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プロローグ
初投稿です。
この日は大雨だった。
誰もいない公園で、独りの男がポツンと立っている。
「サヨナラ。」
ポツリと呟かれた一言。
瞳から流れる涙。
この場では雨の音が静かに響いている。
5分程経っただろうか、堪えきれなくなった男は声をあげて泣いた。
男、海堂一樹はこの日、大切な人を失ったのだ。
やがて落ち着いた一樹は、
「…帰ろう。」
と呟き涙も拭わずに歩き出す。
深くない傷を負い、涙も止まることは無い、それでも彼は歩き出す。
前向きなのか後ろ向きなのか、それは自分では分からない…