オプローグ
初投稿です。
読みづらい部分があるかもしれませんが、あしからず。
アメリカ ロサンゼルス
ロサンゼルス市内は、パトカーのサイレンが鳴り響き、混乱した人々が右往左往する大混乱に陥っていた。
その中を、一人の少年が、人垣を掻き分けながら走っていた。煌びやかな雪色の髪。小柄な体型。整った中性絵な顔立ち。美少年・・・というか可愛らしい少女に見える。
少年はフィンランド人と日本人のハーフで、その両方の特徴を兼ね備えていた。例を挙げるとすれば・・・。日本人らしく小柄であること、フィンランド人(というか白人か)らしい銀髪であること。この2点だろうか。
「はぁ・・・はぁ・・・」
荒い息を吐き、少年は、メインストリートから一本逸れた路地裏へと入っていく。その姿は、まるで狼に追われた羊のようだった。
誰かに追われているのだろうか?
「!?」
突然、少年の顔が引き攣る。
「いたぞ!!」
路地の反対側から来ていたロス市警の警官が、仲間に聞こえるよう叫ぶ。そう、少年は警察に追われていたのだ。
少年はさらに脇道へ入り、手に持っていた閃光手榴弾を地面に落とす。
後に続いてきた警官達が、脇道に入ったとき、それは丁度炸裂した。眩い光と鼓膜を劈く音が辺りを包んだ。
しかし、少年は振り返ることなく突き進む。そして、少年は呟いた。
「僕はただの暗殺者なだけなのに・・・」
暗殺者。おおよそ、普通に暮らしている人間は耳にしない職業だ。政治家や権力者、様々な有力者を表舞台から葬り去る裏社会の住人。圧倒的な戦闘力を誇り、明晰な頭脳を持った殺しのスペシャリスト。それが暗殺者だ。
少年は『この街の市長選に出馬する政治家を殺してほしい』という依頼を、とある日本人から受けた。それで、その政治家が演説をしているという市内中央の広場へ向かっていた。すると、
『!?』
『あの風貌・・・。あいつだ!!』
図られたかのように警察と鉢合わせにあったのだ。
どうやら、警察にタレコミがあり警備が厳重になっていたらしい。まんまと少年は罠に引っかかり、この通り・・・というわけだ。
この路地裏は大通りに通じていた。しかし、さっきのメインストリートからは、離れた場所のようで、サイレンの音は遥か遠い。
少年は膝に手をつき、荒い呼吸を整えた。
そして、逃げ道を探すため、辺りを見回した。すると、
「へへへ」
そんな笑い声が聞こえてきた。
「お嬢ちゃんはこんな所で何をしているのかなぁ?」
背後から、薄気味悪い笑みを浮かべた大柄な男達が近づいてきていた。どうやら少年は、マフィアやヤンキーの蔓延る区画に入ってしまったらしい。しかも、女の子に見間違われているようだった。
だからサイレンの音が遠いのか・・・。こんな場所だから警察も近付きにくいのだろう。
少年は溜息をついた。
「おいおい。なんだよ、こいつ。溜息なんて付いてやがるぜ」
ガハハハハ。男達の笑い声が響く。
だが、少年はその笑いを無視し、男達に近づいていく。
「僕は・・・」
「あぁ?」
少年は、そこまで言い。太股のホルスターから拳銃、グロック19(サプレッサー付き)を抜き、
「僕は男だ!」
叫びながら先頭にいた男の額にむけ引き金を引いた。射出された銃弾は、男の頭蓋骨を割り、その中程で止まる。男の穴が開いた額から溢れ出る生暖かい血液。
