ウィルバード
地上の陸地の九割以上が水没した時代、人類は巨大空母を空中都市として、生活圏を移していた。そんな中、辺境空域に存在する空母都市ヘヴンへ、ノアとディヴィエイトの二人が降り立った。二人は中枢区域から派遣された諜報員だった。だが、到着して間もなく、ディヴィエイトは突如発狂し、背に翼を生やして飛び去ってしまう。それを見たヘヴンの自衛組織エンジェルズがノアを追う。民家に逃れたノアは、そこでヘヴンのアイドル、アルシアと出会った。アルシアがノアを匿った事をきっかけに、二人は互いに惹かれていく。戦争で全てを失くしたアルシアは、その不幸な経緯を利用され、ヘヴンの政府に都合良く動かされていた。しかし、アルシア自身も自らの生い立ちによって負った傷から、争いに反対するというその役目を進んでこなしていた。だが、そんなアルシアの中に哀しみが常にある事にノアは気付いていた。やがて、二人の心はすれ違ってしまう。仲直りのできぬまま、ノアはヘヴンの真実を知る。エンジェルズが生体調整によって強化された人間である事や、ヘヴンが中枢区域によって攻撃されようとしている事、ノアが中枢区域に切り捨てられたという事を。その後、ヘヴンは戦場となった。中枢区域とエンジェルズが戦う中、ノアはアルシアを探し出し、強引に逃走を始める。ノアが人殺しだと知ったアルシアは彼を拒絶してしまう。だが、ノアは、アルシアの想い全てを抱えたまま戦場の中を、脱出艇へと向かう。かつての同僚、リーガとの決着もつけ、ノアはアルシアと共に崩壊するヘヴンを脱出するのだった。
一 「きっかけ」
2007/10/02 00:00
二 「平和のアイドル」
2007/10/06 00:00
三 「天国の奥」
2007/10/10 00:00
四 「互いに言葉を交わして」
2007/10/14 00:00
五 「強襲」
2007/10/18 00:08
六 「繋がる事情」
2007/10/22 00:00
七 「混迷の中を駆け抜けて」
2007/10/26 00:01
エピローグ 「Will Bird」
2007/10/26 00:01