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ディヴィジョンマウンテン第20層

 翌日は予定通り17層に突入。聞いてた通りいたのは数匹の馬。ポニーって聞いてたけど結構な大きさで背の部分だけでも僕の腹上くらいあるし、頭は胸元くらいまである。


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≪識別結果

フットマウンテンポニー 危:F

山のふもとに住む馬。馬の中では体格は小さい種族である。比較的温厚で余計なことをされなければ、ほか生物に自ら襲い掛かることはあまりない≫

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 聞いてた通りな感じなんだな。というかベードが気配を出しても別に臆せずにじっとこっちを見てるだけなんだけど。

 うーん、なんかこっちもじっと見てると敵対行動と思われちゃうかな?下手に刺激しないようにさっさと進むか。

 そう思ってベードに走り始めてもらったんだけど、なぜ馬たちよついてくる!しかも結構早いのか、ベードの後ろにちゃんとついてこれてるし。ベードも困り気味な感じだ。


「一度気が付かれると振り切らなきゃ気配消せないもんな。気になるならもうちょっと速度上げるか?僕たちは大丈夫だぞ。」


「ば、ばぅ。」


 僕達が楽なように速度を調整してくれてたけど、僕達が耐えられるギリギリくらいまで一気に加速する。

 さすがにその速度には追い付けなかったのか、いつの間にか馬たちは見えなくなっていた。ベードも気配を消したのか。他の馬は近づいてもこっちに気づく様子はない。

 せっかくあんまり敵対的じゃない魔物なんだし、余計なことになってもしょうがないので、そのまま気配を消して3層全部抜けてもらうことにした。

 そして20層へ到着。とりあえず聞いてた馬の姿は見えない。そう思うと抜けるだけならこのまま気配を消して階層の端っこ通り抜けちゃえばいいのかも知れない。

 そんなずるいことを考えついてしまったので実行。予定通り階層ボスに会わずに階段前までたどり着いたんだけど・・・


「痛っ!やっぱダメか・・・」


 思わず声が出てしまった。階段の入り口を黄色いテープみたいのがふさいでいた。そのテープのような線をよけて階段のほうに手を伸ばしたはずなのに、静電気のようなバチッとした痛みに手を引っこめる。

 ここまでの階層にはなかったけど、ここはボスを倒さないと通さないということなんだろう。しょうがない、階層中央に行くか。

 中央で階層の地面に生える草をもしゃもしゃしてる大きな影を発見。あれがマウンテンブルトンホースか。ベードより少し背丈は大きいか?横幅は完全に向こうのほうがでかい。

 これで危険度Eか。おそらく術法の類は使ってこないからなんだと思う。それぬきでも結構タフそうだ。


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≪識別結果

マウンテンブルトンホース 危:E

山に住む馬のとても体格の大きい馬。非常に気性が荒く、自分以外の何かを見つけるとそれに向かい襲い掛かってくる≫

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 おぉこわ。下のポニーとは真逆の性格じゃないか。でもやらなきゃ進めないなら戦うまでだな。ここは先制攻撃するか。


「2手に分かれよう。僕は下りて戦う。あの体格だいくら危険度Eといっても油断するなよ。」


「ばぅ!」「――――!」「コ!」


 右手に杖を持ち、フリップスペースを、左手にはフレイムランスを準備して一気に突っ込む。こっちに気が付いたようだけど、ちょっと対処が遅い!

 思い切り頭に目掛け炎の槍先を打ち込む!そしてフリップスペースの打撃で吹っ飛べ!


「んなっ!ふっとばな・・・うげふっ!」


 いってぇ・・・手痛い反撃食らっちゃった。フリップスペースでも吹っ飛ばなかった馬は体を翻し、後ろ足で思い切り僕を蹴り飛ばした。油断するなといった僕が一番駄目じゃないか。

 でも立てないほどの痛みじゃないってことは、威力はそれほどでもなかったってことか。でも頭に突き刺したはずのフレイムランスでも、ちょっと頭にやけど跡できてるくらいだし、かなりタフなのか?

 馬は完全に僕のほうに意識が集中してる。その後方からベードが近寄り、頭上のフレウドが油弾を放った。

 急に後ろから浴びせられた液体に慌てて馬が振り向く。それは隙を見せるだけだな!すぐさま炎を小さく集めるよう集中!


「フレイムスフィア!」


「ブルヒィィィ!」


 放った炎の球体が命中、激しく燃え上がり始めた馬が抵抗するようにその場をうごめきまわる。

 僕はさらにフレイムスフィアを放つ。ベードは影の槍、フレウドは炎の矢、モイザは粘土の矢をそれぞれ放つ。

 いわゆる囲んで殴る状態だ。僕の炎が消えることはなく、ただひたすらに暴れまわっていた馬だったけど、最後はその場に倒れこんで消失した。

 体感的には結構長く戦ってた気がするけど、あんまり時間はたっていなかった。タフではあったけど、苦戦とは思わない相手だったな。


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≪種族レベルが2上がりました2ポイントを任意のステータスに振り分けてください≫

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 おぉ、これだけで2も上がるのか。もしかしてこいつカモなのでは?まぁ同じ場所での経験値稼ぎはやろうと思ったときにやる感じがいいな。今はどんどんダンジョンのぼりたいし。ポイントはちょっと悩んだけど速に振るか。

 それにしても無駄に僕が一撃食らっちゃったのはよくなかったな。接近戦はやっぱりもうちょっと相手を考えたほうがいいかな。まぁそれも含めて対応できるようにと速に振ったけど、正直安全策なら術法とかによる遠距離戦が一番いいもんね。

 まぁさておきドロップ品は、マウンテンブルトンホースの皮か。これも裁縫とかにいいのかな。モイザは使うつもりはない感じだったし、これもリプレさんに売っちゃうのがいいかな。

 階段につくとさっきの黄色いテープのような線は消えていて、普通に上ることができた。踊り場の祭壇に手を触れて蝋燭に青い炎が付いたのを確認。

 ちょっと時間は早いけど、一度宿に戻ってお昼食べたら21層からのことを冒険者ギルドに調べに行くか。


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