ディヴィジョンマウンテン第10層
ログイン、さぁさぁダンジョン攻略の続きと行きますかね。まだまだ序盤だからか、強い魔物はいなかったし、とりあえず攻略済みの5層まではベードに一気に駆け抜けてもらおう。
1層から4層までは気配を消して鼠を回避して進む。ここまでは順調。5層は逆に気配を出して猫を散らして進んでいく。やっぱり猫が気になるのか、逃げる姿を目で追ってしまうベード。
「うーん、やっぱり狩りたいのか?」
「ば、ばぅわぅ!」
おいおい、そんなに首横に振ったらフレウドがかわいそうだろ。わかったわかった。気にしちゃうのはしょうがないのはわかったから。
そんなことがあってからは5層を抜けるベードの足が少し早くなった。まだ何とか体はついていくけど、これでも一番初めの時の最高速の風を切る感じじゃないんだよな。あの速さに慣れたらもっと早く抜けれるんだけど。
そんなことを思いつつ第6層へ。再びの猫たちの姿を見てちょっとぽかんとしたベード。ちゃんと言ってあっただろ?7層もこんな感じだと思うぞ?
5層のスピードそのままに、6層、7層を突破したけど、気のせいかな?ベード少し目をつぶってなかったか・・・?
まぁ突破できたらからいいとしよう。さて第8層まで光と氷の刻ちょっと前までに来れたのはよかった。おそらくこのまま駆け抜ければ10層超えても昼ぐらいはつけるだろう。なので8層で犬とすこし戦ってみようと思ったんだけど・・・
----------
≪識別結果
フットマウンテンドッグ 危:F
山のふもとに住む犬。獲物と思う相手には容赦なく襲い掛かるが、より上位の犬や狼に出会った場合にはその存在に服従する≫
----------
まずベードに戦ってもらって、そのあと僕がなんて思ってたのに、ベードの姿を見た瞬間、その場にがっつり伏せて、まるで命を捧げますと言わんがごとく首を差し出すように上を向いてるし。
他の奴も転がってあおむけに腹を出したり。伏せてたり、礼をするがごとく座った状態で深く顔を下に下げてたり。
これにはベードだけじゃなく、僕も含めみんな唖然。さすがに戦う気も失せちゃったよ。しょうがないので8層も戦わずに進むことに。
ベードが走り始めると、僕達についてこようと犬たちも走り始める。しかし早さが全然足りずにすぐに置いてけぼりに。まぁ、ついてこられても困るのでいいでしょう。
なんて思ってたんだけどなぁ、どういうことなのか8層の階段前に10匹の犬たちが座って待機していた。なんか情報網でもあるのか?
僕たちの行く手を塞いでいるのかと思ったけど、ササッと横に退いて、階段の左右に5匹ずつ配置。まるで王への道といわんがごとし・・・
ちょっと微妙な感じのベードは止まった足を進めて、その間を駆け抜けた。むず痒いという感じかな?
9層と10層はしっかりベードは隠密状態になってたのか、犬たちは近くを通ってもこちらを気にかける様子はなかった。
ちょっと予定外のこともあったけど、10層でボスらしき姿もなかったし、ここの犬たちは何かに仕えたかったのかな?
しかし全部テイムとかにならなくてよかったよ、僕が何かしてたら怪しかったかな。というかダンジョン内でもテイムできるのかな?うーん、まぁ試したい相手がいたらでいいか。
10層の階段を上ると、踊り場のようなところに宿で見たのと同じ祭壇を発見。とりあえず手を触れると、飾ってあった蝋燭に青い火が付いた。これでここを記録したってことかな。
一旦リターンアルターで宿に帰宅。昼時なので受付のアピエギルド長の妹さんには少しのあいさつで部屋にと戻る。
まぁこれから作るつもりはなくて、昨日の作り置きのを食べるだけなんだけどね。今日は丸々鶏肉のから揚げだよ、そう素揚げじゃなくてから揚げ。
ポーチから出したタッパーのようなガラス容器、これもこの街で売ってた別タイプの器だけど、これなら気にせずポーチに入れることができる。来訪者由来らしいけど、伝えたその人はグッジョブだな。
別に皿のまま入れて、皿を取り出すこともできるんだけど、やっぱりちょっと気になっちゃうんだよねぇ。
さてさて、従魔の4人にはそれぞれお昼にあり付いてるし、僕も一口大のから揚げをパクリ。止まった空間内にあったからカラっとジューシーで熱いくらいだ。
8個ほどまとめて入れてたけど、食べつくしてしまったよ。意外と腹減ってたんだな自分。
腹ごなしは終わり、ダンジョンの触れた祭壇にみんなで戻れるかを試したいところだ。でもその前に受付にと足を運ぶ。
「あらま、さっきぶりね。ごはんは終わったの?」
「おわりましたよ。先ほどはすいません。」
「いえいえ、いいのよー。それでだいぶ早く帰ってきたけどお昼を食べに戻ってきたってわけじゃないのでしょう?」
「そうですね、10層まで進んだので11層からの魔物の情報を知りたくて。」
「あらま!本当に早いのねー、今日は素材は売っていかないのかしら?」
「残念ながら何とも戦っていないので、犬たちもベード・・・うちの狼に服従しちゃってなんか倒す気にはなりませんでした。」
「あらま、そんな習性があったのねー。でもそういう魔物でも倒しちゃったりする人も多いのよー。あなたは違うのね。」
まぁそうだろうな、魔物は魔物と思う人は少なからずいるだろう。あくまで僕がちょっとリアル感のある彼らが服従したのに倒すのをためらっただけだ。
「あらま、そうじゃなかったわね、ごめんなさいねー。11層と12層は確かフットマウンテンゴートよ。危険度はFだったかしらね。ただ結構むやみやたらに突進してくる獰猛な感じだったはずよ。気を付けてねー。でも山羊皮を落とすそうだから、よければいっぱい倒してきて頂戴ねー?」
「は、はい、まぁそれなりには狩るかと思います。それで10階の祭壇に飛んでみたいのですが、部屋でうまく飛べない場合は祭壇部屋かりさせてもらいますね。」
「それを言いにきたのねー。わかったわ、もしそのままダンジョンに行くなら気を付けてねー。」
「ありがとうございました。」
部屋に戻って待ってた3人を集合させる。ちゃんと触れられるくらいの位置に集まってくれるのはありがたい。
一応、ダンジョンに行く用のそれっぽいのは考えてる。あとは実際に試すだけ。思い浮かべるのは10階の祭壇。
「トランスアルター、ディヴィジョンマウンテン10層。」
視界がぐにゃりとまがったかと思うと、即座に暗転する。そして暗転した視界がぐにゃりと戻ると、目の前に祭壇が見えた。
ちらっと後ろを見ると、ダンジョンの白い階段が上下に続いてるのが見える。ちゃんと10層に到着できたのかな。
「みんな大丈夫か?大丈夫なら11層の攻略に行こうか。」
「ばぅ!」「――――。」「コ!」
皆は大丈夫みたいだな。じゃ僕はベードにまたがって少し視界の休憩させてもらおう。ちょっとさっきの感じでめまいがするや・・・
フットマウンテンシープ→フットマウンテンゴート