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ディヴィジョンマウンテン第35層

ログイン前に現実のほうでだけど小休止したから気分もだいぶ収まったし、すぐに冒険者ギルドに行ってきて、40層までの魔物情報について調べるのも終わり、さっそく31層にと転移してきたわけだ。

31層も下と同じように森。生えてる木も同じ木のようだ。39層までこの森が続いて、40層は砂地らしいけど、それは今考えることじゃないね。

それよりも39層までにいるのも虫系統らしい。そして31から33層に出るのは二種類の魔物だ。さっそく片方を発見。


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≪識別結果

マウンテンスタッグビートル 危:E

山に住む鍬形虫。発達した鋏のような顎で挟んだ石も砕くことができる。好戦的ではないが角甲虫とは仲が悪い≫

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31から33層の2種の魔物は、こちらから攻撃を仕掛けない限りは襲ってこないって資料にあったけど、どうやら本当にそのようだ。

気配を消さずに識別できちゃったよ。木にくっついてるのはクワガタそのものだけど、大きさが僕の顔よりもでかいのが気になる。それに鋏虫よりもでかい感じの顎の牙も見てるだけで強力なのがわかる。下手に突かずに進んでしまうか。

そうしてしばらく進むともう一種類の奴を発見。こっちも木にへばりついてる。大きさはさっきのクワガタと同じくらいだけど、その立派な角が特徴的なカブトムシだ。


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≪識別結果

マウンテンホーンビートル 危:E

山に住む角甲虫。発達した角によって放たれる強力な一撃は石を砕く。好戦的ではないが鍬形虫とは仲が悪い≫

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なんか見てると昆虫採取でもしたくなってくるな。昔現実の森で一度だけクワガタとカブトを求めて森に入ったっけ。一緒に入った友達の3人は捕まえてたけど、結局僕はどっちも捕まえられなくてカミキリムシを捕まえて満足して、そいつをしばらく飼ってたんだっけな。

ちょっと懐かしい記憶を思い出しつつ、33層まで一気にベードに走って突破してもらうことにする。

32層途中でクワガタとカブトの鍔迫り合いのような光景を目撃して、少し見るために止まってしまった。どっちも頑張れとひっそり応援してたけど、カブトの角がクワガタの鋏を弾いてそのまま腹下に潜り込み体を貫いた。クワガタは消滅し、カブトは誇らしげに飛んで木に張り付いた。

なかなかこういう戦いを見るのも興奮するもんだ。僕もなんだか戦いたくなってきてしまったよ。

急いでも時間短縮が図れるわけではないので、ベードの走りに任せて33層まで突破。昼をだいぶ過ぎてしまっていたな。31層突破時点くらいで食っておけばよかったか?ちゃんと時間を見てなかった、ごめんよ。

34層に入って次なる木に止まった虫の魔物を発見。こいつからが情報通りだと結構厄介そうな感じなんだよな。


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≪識別結果

マウンテンスリープバタフライ 危:D

山に住む眠りを誘う蝶々。翼から落ちる鱗粉は眠気作用があるため、蝶に上を取られたり、接近しすぎには注意≫

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相変わらずこの世界の生物はでかいことで。広がった翼は僕の肩幅くらいあるよ。そして識別結果ではこれしかわからないか。情報では眠らされた後でも特に何かされるわけじゃなく、しばらく寝続けてしまうというデメリットだけではあるってあったけど、はてさてどうなのか。

とにかくこれ以上近づくのは危ないし、上を飛ばれてでもしたらわかったもんじゃないな。ちょっと久しぶりのフリップエリアを展開!これで良し。

試しに識別した一匹にフレイムアローを放ち急襲してみる。命中した蝶はふらふらと木から離れて飛び始める。なんか今にも落ちそうなほど弱ってるけど、そこら中に紫の鱗粉をまき散らしてる。

僕達の周りには鱗粉は入ってこない。ちょうど僕を中心に球体状のフリップエリアが鱗粉の侵入を目に見えて防いでくれている。とはいえこれ以上放置もできない。

もう一度フレイムアローでとどめを刺して消滅を確認。ドロップ品は山眠り蝶の鱗粉か。粉状のものがポーチに入ってるのか?

確認に出してみるとなぜか小瓶に入った紫の鱗粉が出てくる。この小瓶はどこから出たんだか、急にゲーム的ドロップになったもんだ。

深く気にしてもしょうがないので、しまいこんで進行を続行。ベードが気配を消してるおかげか、特に襲ってくる魔物ではないのか、こちらから仕掛けなければ襲い掛かってくるようなことはないけど、羽ばたいてるやつが鱗粉をまき散らしてるので、フリップエリアがあるとはいえ僕とフレウドのフレイムアローで処理。僕が2本撃ってもいいけど、フレウドにももっとアローの命中精度を上げてもらわないとね。

モイザも少し暇そうだったので、いつもは後方だけど、今は僕の膝の間に乗せてフレウドと一緒にアローを打つ手伝いをしてもらうことに。ひらひらと飛び回る蝶に当てるのはそれなりに難しいと思うけど1匹ずつなら二人ともきっちり命中させる当たりさすがだ。

ただ一つ上の35階層では4匹まとまって飛んでることが多く、そうなるとフレウドの命中精度が気になり始める。一気に4本つがえるのはかっこいいけど、2匹にしか当たってないぞ。

モイザはというとつがえた4本の粘土矢をきっちり4匹に命中させてる。僕はフレウドが外した二匹にフレイムアローで追撃。

そんな調子で35階層突破の頃には何とかフレウドも3匹一気に当てれるように放っていた。蝶々たちよ、君たちのおかげでフレウドも成長できたぞ。

結構いい時間だったので夕飯を食べてしっかり寝よう。明日からは36層の攻略だ。


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