特別な日の特別なサンタさん
クリスマスなんかきらいだ。
ぼくは自分でも、ぼくは、なんてひねくれたひどいやつだと思うけれど、それでも、クリスマスなんかきらいだ。
街はきらきら、輝いている。
なんでって?クリスマスをお祝いするんだろう?
むかしむかし、もう二千年もむかしにうまれた人。その人は、たくさんの人達を救けた。
それでその人が言ったことを、やったことを、今も信じて、よいことをするために、心のなかに持っている人がいっぱいいる。
その人が生まれた日を、クリスマスとして今も、特別に祝うのだと。
先生はそう言っていた。
べつに、ぼくはその人がきらいなんじゃないけれど。
そんな特別があるから、ぼくはーーーー。
「メリークリスマス!」
サンタクロースの格好をしたおじさんが、ぼくにも声をかける。あいさつを返さないのも、それはそれでかっこわるい気がして、ぼくは自分のきもちをがまんして、わらってみせた。
「あっ、君」
サンタクロースのおじさんが、なにかに気がついたように、ぼくをよびとめる。
「はい」
へんじをすると、サンタクロースはそっと腰をかがめて、ぼくのあたまを厚い手袋をはめた手でなでた。
「ああ。君にはこれも、お祝いしなくちゃね。ハッピーバースデー。」
えっ。あれっ。ぼくはおどろく。
そう。今日、12月24日は、ぼくの誕生日。
「おじさん。どうして、知ってるの」
「ふふふ。わたしは、かなしいきもちでいる子のことは、たすけるときめているからね」
おじさんのあかるい笑いがお。サンタクロースのおじさんにありがとうを言って、ぼくはすっかりうれしくなってしまう。さっきまでトゲトゲしていたこころがうそみたい。
急に、ぼくにも街のあかりが、たのしそうに見えてくる。
「メリークリスマス」
自分で声を出して、そう言ってみる。きらいだったクリスマスが、すこし、好きになれそうな気がした。
実はこのお話原案があるらしい。母方の祖母から時代とともにバリエーションを変えつつ語り継がれてきた暇庭家のクリスマスのド鉄板なのだが、原作あるいは原案があるという方はコメントにてご指摘ください。
ちなみに投稿したこれは、聖ニコラスは今の時代に来たらどんな子供をどんなふうに助けるだろうか……という話を主軸とする宅男版です。キリスト教なんかろくなもんじゃあないぜ!のロック全開な祖母版、お前が幸せを誰かにあげるのがクリスマスなんだよ!の母親版もあります。
ご指摘なければ、暇庭家伝家の宝刀としこのままオリジナルとさせていただきます(超失礼)




