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東方付喪鏡譚  作者: YORUTUKI
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狂気救済のために〜

前話で半端に区切ってしまったのでできるだけ早めに続編を投稿しました!

フランドールの中から異質な気配を放つなにかを摘出する。その姿は赤い人魂みたいだ。


「さて?君のことをどうしましょうか?」

そう言ったわいいが、この人魂のようなものからは、やはりよくわからない説明のしようがない気配が漂っている。


「君は…何者なんですか?」


つい聞いてしまった。

人魂のほうは、反応に困ったように体を左右に震わせて


「何者ってどういうこと?あなたが私に言う狂気ってやつでいいじゃない。」


言動は不機嫌そうだった。


なんだろう、狂気であることに間違いはないけど、別の気配が混ざっている。これは…妖力?しかもフランの気配にとても近い、いや全く同じだ。


わからない、頭をひねっていたが閃いた。


「こんな時こそ僕の能力を使えばいいんだ!」


なんでこんな簡単なことに気がつかなかったのか!早速使ってみることにしよう。


「僕は、浄玻璃の鏡の付喪神、あなたの出生などなど拝見させてもらいます。」


一応報告をして能力を発動させる。


「どういうことだ?」

全貌を見ても頭に浮かぶクエスチョンマークは消えなかった。この人魂の始まりから今に至るまでを映し出した。そこで見たのは、分裂するフランの精神、別れた別の精神がフランの体を乗っ取り人間を惨殺する映像だ。


「私の過去…見たの?」


人魂は聞いてくる。


「今見ましたよ…君は結局のところ何者なんですか?」


疑問をぶつける。


地面ぐったりしていた人魂は起き上がって浮かぶ。


「私が何者なのか、教えてあげる。」


教えてくれるそうだ。そして話し出す。


「私とフランの精神はもともとひとつだった。」


「え?」


つい声を出してしまった。


「フランが生まれて物心つく前に、無意識に使いこなせていない自分の能力を使って精神を破壊した。なんとかひとつに修復しようとした精神は、修復に失敗してふたつに分かれてしまった。

その中で体の主導権を握ったほうの精神は、今のフラン。逆に主導権を握れなかった私は真っ暗な世界に放り出された。何が何だかわからなかった。

ストレスが溜まった。でも、フランの精神状態が悪い時とかに主導権を握れることが何度かあった。

溜まったストレスを発散するためにそこに居合わせた多くの人間の命を奪った。私は殺しの楽しさに目覚めてしまったの、そしてなんども主導権を取り戻すたびに多くの人間を殺した。

私はもうとっくに狂ってたのよ。だから狂気でもありフランでもある。あなたが違和感を覚えたのは、狂気と妖力が混ざってごちゃごちゃになっていたから。わかった?」


なるほど…そういうことだったのか。


精神がふたつに分かれることなんてあるのか?と疑問に思ったけど、精神なんてものはあるようでないようなものである。何が起きてもおかしくはない。そう結論付けた。


「…で?私をどうするの?一層の事消しちゃってもいいよ…どうせ価値がないんだし…」



人魂は聞いてきた。


「そうですね、ただの強力なだけの狂気なら消すつもりでいましたが、君は更生できそうだな、とも思いました。」


人魂は驚いた様子で聞いてくる。


「本当に言ってるの?一度狂気に染まったものが更生なんてできるわけないじゃない。」


驚きと呆れた様子が混ざっているようだ。


僕は、一つの提案をする。


「その狂気が現れた根本的な原因は、君が君専用の体を持たなかったこと。君の入れ物を作ってあげればいいんです。」


「入れ物?というよりそんなことで本当に治るの?」


「やって見なければわからないことはたくさんありますからね!人形とかないですかね?」


入れ物を探そうとキョロキョロするが何も見つからない。


「人形なら…アリスが置いていったものがあるわ。」


アリスさんという方の人形があるらしい。


「確かそこにあったはず…」


そういいながら手足がない状態で器用に探す。


「あった!」


人魂は布製の可愛らしい人形を取り出してきた。


それを受け取り


「じゃあこの中に定着させますよ?」


人形に魂を定着させる準備をする。


「いいよ、やって!」


興奮した声で言う。体が手に入ることが嬉しいのだろう。




…できた!


目の前で人形がひとりでにくるくる踊っている。


先ほどの魂だ。この人形は金髪で赤いドレスを着たデザインなのでこの人魂が気にいる見た目にしてあげようかな?なんて思いながら見ていた。


「居場所がないから私はあなたについてくね?」


「いいですよ、人形見つけたときからそれを考えてたので、そうだ!名前どうします?もうフランさんの中の存在ではなく君という一個の存在なんですよ!」


「名前?……だったら「ミロワール・スカーレット」がいい!」


ミロワール…確かフランス語で鏡を意味したはず。


「なんで鏡なんですか?」


「今日のこの一件で私にとって鏡は特別な存在になったの!あなたのおかげでこれ以上、私もフランも苦しまなくてよくなった!本当にありがとう、」


人形の表情は変わらないので、笑いこそしないが、その顔を見ると心が温かくなった。


感謝の言葉をもらった。本当にこの子は狂気に侵されているのだろうか?どちらにしろ、その狂気を消すためにこれからは、ゆっくり治していこう。この子なら更生ができると思う。


「ミロワール・スカーレットのミロワール、略してミロさん!これからよろしくお願いします。」


「うん!よろしくね鏡夢!」




どうでしたか?

新しい仲間ミロワール・スカーレットが追加されました!鏡夢は触れませんでしたが、スカーレットの姓をまだ名乗るのは、レミリアから離れたくないとかそういう思いがあるのかもしれませんね?


能力によって無意識に精神をふたつに分けてしまったことで生まれてしまったミロという存在。鏡夢がミロをフランから引っぱり出せてよかったですね!

ミロの容姿はアリスの作った人形まんまです。これから手を加えてくかもしれません。

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