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ディヴィジョンマウンテン第26層

 ログインした後、ダンジョンに行く前に少し確認があって受付に行ったんだけど、なんか絡まれちゃったな。まさか話しかけてくるとは思わなかったよ。まぁそれほど嫌な感じの人でもなかったからいいけど。

 確認事項は21層からの情報がいるかどうかって話だ。生産宿でも覚えておいて損はないんじゃないかと思って聞いたんだけど、なんかうまい感じであしらわれてしまった。

 覚えるのがめんどくさいのかな?それともちゃんと冒険者ギルドの資料も使ってね的な感じかな?後者かもしれないな、ギルド長の妹なんだし。

 そんなことがあったけどダンジョンに転移で到着。それにしてもほんと資料の通り森だなぁ、一応通れるけど、攻撃とか下手に大きくよけると木にぶつかりそうだなこりゃ。

 それだけじゃなく迷いそうだ。まっすぐ進めば次階層の階段があるそうだけど、迷ってしまったら背後にあるような空間の壁を頼るしかないかな?

 階段よりも後ろにも空間が続いているように見えるけど、奥に行こうとするとそこには壁がある。これじゃまるで鏡部屋のようだな。

 とりあえず進んでいくと一匹の蟻を発見。近寄ろうとしてもらって気が付いたけど、こいつらは歩き回ってるのか。大きさは膝下くらいあるけど、だいたい前に戦った酸蟻とおなじくらいだな。


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≪識別結果

 マウンテンアント 危:F

 山に住む個々で行動している蟻。突起した能力はなく、敵に近寄って噛みつくのみである≫

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 なんというか、識別結果から漂う悲しい感じ。お試しでウォータアローを一発お見舞いする。貫かれた水矢に驚き、こちらを振り向く。

 さすがに一発じゃ倒れなかったか。でもなんか動きがゆったりしてる?ならもう一発ウォータアローだ。貫かれた2発目の水矢によってそのまま倒れて即座に消滅してしまった。

 ドロップは今回はなしか。時折蟻の甲殻をドロップするらしいから、見かけたら狩っていくことにしよう。

 そう思ってベードとフレウドにも伝えておいたんだけど、ほんとまばらにいるせいもあって一匹一匹をベードが目視すると、駆け抜ける片方の前足の少し大きめに振り下ろし、そこから3つの切り裂き跡が飛ぶ斬撃のように放たれる。

 影爪の技はいつ見てもかっこいいな、威力も申し分ないようで蟻を影爪の一撃で倒していく。これだけの速さを保ちながらよくやるものだ。

 フレウドは出番なしでちょっと残念そうだったけど、僕としては乗ってて爽快感あったからよし。甲殻も22層越えて311個も集まった。ちゃんと数えてないけど500匹くらいは狩ってた気がする。


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≪識別結果

マウンテンローカスト 危:E

山に住む飛蝗。発達した後ろ足による蹴りは跳躍力だけでなく、攻撃性も高い≫

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 22層終わりで遅めの昼飯を食べて、23層に入り5匹でまとまってるバッタを発見。体自体はさっきの蟻と同じ大きさだけど、足の高さも合わせると膝くらいあるな。

 バッタって聞いてたから緑色かと思ってたんだけど、茶色というか灰色というか、微妙な感じの薄い色なんだな。

 どのくらい瞬発力があるのかわからないので、下手なことはせずに、僕は迎撃準備をしつつ、ベードに先制攻撃してもらう。ベードの影爪が素早く両前足から2発放たれて一匹に命中。

 命中した奴はダウンして消滅したけど、他の4匹の動きが早い!攻撃の後すぐに飛びのいて散開。そして四方から飛びかかってくる!


「フレイムストーム!」


 囲まれても大丈夫なように即座に撃てるよう準備していたフレイムストームだけど、こんなすぐに使うとは思わなかった。

 4匹のバッタは炎の渦に巻き込まれて消失してしまったようだ。確かに動きは速いようだけど、耐久力はないようだな。それか思ってた通り炎には弱いのか。

 でも一度散った後に僕たちに方向転換するために蹴られた木には、蹴られたであろう部分に少しばかりヒビが入ってるのがわかる。ってあれま、ヒビが治っていってるよ。

 この木を持ち帰れたら結構いい素材になるんじゃないのかな?誰かしらは考えそうだけど、何か持っていけない事情でもあるのか?


