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新しい防具に

 宿に戻ったのが光の刻すぎだったけど、やっぱりというかなんというか、リプレさんは受付にいるけど、まさか僕らを出待ちしているんじゃないか?


「えーっと、こんなこと聞くのも何なのですけど、僕達が戻って来るのを感知するものでもあるんですかね?」


「あらま!お客様にはいつでも迅速に対応したほうがいいでしょ?そういうものだと思っていてもらうしかないわねー。」


 答えになってない答えだけど、やっぱり戻って来るのを感知出来るっぽい気がする。とりあえず眠そうだったりはしないし対応してもらっちゃうか。


「とりあえず話してた通り26層までの攻略を終えてきました。それで、今のこの腕あてと靴より丈夫そうな装備って用意していただけたんですか?」


「ちゃんと準備できてるわよー。基本はお値段分の素材と交換でいいのよね?多すぎる分はちゃんと返すわよー。」


「それでお願いします、では確認してください。」


 話していたのは今僕の装備している貪欲犬の皮の腕あてと靴の更新だ。特に靴は思っている以上に耐久度が減っていて、いい加減取り換えようと思ったわけだ。

 ただ、商業者ギルドで装備を買うにしてもどんなのがいいか多すぎて迷ってしまったので、相談できそうな人ということでリプレさんを頼ったんだけど、なぜかおすすめ品を用意してくれるという話になったわけだ。


「あらま!またかなり集めたわねぇ。蟻の甲殻が311、飛蝗の足が474、鋏虫の顎牙が440ね。」


 蟻は倒した数を数えてなかったけど、飛蝗と鋏虫と同じくらい倒してたのかな?飛蝗は苦手な感じだったから少し多めに倒して進んだから、少し多いのはわかってた。


「僕は使用予定もないのですべて売却でお願いします。」


「わかったわー。じゃあこれ、お願いされてたものを渡すわね。四腕熊の素材で作ろうかと思ったのだけど、それだと術法メインって話してたあなたには少し合わないかと思って、魔道蛇の黒燐で作らせてもらったわー。腕あてと靴だけだとちょっと不安だから、これも言ってた通り胴当てもね。」


 ポーチから取り出された防具3種、胴当ては依頼するか悩んでたけど、作ってきちゃったならありがたく使わせてもらうか。

 手首から肘までを守る真っ黒な鱗模様の腕あて。靴は鱗模様はないけど、こちらも真っ黒。見た目的にも面接なんかの時に使った革靴そのものだから履きづらいかと思ったけど、履いてみて歩いてみると、結構しっくりとおさまる。歩きづらさもないしいいものだ。

 そしてベルト状の胴当てだけど、あれだ、どこかで見たことあると思ったらビルのガラス拭きしてる人のお腹に巻かれてるベルトに似てる。ここで付けてみたいけど、さすがにローブを脱ぐのはないな。


「ありがとうございます。ところで、商業者ギルドでも魔道蛇の素材なんて見なかったんですけど、これもダンジョンの魔物なんですか?」


「え?あっ、え、えぇ!確かそうよ!でも昔のお客さんの置いて行ったものでどこで拾ったかとかは忘れちゃたわねー・・・」


「そういうことにしておきます・・・それで不足金はいくらですか?」


「え?何を言ってるの?不足金はないわよー。むしろこっちが払わないと?」


 そんなことはないはずだ。識別してなかったけどわかる。これかなりいい素材を使ってる。識別すれば完全にわかるぞ?


-----------

≪識別結果

魔道蛇の黒燐腕あて 質:6E 耐久値:8200

所有者:リュクス・アルイン 装甲:20 知+30

魔道蛇の黒い鱗を使って作られた腕あて。術法を使う際の操作性を向上させる≫


≪識別結果

魔道蛇の黒燐靴 質:6E 耐久値:9000

所有者:リュクス・アルイン 装甲:15 知+20

魔道蛇の黒い鱗を使って作られた靴。術法を使う際の操作性を向上させる≫


≪識別結果

魔道蛇の黒燐胴あて 質:6E 耐久値:10500

所有者:リュクス・アルイン 装甲:30 知+40

魔道蛇の黒い鱗を使って作られた胴あて。術法を使う際の操作性を向上させる≫

-----------


 さすがに靴はあれだけど、腕あてだけで今のローブを上回る装甲があるし、耐久も段違い。それに含めて知のステータスへの恩恵があるなんて、絶対かなり高額な防具のはずだ。素材量は結構な数あるけどまだまだ30層手前の素材でそれも店舗に並ぶような素材だ。それだけで足りるわけがない。