少年は、その鮮血を浴びながら、ニッコリと笑った。
「お、おい。こいつ、やべぇよ・・・」
「それより、止血しろよ!」
「お前がやれよ・・・」
残った男達がざわめいた。
「くそ!まず、こいつを殺っちまおうぜ!」
一人の男がベルトに挟んでいたコルト・ガバメントを抜き、少年に向けた。
しかし、少年は動じずに、拳銃を片手で構えた。
「いきます」
走り出した少年は、数発先頭の男に向けて発砲する。銃弾は的確に男の額を貫いた。
「や、やっちまえ!」
男達もそれぞれ銃器を構えるが、素早い少年の動きを捉えられない。
「・・・」
少年立て続けに二発、一番端にいたパーカー男の、右太股と右腕に向けて拳銃を撃った。9mmの銃弾は柔らかい肉を引き裂き、かまいたちに切りつけられたかのような傷が付く。男の顔が恐怖で歪む。
「死にたくない、助けて、助けてくれよおぉ!」
少年は冷たい目でパーカー男を見下ろし、拳銃を向けた。
そして、無表情のまま腹部に銃弾を撃ち込んだ。
「うぐぅ・・・」
パーカー男が呻きながら倒れ、血だまりに突っ伏す。さらに血をぶちまけながら、パーカー男は動かなくなる。
それを見て、1人の男が錯乱しガバメントを振り上げる。
「死ねえぇぇ!!!」
ダン、ダンと45口径の鋭い銃声が二回響く。しかし、男の手は震えていたようで、射出された弾は少年に届かない。
「―――――ッ!?」
ガバメントを撃った男も、声を出す暇なく崩れ落ちた。
少年は男たちへ、追い討ちをかけるように、コートで隠されていたもう1つの自動拳銃、P226を取り出し、二丁拳銃の形を取った。
「くそぉ。おい、てめぇも撃て!」
必死に拳銃を振り乱していた男が、逃げ出そうとしていたメガネの男を捕まえた。
「に、逃げなきゃ死ぬぞ!」
メガネ男の言う通りだが、たぶん逃げても後ろから撃たれるだろう。
「それならこっちが奴を殺せばいいだろ!」
ごもっともな意見だが、こんなところで話している場合ではないようだ。
「後ろ、後ろおぉ!!」
メガネ男の目には、二丁の拳銃を構えた少年が写っていた。
二種類の拳銃を使い分け、少年は男達を無力化していく。その姿は、純粋無垢で女々しい少年の容姿からは、とても想像もできない。
数分後―――――
弾倉が地面に弾けたのと同時に、最後まで残っていた男が崩れた。
瞬間、少年は脱力したように、ペタリと地面に座り込んでしまった。
カチャカチャ、と銃が音を立てて手から溢れた。少しして、少年はハッと顔を上げ、辺りを見回した。そして、やっちまった・・・という風に俯いた。
少年は無意識のうちに殺戮をしていたらしい。恐ろしい限りだ。
「みぃつけた♪」
そんな声と共に、少年は後ろから誰かに抱きつかれ、がっちりと拘束される。どうやら抱きついているのは女性のようで、二つ柔らかみが少年を刺激した。
「誰・・・ですか?け、警察の人、ですか?」
少年は少々赤面しつつ、怯えながらそう聞いた。
「いいえ、違うわよ」
「え?」
少年は自分を捕まえたがっているのは、警察だけだと思っていた。しかし、実際は違うようだ。
「私、こう見えても『軍人』なのよ。・・・まぁ、正しく言えば民間軍事会社の『社員』だけど」
民間軍事会社?・・・軍人?社員?
