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第一話 俺の実力

 そうだな・・・今回はおれがいじめられなくなった理由を教えてやろう。いじめられなくなったのは今から3か月前だったかな・・・・。


 6月、梅雨の時期で人々がイライラする時期だ。俺は一人で廊下を歩いていた。最近、いじめられなくなった。どうせ俺に飽きたんだろう。ほかの誰かがいじめられているな。そして、その予想は見事、的中した。廊下のど真ん中で俺を少し前までいじめていた奴がほかの誰かをいじめている。

「おい、友坂、金かしてくんねえかなあ?」

「や、やめてよ・・・金本・・・。」

「今日で終わりにするからさ、いいだろ?」

正直、見てても何一つ感じない。ほかの奴らは「あ~あ、またやってるよ」とか「かわいそうだなあ」とか思っていても結局、何もしない。ノーハートと同類にしか思えない。ただ、俺にとって場所が邪魔だった。廊下のど真ん中でやっているから通れない。

「邪魔だからどいてくれないか?」

「はあ?誰に向かって言ってんだ?」

・・・?なんだその返し方?俺は素直に思っていることを伝えただけだ。そうなら普通、「ああ、悪い。今どける。」とか、「今ちょっとどけれないから回り道してくれ。」とかいうだろうと思っていた。だけど今の返し方なら、俺がケンカを売ったようになる。今の言葉でそんな要素があったか?絶対ないと思うんだが・・・。とりあえずもう一回、言ってみた。

「どいてくれないか?」

「人の話を聞けや!!この野郎!!」

金本はおれを思いきりグーで殴った。殴った、ということは挑発しているのか?俺は殴ってもいいのか?あいつがやったんだったらおれもやっていいのか?


―目には目を、歯には歯を―(ハムラビ法典より)


うん。大昔の人が言っているんだったらOKだよな。よし、殴る。

バギッ!

俺は金本の顔を思いきり殴りつけた。金本は2メートルぐらい吹き飛んだ。

「ぐあああああ!!」

金本が悲鳴を上げている。痛いようだな。しかし、通るのに邪魔だ。通り道にいなくなるまで殴っていいだろう。金本は起き上がり、俺に向かってきた。

「邪魔。」

今度はろっ骨をけってやった。う~ん、今ので4,5本は折れたんじゃないかなあ。思いっきりバキバキ言ってたし。

「ハァッ!ハァッ!ハァッ!」

金本は苦しそうだな。こんなになってもまだ廊下の真ん中にいるのか。すごい執念だな。(勘違い)

「早くどいてくれ。」

しかし、まったく動く気配はない。仕方なく、俺は金本を、廊下の壁に投げてその場を去った。そして、その日の放課後、俺は教師たちに呼ばれた。教師には「情けというものがないのか」とか「限度というものがあるだろう」とか言われた。はっきり言って意味が分からなかった。そもそも、情けというもの自体がわからない。そして、なぜ、手加減する必要があるかわからない。しまいには、「常識をもう少し学べ。」と言われた。常識ってなんだ?自分の担当の教師に聞いてみたが、答えてくれなかった。


 それから俺の周りからいじめがピタッと止まった。なぜかはわからない。いじめがあったって、なくったってどうだっていいんだが・・・。とそんな感じだ。すまないな、理由を教えるって言ったのにわからなくて。

 

 さてと、話を現実に戻すか。佐竹ってやつは俺の隣に座った。HRが終わった瞬間、佐竹の周りに人が集まってきた。

「ねえ、どこから来たの?」

「前の高校では何をやっていたの?」

「趣味とかある?」

佐竹に様々な質問が飛んでくる。俺は少し、異変にきずいた。全ての質問に「瞬時に答えた」ことと、答えがすべて「短かった」ことだ。俺と同じ答え方だ。そう、ノーハートの。いや、まさかな。いくらなんでもまだ早すぎる。そういう人なのかもしれないし。反省しなくてはな。

「すまん。」

「え?」

しばらくの間、俺と佐竹に気まずい空気が流れた。もっとも、俺はそう感じていないが。

ちょっとみじかいかな・・・

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