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≪識別結果

ダンジョンツリー 質:不明

ダンジョン内でしか生きることのできないが、とても生命力の強い木。枝葉もダンジョン外に出ると即座に消滅する。ダンジョン内で製作物にしたとしても消滅する≫

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 そうですよねー。そりゃ無理ですよね。というか質不明か。まぁどう使ってもダンジョン内でだけだもんな。うまく使えばダンジョン内でだけ使う武器とかにもできそうだけど、別に僕は木工技術があるわけじゃないし。木のことは忘れて、バッタたちのドロップ確認しましょうかね。

 残念ながら山飛蝗の足というよくわからない素材だけだ。量は5だけど10本あるようだ。発達した後ろ足なのかな?

 目をそらしてたけど、そういえば食料素材のところに虫系のが売ってたような・・・忘れよう。

 とりあえず倒しつつ進むかと気楽に考えていたのだけど、それが結構時間がかかった。突っ込んでくるときに僕のフレイムストームを使えればすぐに片づけられるけど、そうじゃないパターンでずっと周囲を飛び回るときがあった。

 これが厄介で、いつ飛び込んでくるかわからないのにフレイムストーム準備状態じゃ両手で構えてるので、他の術法を使えない。

 仕方なく構えをといて一番あの速さに適応できそうなのを使う。左手を前に出して、よく狙って・・・


「フレイム、アロー!」


 一匹は貫けた!で、もう二匹は?げっ!キキキチと声を荒げて別々にこっち飛んできてる!


「バゥ!」「コッ!」


 右前方のバッタにはベードが影爪で、左側から来たバッタにはフレウドがフレイムボールで対応してくれた。倒れるときはあっけなかったけど、めんどくさい。

 多分2,3匹に減るとあぁやって周囲を回り始める感じだなと気づいたのは、そんな流れをもう一回した時だった。

 23層を越えるころには時刻が結構やばいことに。どおりでお腹も減ってるわけだ。さっさと夕食を済ませてダンジョン内で就寝。

 24層も飛蝗狩りに時間かかりつつ昼前には突破。こういう面倒な相手にも慣れていかないといけないからね。最終的には結構いいペースで倒せてたと思う。


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≪識別結果

マウンテンイヤーウィグ 危:E

山に住む鋏虫。発達した鋏のような顎で挟める木ならば砕き折ることができる。肉食の為にほかの生物をちゅうちょなく襲う≫

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 25層のハサミムシたちに遭遇。達といっても3匹だけど、さっきの虫たちと同じほどの体の大きさだけど、やっぱ目が行くのはその顎だよなぁ。

 というか肉食っていうけど、何食べてるんだろう?ほかの生物なんて見かけないけど。まさか共食いなのか?いや今はそんなことはいいか。

 3本のフレイムアローをつがえて、3匹にそれぞれ放つ。炎の矢で貫いたはずだけど、こっちに振り向いてきた。これだけじゃ倒れないのか、火に弱いというわけではなかったかな?

 すかさずフレウドがつがえていた3本の風の矢を放つ。3匹にあたるかと思ったけど、2匹には命中。一匹にはそれてしまった。それた一匹はベードが影爪で仕留める。風矢の当たった2匹も消滅していたけど、風が弱点なのか?炎よりも効いてるような感じがした。

 確かめるためにも次のハサミムシにはフレウドの風矢で先制攻撃してもらう。相変わらず3匹中命中したのは2匹だけど、さっきのフレイムアロー当てた時より明らかに弱ってるのがわかる。

 僕のフレイムアロー3本とベードの影爪で3匹とも消滅確認。袋に合計12本量としては6の山鋏虫の顎牙というのが入ってるのがわかる。

 これは僕は使わないだろうけど、武器としてよさそうだな。防具用の皮素材エリアしか見てなかったけど、武器素材エリアには売ってたんだろうか。

 ハサミムシは正直遠距離からの僕の炎矢、フレウドの風矢、ベードの影爪でサクサク倒せてしまうので楽勝ムードですすむ。

 ただハサミムシが細めの木の根元を砕いて倒すところを偶然見かけてしまって、あの顎は危険だなと再認識する。あれをまともに食らったら下手したら即死なんじゃないか?

 ところで、ハサミムシたちは切り倒した木を食っていたけど、肉食なんじゃなかったのか?それとも木の中に食べる何かが住んでるのだろうか?

 そう思って食事現場を襲って確かめてみたけど、特に変わった感じはしないな。まさかこの木自体が肉要素も含むのか?さすがに食べてみる気はしないけど。

 26層を突破したところで2日終了。このまま3日目は上を探索と行きたいけど27層からの蜘蛛にはむしろモイザがとても行きたがっていたので、一度帰還することにする。ベードに確認した感じ、道は覚えたので隠密した状態でならば半日くらいでここまで来れるようだ。

 森で迷いやすそうな中、一応コンパスも見つつ、ベードの方向感覚を頼りに進んだけど、どっちに進めばいいかしっかりわかってるようだし、安心してゆだねちゃおう。

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