タイムパトロール・アーム02
「撤退だ……!戦線を離脱……!全員自分の……!」
うわああああああ!とアームが飛び起きた。なんだか普段とちょっと違うから、心配してあげた。どうしたの?また何かあった?と聞くと、今あったわけではないという。昔、まだアームが諜報部にいたときのこと。もうどうしようもなくなって、撤退。命令があったわけではなく、現場で判断すればそれしかなかった。誰もが退却を選んだ。異論がある者など、一人もいなかった。でも。
「戻り道がないんだ」
絶対に進んではいけない。後退のネジは、しっかり締まっている。だが……あるはずの逃げ道が、ない。その後は何がどうなったかわからない。気がつけば本部に身を寄せて、この駐在所に送り込まれた。誰がどうなったのか、アームはわからないらしい。もしかすると……逃げ道があったら、死んでいたのかもしれない。逃げることしか考えないなら、格好の標的。後ろから撃たれる。でも、全ては想像の範囲。今こうなっているということしか、アームにはわからないらしい。
一度だけ、連絡があった。影も踏めないような大先輩だという。ここの人たちは、そんなにやわじゃない。それが本当なのかどうか、それもわからない。でも、そう言ってくれるなら、もうそれだけでいいという。自分が何者で、どうなっていくのか。もう何もわからないらしい。心配そうだったから、みんなわからないんだよ、ととりあえず言っておいた。