少年は何が何だかわからないようだった。女性はニヤニヤ笑いながら少年を離した。
「私の名前は坂実恵里、日本人よ。えっとぉ、貴方は飯嶋アイラ・・・」
恵里と名乗った女性は、ドンピシャで少年の名前を言い当てた。ちなみにアイラとはフィンランドでは女性の名前にありがちで、正直少年はこの名前を嫌っている。
「パパが日本人で飯嶋大吾、ママはフィンランド人で、名前も年齢も、戸籍にはなにも残っていない。貴方を産んですぐ消えてしまった・・・だったかしら?」
「!?」
どちらも正解だった。
「何故知っているの?」
アイラは睨みながらそう問いかけた。しかし、恵里は笑うだけで答えない。
脅すためか、アイラは無言でグロック19を恵里に向けた。
「何故、知っているの?」
もう一度聞いた。
「さぁてね」
恵里はまたしても笑顔ではぐらかした。
「答えて!」
「そうね・・・。貴方は強いから」
恵里はそこで区切り、
「でもね、私も強いわよ・・・」
恵里が右へ跳躍した。その姿は俊敏で美しく、踊りの振り付けのようだった。
それに合わせアイラはグロックの照準を動かす。
「あ・・・」
ビスッ、ビスッ。恵里は丁度アイラの真横まで来たとき、太腿のホルスターからベレッタM92Fを抜き取り、アイラに向け二度発砲した。
アイラは直前に撃ってくる事を予想し、左へステップを踏んだ。
「甘いわね」
恵里はそう言った。目を閉じながら・・・。
僕が避けた先は元々恵里のいた場所、そして恵里は目を閉じている・・・。
「閃光手榴弾!?」
一瞬でその考えに至ったアイラも咄嗟に目を閉じ、耳を塞ごうとしたが・・・。
・・・何も起きない。
「ホント、甘いわね」
「しまった!?」
キイィィィン―――――
アイラは間一髪ナイフを取り出し、恵里が放っていた短刀を弾く。
スタングレーネードは恵里のハッタリだったのか。そう気づいた時には既に遅かった。
カチャ。
アイラの右こめかみにベレッタが押し当てられる。冷や汗がうっすら滲むのを感じた。
なんなの・・・この戦闘力は?人間離れした運動神経、こちらの行動を読んだ動き。普通の人間には絶対無理な戦い方だ。
しかし、恵里はそれをやってのけた。きっと訓練を受けた人間なのだろう。
アイラは「降参・・・」と呟くと二丁の拳銃を地面に落とした。すると、
「さぁて。ちょっと交渉しましょうか」
恵里は独特な、間延びした声でそう言った。
「・・・何ですか?」
殺すつもりはないのだろう。ベレッタはアイラのこめかみから外された。
「あなたに依頼したのは私、警察を呼んだのも私」
ここに誘き寄せたのも私―――――
アイラは素直に驚いた。
全てこの女が仕組んだことだったのか。
暗殺を依頼し、アイラが殺しに行く事を先に警察へ通報して、さらにこの区画だけ空くように警察を配置し、待ち伏せをしていた。恵里はその事を事細かくアイラに説明した。
・・・しかし、なぜ僕に説明したのだろう?
まぁ、余計な事を考えても無駄か。アイラは考えるのを止めた。
恵里は余程の凄腕工作員か何かなのだろう。しかも戦闘の訓練を受けた。
西ならグリンベレーかデルタフォース、日本人という事は中央即応集団かもしれない。東ならスペツナズか。いずれにせよ、この女は特殊部隊員だろう。
今考えるとすごい相手と戦ってたんだな・・・。アイラは今更になって冷や汗が浮かんできた。
「それで?」
それでも、アイラは余裕があるように答えた。
「私は何時でも貴方を殺せる」
「何が言いたいの・・・?」
言った途端、恵里の口がニヤリと動いた。
「日本に来る気はない?」
アイラはこの時ようやく気付いた。この場に警察が一人も来なかったことに。
日本 成田空港
一週間後、アイラは日本の首都、東京の洋上空港に居た。
かなりの人が行き来し、楽しそうに旅行話を笑いながらしている。アイラはどうもこの空気が苦手だった。
