違い、魅力はかけられる相手の人数を制限されるし、そのギフトを持っていても、使用しない者も居るから、教会側から王家に報告する義務は無い。要するに、魅力のギフトを持った者をどう育てるか、親に任されるのである。即ち、親の資質も問われるもので。国王は伯爵夫妻の資質が分かった。
伯爵夫妻が魅力を持つ娘を使って何かしようとしたのか、それともただ甘やかしていただけなのか。他の要因か。何も知らないが、ソイーナがあまりにも淑女に相応しくない時点で伯爵夫妻の親としての資質は最低だろう。どんな事情が有るにせよ、伯爵夫妻はもう没落するしかない。
王家に対して娘がどんな人間か報告していないのだから。
同時に、シアノが悪女だという噂があっという間に広がった理由も分かった。ソイーナの魅力のギフトで、シアノが悪女だと皆に広めさせたのだろう。ソイーナが親しくしていた子息も令嬢も、高位貴族からは眉を顰められるような品のない者達だらけだったから。
国王は、伯爵夫妻に直ちに爵位を息子(ソイーナの兄で、彼はソイーナの魅力のギフトから逃れるためにソイーナに関わることを必要最低限のみにしていたのでまとも)に譲り、領地に軟禁することを決定した。国に混乱を齎したというわけでもないので、この程度に収めたのである。これが他の貴族たちに知られればもっと重い処分が下ったのであるから、伯爵夫妻は感謝するべきだろう。
ソイーナに対しては、問答無用で国内でも特に厳しいと言われている修道院へ送られることになる。……アルザスとの結婚は白紙になった。アルザスは……真実を知り、反省していることを踏まえて、爵位継承剥奪と王都追放の処分と生涯独身という罰も付けられて終わりになった。不貞を働いていた記憶も有るし、魅力のギフトをかけられていたとはいえ、魅了とは違い、意思が強ければソイーナに魅きつけられなかったので、自業自得の一面も有ったために、生涯独身という罰も付け加えられたのである。
アルザスは、シアノが助かった一報を知らされると、生涯独身という罰が下ったことに文句を言わずに受け入れた。
それとソイーナのギフトのことを話すことなく、シアノの名誉を回復することが最優先で命じられた。真実を知ったアルザスは、粛々とその命に従う。
こうして、シアノが嫁いでから1年近く経って、貴族や平民達に誤解を解くように、シアノの名誉を回復する日々をアルザスは送り始めた。
お読み頂きまして、ありがとうございました。
次話はシアノ視点に戻ります。




