しゃべる
ぼくらのくちは動き出す
だれかになにかをつたえるとき
ぼくらのくちは動き出す
だれかをすごいとほめるとき
ぼくらのくちは動き出す
じぶんをなぐさめ癒すとき
ぼくらのくちは動き出す
あの子に愛を伝えるとき
ぼくらのくちは動き出す
人と戦い傷付けるとき
ぼくらの口から出る言葉
それらはほんとは地球より重く
体ではなく心を貫き
後遺症を残していく
だからぼくらは気付かなきゃ
あんな言葉やこんな言葉が
人によって、言葉の受け取り方は違います。
皮肉で言ったつもりが、実は相手には本当の誉め言葉として伝わっていたり。
冗談で言ったつもりが、実は相手をひどく傷つけていたり。
人間はすれ違いの生き物といわれるように、しばしば曲解を繰り返します。
その曲解が、もしかしたら新たな愛を生み出すかもしれませんし、
亀裂を生み出すかもしれません。
ぼくは、人間のそういうところに、ドラマティックなところと、ぎこちなさを感じました。
普段使っている言葉、その一つ一つには、
自分が思ってもいないほどの重量があることを実感してくれたら幸いです。