「どう?日本は」
長身の、美しい女性・・・恵里が話しかけてきた。
「・・・なんか、息苦しいです」
アイラは小柄なので、必然的に恵里を見上げる形になる。周りの人には、親子に見えるらしく、微笑ましいものを見るように笑顔を向けてくる。たぶん、アイラはそれが苦手なのだろう。だが、他にも理由があった。
「それもそうよねぇ。貴方、可愛いもの」
アイラは、その言葉の意味を理解していた。先程から、男性達からの視線が痛いほど伝わってくる。これは、アイラが可愛らしい女の子みたいな容姿をしているからだろう。これがもう一つの『苦手』の理由だ。
クリッとした大きな目。白く、きめ細やかな肌。前髪はピンで留められ、後ろ髪はポニーテールのように纏められている。これだけでも女の子らしいが、恵里が選んだ服もふわふわしたワンピース、その下にホットパンツというもの。これらはどう考えても女物の服だ。そんな物を着ているせいで、アイラはより女の子のようになっていた。
おかげでかなり目立っている。
もとから、目立つ容姿だったゆえに、なおさらだ。
「だから嫌だったのに・・・」
アイラはぷくぅ、と頬を膨らませた。恵里は「まぁいいじゃない」と宥めながらも、顔はニヤニヤしっぱなしだった。
「お、来たか」
前方から、一人の若い男が片腕を上げて、友好的に近づいてきた。
アイラは初対面の人に対して、臆病になってしまうので、無意識のうちに相手を睨んでいた。それを見た男は苦笑して、
「そう警戒しないでくれよ」
「慣れてないのよ、許してあげて」
恵里はアイラの頭を撫でながらそう言った。
「やめてください」
アイラは腕を離し、撫でている恵里の手を払い落として、唇を尖らせ小声で呟いた。
「子供扱いしないでください・・・」
それを見た男は、
「可愛いな・・・」
まだ高校生、もしくは大学生ほどの若い男としても、アイラは可愛らしい女の子に見えるらしく、素でそう言っていた。もしかしたら、ただのマゾだったのかもしれないが。
「そんな、事ないです。というか・・・僕は男です」
「・・・え!?」
男はアイラ達が驚く程驚いた。
どうやら何の情報も貰っていなかったらしい。
五分ほど掛けてアイラの素性等を説明した。
「なんで先に説明してくれないの?」
「いやぁ、面倒で」
「はは、俺に説明するのが面倒・・・ね」
なんて会話をした後、アイラ達は空港を出発した。
「あぁ、そういえば俺はまだ名乗ってなかったな」
タクシーの中で、男がそう切り出した。アイラは「そういえば・・・」という顔をし、男はまた苦笑した。
「俺の名前は貴崎洋司。まぁ、俺もカタギの人間じゃねぇからさ」
「カタギ?」
「えっとね・・・簡単に言うと『普通の人』じゃない、ってことよ」
「へぇ」
「興味なさそうだな・・・」
洋司は三度目の苦笑をした。
アクアシティ内 マンション『aqua』
東京湾の中心に浮く巨大なメガフロート、そこは人々に『洋上の都心』と呼ばれる大きな街があった。それが『アクアシティ』だ。
メガフロートとは、簡単に言えば海面に浮いた巨大な板で、曳航される事により海上ならどんな場所にも行ける。災害時の避難場所にも、仮設のヘリポートにもなる便利な物だ。
この『アクアシティ』を形成するメガフロートは6枚あり、全部で縦約7km、横約9・5kmを誇る。その上には高層マンションや政府機関の省庁、学校なんかまであり、一つの街として機能している。副都心のそれに近い。
そんな場所にアイラ達はいた。
マンションだ。アイラにはその程度の感想しか抱けない、普通のマンションが目の前にそびえていた。
「これは俺らのグループが管理しているマンションだ。自由に使ってくれ」
どうやらアイラの部屋が、このマンションに用意されているようだ。
