告白
『好きです!』
真姫は何が起きたのかわからなかった。それは、知らない人に急に告白されたからである。
『人違いじゃあ…』
『人違いじゃありません!好きです!付き合ってください!』
『ご、ごめんなさい!』
真姫は思いっきり頭をさげた。
『な、なんで?』
『…彼氏いたことないし、始めて会った知らない人を初彼にしろって言われても無理だし…。名前も知らないし…。あなた顔整ってるから私なんかと釣り合わないと思うし…。』
『岡田伸一って言います!友達からでもいいんで!よろしくお願いします!』
『え、えぇ~?』
伸一はそこから立ち去っていった。
(伸一君か…。なんか元気な人だったな…)
真姫は生まれつき、ちゃんとした性格で、常に真面目だった。
『と、とにかく!学校行かなきゃ!』
真姫は電車に乗り、学校に向かった。
キーンコーンカーンコーン
学校のチャイムが鳴り、1日の学校生活が終わる。
『はぁ…疲れた…』
真姫は机に顔を伏せた。
『ねえ!校門のところ見てみ!他校の男子がいるよ!』
真姫の通っている学校は女子高のため、他校から来る男子はいつも注目をあびる。
『どこどこー』
真姫も見ようとする。見た先には、伸一が立っていた。
『え!?』
真姫は鞄を持ち、急いで教室を出た。
『ちょ、伸一君!?』
伸一が真姫に気がついた。伸一は一気に笑顔になった。
『なんでここにいるの…』
『会いたかったから』
無邪気な笑顔を浮かべる。
『もう…今日は帰りなさい』
『えー、なんでー』
『私このあとバイトがあるの。だから話せない。早く帰りなさい。』
『はーい。』
伸一はそう言って、しょぼーんとしながら帰っていった。
『伸一君!』
伸一は振り返った。
『明日はバイトないから!』
伸一は笑顔を浮かべた。
真姫は、明日伸一に会えることが楽しみだった。