始まりの朝
「ん、……ふわぁあ。朝、か…」
ぼーとした頭でもこの4年の繰り返した朝の身支度をこなしてしまう。
「なんだろなー。死ぬ夢とか縁起悪…」
小さい頃から見ていた夢、誰かの人生を追憶するように起きてから寝るまでの夢を365日16年間欠かさずに見てきて、今日見終わった。
16歳という若さでの死を持って。
「てか、怖いんだよ」
彼女は学校の帰り道、ケータイに来たメールを開いたんだけど、迷惑メールぽかったから消そうとしたんだよね。
でも、何を間違えたのか載ってたURLを開いてしまった。
その内容が『救世主になりませんか?』と摩訶不思議な中二病だったもんだから、退屈な日常に飽きてた彼女は「なれるんならなりますよー」なんて軽い気持ちで口に出した。
その時点で彼女の注意がケータイに向かってたせいなんだと思うけど、彼女は言った後に足を縺れさせて車道に倒れ込み、車に轢かれて死亡。
おかしなメールに答えた直後に死亡とか一種のホラーな気もする。
「うん、メールがあんな変な物じゃなかったら彼女も足を縺れさせなかっただろうしなぁー」
って言って間にも、身支度が完成する。
さっ、侍女の仕事を始めましょう。