管理人に部屋の鍵をもらい、洋司を先頭にエレベーターへ向かった。廊下はカーペットで、内装は高級そうだった。
「あれ?」
アイラは廊下の端に佇んでいた一人の少女に目がいった。なんとなく、清楚で大和撫子なイメージが合う少女だ。
「あ、美夏ちゃん。久しぶりぃ」
恵里がそう言って手を振った。美夏と呼ばれた少女は、一度ペコリと頭を下げると、そそくさと外に出て行った。
「・・・気にするな。人見知りだからさ」
洋司はそう言い、さっさとエレベーターを呼んだ
「はい」
どこか同じ匂いのする少女に、アイラは微妙な違和感を覚えた。
アイラ達はエレベーターで4階まで上り、8号室の鍵を開け中に入る。
「えぇと・・・」
「情報が入ってきてなかったんだよ・・・」
「・・・・・」
部屋は白や水色、とにかく女の子趣味な色をふんだんに取り入れた、カラフルなものだった。家具や小物類まで女の子っぽいものだ。だが、色鮮やかすぎて、逆に気持ち悪い。家具も揃っていないし、どれもちょっとずつズレがあった。
「でも・・・可愛いよな?」
せめてもの弁護をする洋司。それを一刀両断するようにアイラは言った。
「いえ、気持ち悪いです」
「だよなぁ・・・」
洋司も内心そう思っていたらしく、溜息混じりにそう言った。これには恵里も黙ってしまった。
「まぁ、いいですよ。気にしませんし」
「そう言ってもらえると助かる」
「ねぇ」
恵里が声を上げた。
「そろそろ説明しない?」
洋司はそれに「そうだな」と答えた。アイラも何を説明されるのか察したようだ。
「貴方を日本に呼んだのはね・・・」
恵里の説明を簡単に纏めるとこうだ。
1、恵里は洋司の父が会長を務める民間軍事会社『ヤマタノオロチ』の一員であること。
2、洋司も『ヤマタノオロチ』社員兼高校生兼次期社長で、恵里の直接の上司であること。
3、アイラは洋司の妹・・・つまり会長の娘を護衛させるために連れてこられた。
4、それに、民間軍事会社としての仕事もすること。
5、娘を護衛するため、アクアシティ内の高校に転入すること。
もっと詳しく説明されたが、それは後々はなすことにしておこう。
「・・・だいたい分かりました」
アイラは目を閉じ、
「僕に拒否権は、無いですよね」
そう言っていた。
「えぇ」
「はぁ・・・」
アイラはしばし考え、
「分かりました」
と答えた。理由は恵里が殺意を向けてきたから、だ。
よし!恵里はガッツポーズをした。
「こんな可愛い子を殺すなんて勿体ないもの」
笑顔で恵里はそう言った。本人を前に言う事もないだろうが、それだけ腕に自信があるのだろう。
「全くだ」
洋司も肯定した。だが、洋司は純粋に、アイラを殺したくなかったのだろう。
「それじゃあね。チュ」
恵里は投げキッスをして部屋を出ていき、洋司もそれに続いていった。それを見てアイラは思うのだった。
「やっぱり辞めたい」
・・・こうして、高校生兼暗殺者飯嶋アイラとしての生活が始まったのだった。
アクアシティ内某所
「や、やめろ!助け―――――」
三度、乾いた音が室内に響いた。
「ふぅ・・・。後は何人だったかな?」
大柄な男が、隣にいたメガネの女に聞いた。女は溜息をつき、「やれやれ」という風に答えた。
「後は、貴崎洋司と貴崎亜耶、それと・・・飯嶋アイラです」
男は「ふん」と鼻で笑い、だらしない笑みを浮かべた。しかし、その表情にはかなりの余裕があった。
「気持ち悪い・・・」
「悪かったな。だが・・・アイラもターゲットだったのか」
「すいません。勘違いだったらいいのですが、前にも同じ説明しましたよね?」
男は物覚えが悪いようだ。女は再び溜息をついた。しかし、男の問には答えなかった。
「では、さっさと終わらせましょう」
「そうだな」
二人は扉を開け、部屋の外に出た。
新たな殺しを求めて。
ご意見、ご感想お待ちしてます。