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一日目





「ねぇ!聞きまして!騎士団と魔術団が合同演習をするんですって!!」



「まあ!本当ですの!」



「観に行けないかしら!」



キャッキャッと盛り上がる10代前半の同僚達もとい良家のご令嬢方。

この国は、女は12歳、男は14歳から結婚出来るので10代後半で侍女をしてる者は少なく、していても既婚者なのが大概である。

まあ、良縁&ステータスで侍女をしているのだから仕方ない。



「時間は、いつですの?」



「場所は、どこですの?」



「時間は正午過ぎだそうよ。大演習場でありますわ」



その時間は、まともに働く侍女減りそうだなー。



「でも、珍しくてね。騎士団と魔術団は不仲ではなくて?」



「そうですわね」



「でも、そんなことどうでも良いですわ」



ええ、まるで獲物を狙う猛獣でしてよ。お嬢様方。

まあ、男同士が横行する世界は、女だけが恋敵の時よりも確率が下がるし、身分相応の自分を大切にしてくれる人を見付けなければ、政略結婚で子供を産む道具として冷遇される可能性が高いんだからまあ、マジにもなるよね。


それでも私は興味なかった。

ええ、侍女の中では行き遅れ気味だって大して興味ないんです。

それなのに王妃様ってば、いらない気を回して!



「見て!あの方、カッコイイですわ!」



「わたくし的には、あの魔術団の方が好みですわ!」



互いに牽制し合うようなご令嬢方の中に入りたくなんてなかった!



「ねぇ、あの騎士団の方、魔術団の方を見ていません?」



「どちらかと言えば見つめあっているような気が致しますわ」



「まあ!一目惚れかしら!」



「素敵!」



「騎士団と魔術団の禁断の恋ですわ!」



断っとくが彼女達は別に腐女子とかではない。

この世界では、これくらい男同士が普通なんだと認識してくれればいし、中でも貴族の娘は父親の愛人が男なのもザラなので、拒絶反応?何それ食えんの?から男同士=真の愛!の強者まで居るけど、まあ、暗黙の了解の行き届いた娘が大半なんだよね。


そういう私もお父様が恋人(♂)と別れさせられてお母様と結婚させられた口だ。



「騎士団の方は、ロザラオ・モルタッキ様。魔術団の方は、ジュノット・カプリアティ様ね」



「将来有望な方ね!」



「はあ、能力のある方ってやっぱり運命の方を一目で見つけますのね」



わぁー、おめめ良いのねー。わりと遠いのにー。

多分、飲み物を飲んでいたら盛大に吹いてただろうなーと、熱に浮かされたような同僚を尻目に思う。



さきに名が出たロザラオとジュノットは、私と同い年の幼なじみ達で、当然一目惚れでもなく、少なくとも4年前から両片想いをしている。

ええ、私を挟んで盛大にイチャついてるもんだから、幼心に「さっさとくっ付け」とわりとリアルに思ってたし、思う。



「ああ!話しかけたそうなのに躊躇っておられるわ!」



「何て純情なの!!」



それより良縁の相手は?と言いたくなるけど、恋バナの気になるお年頃だもんね。

ただ訂正するならば、あの二人やる事やってるし純情では決してない。

時たま逢い引きしてるのも見掛けるから頻度よく会ってる可能性高いし、もしかしたら付き合ってる可能性もある。


そんな事を思いながら合同演習を観た以外は、相変わらずの日々でした。








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