「本当に足りているのですか?そんなはずはないと思うのですが。」


「わかったわよ!確かにこれはかなりの素材で作ってる。でもね、今回はこの素材たちとの交換ってことでおしまい。いいわね?」


「・・・わかりました。」


 うーん、好意としてなんだろうからもらうしかないか。こういう流れはトレビス商長で慣れたと思ったんだけど、やっぱりむず痒い。


「腕あてと胴当ての付け心地も試したいので、部屋に戻りますね。」


「わかったわ。また素材よろしくねー。」


 27層からの素材がどうなるかはわからないけど、またできるだけ集めておこうと思いつつ部屋に戻る。


「モイザただいま。おぉ!でき上ってるみたいだな。」


「――――?――――!」


「あ、なんか寝てたか?ごめんな。」


 僕が帰ってくると寝てたようだったモイザが起き上がり、布かけに干してあったローブをもって、出しておいた脚立にのぼって開いて見せてくれた。

 そこまでしなくても、と思いつつしっかりと見る。真っ黒一色じゃなくて裾部分に向けて灰色になるグラデーションがついててきれいな感じだ。

 今のローブを脱いで、さっそく着てみたいところだけど、まずは腕あての交換。紐を緩めて以前の腕あてを外したら、新しい腕あてをつけて紐を締める。つけ心地としては悪くはないな。ちょっと冷たい感じはあるけど。

 胴当ては留め具として先端にボタンがついてるので背中のほうでとめておく。つけきってみるとあんまりつけてる感覚がないな。そのうちローブ着てたら付けてるの忘れそうだ。

 さて一番のメイン、モイザが全部作ったはずのローブだ。まずはどんなものか見てみようか。


-----------

≪識別結果

四腕熊と粘土製作蜘蛛の合わせ布ローブ 質:5B 耐久値:12000

所有者:リュクス・アルイン 装甲:45 知+8

四腕熊の毛皮を粘土製作蜘蛛の糸で繕うことでできたローブ。熊の毛皮によって高い装甲性だけでなく、寒冷地にも強い作りになっている≫

-----------


 ふむ、外見はそんなにもこもこしてなかったけど、裏地が少し毛質が残っているようだ。着てみるとなかなかにいい心地。確かに寒さは防げそうだけど、熱いところは大丈夫だろうか?


「モイザ、あったかいのは嬉しいんだけど、暑いところは大丈夫そうか?」


「――――。」


「ん?ローブのここを緩めるのか?」


 ローブのちょうど両肩のところにモイザの飾り糸があると思ったんだけど、飾り糸ではなかったようだ。

 そこを緩めると温かい感じから一気にスゥっとした感じになる。肌に触れるもこもこの感じもほとんど感じなくなった。


「え、何これ?どうなってるんだ・・・?」


「――――!――――。――――・・・・」


「あ、ごめん、さすがにわからないや。」


「――――。」


「あぁ、大丈夫。しょげないでくれ。そういうもんだと思っておくよ、ありがとう。」


 どういう縫い方をしたらこんな風に作れるのか不思議だけど、頑張ってくれたのは確かだ。深く考えずありがたく使わせてもらおうじゃないか。


「皆調子は大丈夫か?大丈夫ならダンジョンに行こうじゃないか。」


「ばぅ!」「――――!」「コ!」


 よーし、防具更新もできたし、寝てはいないけど眠気はないし、さっそくダンジョンの続きに行こうじゃないか!トランスアルター、ディヴィジョンマウンテン20層へ。


この時点で40万文字を突破しました。

おめでたいこと?なのですがここで知らせ。

モイザの染色スキルを書き忘れていましたので書き足しました。申し訳ありません。

修正したはずですので、違和感があった方には申し訳ない。

やはり誤字脱字が多いですが、これからもよろしくお願いします・・・

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