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ディヴィジョンマウンテン第47層

 起きて朝食を済ませたらさっそく46層に突入。ここは何がいるかな?おっと、ここも砂のちょっと潜ったあたりのところにいる魔物のようだ。しかも結構な数がいるのを感じる。


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≪識別結果

マウンテンデザートポイズンスネーク 危:C

山にある砂漠地帯にすむ毒をもつ蛇。砂地の中に身を潜め獲物を待ち、練り上げた毒を発射して相手を弱らせた後、毒の牙で噛み仕留める≫

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 一番近くのを識別したけど、その周囲に10、いや12匹もいるのがわかる。危険度が高いのは集団性があるからなんだろうか?それとも識別通りの危険な毒なのか?

 まだ体を現したりはしてこない。こちらに気づいていないだけならいいけど、多分僕の片足分くらいの大きさがあるんじゃないか?


「ベードここの集団が多いだけかもしれない。気づかれてないならゆっくり退散できそうか?」


「ば、ばぅ・・・」


 ベードはすごい警戒してるようだけど、少しずつ後ろに下がり始めてくれる。それに合わせて蛇たちもこちらにゆっくり寄るように動いてきてる。これ完全に気がつかれてるな。襲ってこなかったのはもっと近寄るのを待っていただけか。

 蛇たちもこっちが気づいてることが分かったのか、一斉に飛び出してきた。なんか口の前でためてないか!?こいつはやばいかもしれない!


「モイザ!粘土壁を頼む!炎とか水の壁で毒の球を防げるイメージがしない!」


「――――!」


 モイザが粘土壁を展開、それと同時にベードは後ろにと飛びのく。確かに壁が破れたら危ないもんな。そのベードの予想が的中したのか黄色い球の3発くらいが粘土壁をあっけなく突き破ってきた。

 なんか突き抜けてきた箇所が溶け出してる様にも見える。その空いた穴からさらに紫の毒の球が飛んでくるけど、壁部分にあたってかなり威力も落ちてるからか、こちらに届くことはなかった。

 なんか違和感がある、毒で溶けたなら毒の球もあっけなく突き抜けてくるはず。色も明らかに違ったし毒の蛇だけじゃないんじゃないか?ちゃんと全部識別してみるべきか。


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≪識別結果

マウンテンデザートアシッドスネーク 危:C

山にある砂漠地帯にすむ酸をもつ蛇。砂地の中に身を潜め獲物を待ち、練り上げた酸を発射して相手を弱らせた後、酸の牙で噛み仕留める≫

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 やっぱりそうか、違うのが3匹いる。どっちもクリーム色と茶色だけど、体の模様が毒はまだら模様だけど、違う3匹はストライプ柄のようだ。それにしても酸を持つ蛇か、こりゃ厄介そうだな。しかも気づかれてるから戦闘は避けられそうにない。

 でもこう数が多いとなかなかにきついものがある。モイザの糸術もどちらかといえば一体に対しての攻撃のようで、複数相手に練り上げるのは相当時間がかかることは聞いている。


「とりあえずやるしかないか!できれば始めに酸を出す奴を倒したいけど、まずはフレイムウェーブ!」


 砂地を這うように炎の波を放つ。これが一番全部巻き込めそうだと思ったからだ。そう思ったのに、蛇たちは体をばねのような要領で縮めて伸ばして、空中にと飛び上がって避けてしまった。


「まじかよ!」


「バゥ!」「――――!」「コ!」


 モイザ、フレウドがその瞬間を狙って追撃を行う。ベードは地面から影の槍を出して酸を出していた3匹を貫いたようだ。そしてモイザとフレウドの風と粘土の矢が空中に大量に現れて蛇たちにと降り注ぐ。30ほどの風の矢と40は超えるだろう粘土の矢が蛇たちの体を無数に貫く。


「なるほど、複数戦を見越した技も覚えてきたのか。それにしてもかっこいいな、こんな感じか・・・?」


 一番扱いやすい炎を二人を真似て空中にいっぱいの矢をイメージする。いや矢よりもできれば太いほうがいいな。とにかく貫きそうなのをいっぱいイメージする。


「よっし!ふりそそげ!」


 左手を掲げると、空中にフレイムランスのような槍先の形をした炎が50本ほど現れ、手を振りかざすと蛇たちにと降り注いだ。

 フレイムランスレインとでも名付けるか、これなら正面に威力のある牽制と攻撃どっちもできる。


「――――・・・」「コ・・・」


「ん?どうした二人とも、そんな目で見て?」


 なんかどうしてそんなと言われたように聞こえたけど、どういうことだろうか?まぁいいや。そんなことよりも蛇たちはどうなったか?


「さすがに消滅したか。矢が当たった時はまだ数体動いていたよな?」


 矢のあたり具合が悪かった奴らは砂地に落ちた後に少しうごめいてるように見えたけど、サーチエリアでも完全にこの辺の反応は消えた。かなり遠くにまた蛇の反応があるようだけど、あれは今は気にしなくていいだろう。

 にしても酸と毒か、これはかなり厄介だな。毒はまだ一応対抗薬があるけど、酸のほうは対抗薬もないし、装備に当たればおじゃんになっちゃう可能性もあるだろう。


「あんまり戦いたくないな。悪いベード、少し避けながら行こう。」


「ばぅ。」


 できるだけ階段方面を目指しつつ、まっすぐ行ったら気づかれそうなほど近寄りそうなときは迂回する。そういう風にしてもらってたけど、ずっとうまくいくわけではなく時折蛇たちに気づかれる範囲に入ってしまったり、明らかによけられない近さにいたりでなんだかんだ戦闘する機会もあった。

 こっちが気づいているし、ベードも素早くよけてくれるのでうまくフレイムウェーブで空中によけてもらって風と粘土の矢の雨と、炎の槍先の雨に沈んでもらう。

 47層では途中潜って回避しようとする個体が数体いたけど、それはモイザが砂壁を地中から作ることで空中に押しだし、しっかりベードは影で拘束、モイザは簡易的な糸術で拘束。しぶとく抵抗して毒の球や酸の球を出そうとしてたけど、口まで塞がれてうまく発動できなくなったところを仕留めていった。

 ちょっと下手に走り回ったり、戦闘も一回ごとにそこそこ時間がかかったからか、47層を越えるころには昼飯時を過ぎてしまっていた。遅めの昼食を済ませていざ48層と行きたかったけど、モイザとフレウドがちょっぴり消耗気味のようだ。急ぐこともないし、少し休憩してから行こうか。


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