第一話 異世界に来ちゃった
私たちは、歴史の授業をしていた。
「百人の召使がいて占いで政治をしたといわれる人は?」
それを聞くと、クラスメートたちがさっと手を挙げた。安永先生恒例のクイズだ。
「じゃあ、竜也君。」
「はい。卑弥呼だと思います。」
「正解だ。」
何のことない普通の授業。私―愛羅はそれだけで満足していた。あんなことが起きるまでは。
「じゃあ、次は――あ⁉」
気が付くと、私を含め先生とクラスメートの体がとてつもなく光っていた。やがて眼を開けられなるほど、まぶしくなり、目をつぶると――、
目を開けた先にあったのは、草原だった。
「ここは?」
クラスメートも不思議に思ったらしく、私の初恋の彼方君も周りをきょろきょろしていた。
「みなさま、おはよーございます!」
突然甲高い声がすると思ったら、私たちの近くに猫❓の姿をした執事が宙に浮かんでいた。
「わたくしはネコラーと申します。皆様方には、この世界を救ってくださるとありがたいです。ご安心を一人一人特別な能力を付与しますから、ご安心を。」
「どうして僕たちがこの世界を救わなければならないんだ。」
ナイスツッコミ。これだから彼方君はかっこいいのだ。
「簡単な理由です。この場には、有能なお方が3人ほどおりますからな。それ以外は、帰れ。」
ふう、これで帰れる。しかし、残ったのは私と彼方君と安永先生だ。
「えっ私が?」
「そうですとも。豊田愛羅様、宇宙彼方様、安永昌典様、まずはこの世界について知ってほしいのです。この世界は、あなた方が生きていた時代よりも前、紀元前数百年くらいです。この時代、この世界には登場しないはずの魔族が確認されており、現在の人族では太刀打ちなんかできない、一秒もってましというレベルです。
この魔族たちを、少しならいいですからあまり歴史を変えないで倒してください。」
「それをかいけつしたらどうなるんだ。」
「それは、この世界でもらったスキルをそのまま元の世界でも使用できる、などですかね。
まず、豊田愛羅様にスキルを与えます。
そうですね、聖邪の加護とかどうです?」
ネコラーが言ったとたん、私の身に温かい何かが流れ込んでくるのが分かった。
「アイシャラヴは、主に支援を得意とする能力です。死者蘇生や禁忌魔術など、幅広い魔法を使うことができます。まあ、わからないことがあったらわたくしを呼んでください。」
周りを見ると、彼方君や安永先生にも何か付与された様子だった。
「豊田。そっちは何のスキルだ。」
「アイシャラヴっていう、死者蘇生や禁忌魔術を得意とするスキルだけど。」
「そうか。僕は全属性攻撃だったけど。」
「安永先生はどんなスキルでした?」
「先生は全魔法記本だったよ。」
「そうなんですか。」
これから、どんなことが起きるのだろうか。そう考えたら、なぜかわくわくした。




