表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/180

ディヴィジョンマウンテン第1層

 ダンジョン前にちゃんと準備は欠かさない。商業者ギルド横の直轄店でダンジョン用テントと、お勧めされた手持ち時計を購入、これでいつでも現在時刻がわかるようになった。

 ダンジョン内は日夜問わず同じ明るさらしいから、時刻を知るならこういうのが必須なんだそうだ。

 北門を出ると、ほぼ目の前がディヴィジョンマウンテンの入り口の洞窟だった。その手前の左右にバレーカタコンベへの下階段もあったけど、そっちは無視で。

 山がでかすぎてここまで近づくと上が見えないな。宿前では逆に全部見えたのに。まぁいいや、とにかく入ろう。今は最上階を目座すつもりはないし。

 入ってすぐは少し暗い感じの空間が続く。そして視界が開けるとあたり一面の草原、それも見慣れた感じの草原だ。

 山の中のはずなのに上は空のように見える。太陽とか雲はないけど、青空という感じがする。まさしく異空間だな。

 そして遠目に鼠らしき姿が見える。スモールってくらいだから結構小さいのか?せっかくなのでベードに頼んで近寄って識別してみる。


---------

≪識別結果

 フットマウンテンスモールマウス 危:G

 山のふもとに住むちいさい鼠。明るい場所に向かって迫ってきて襲ってくる≫

---------


 明るい場所に迫ってくる?うーん、もしかして炎術使うとそこにたかってくるのか?やってみないとわからないな。

 というか全然小さくないじゃん。僕の脛くらいの大きさあるんだけど?ってことは普通のはもっと大きいのか。なんかそんなのに噛まれたらいやだな。

 まぁこいつらはアタックラビットくらいの強さなんだろうから、予定通りやりますかね。


「ベード、こいつらを好きなように倒してみろ。モイザ、フレウド。僕たちはベードがどう動いてもいいようにする練習だ。」


「ばう。」「――――。」「コ。」


 そんなわけでまずはベードに乗ったまま、ベードが近接主体の戦いができるよう、僕達が乗り続ける練習だ。

 まず目の前の識別した鼠にとベードが飛びつき、結構鋭利な前足の爪で引き裂いた。飛びつく瞬間、ちょっとふわりと浮遊感を感じたけど、落ちることはなかった。

 倒れた鼠は体感数秒もしないで消えた。

 モイザは糸のおかげで全然平気そうだったし、フレウドはちょっと不安そうだけど大丈夫だったか。

 モイザが何か思いついたように糸を出し始めて、フレウドの体とベードの首元に糸を巻き付けてしまった。


「それは、ベードもフレウドも微妙そうな顔してるからやめておこう。」


「ばぅぅ・・・」「コ・・・」「――――・・・」


 うん、いい案ではあると思うんだけどな。ちょっと位置が悪いし、フレウドの羽が糸に絡まれてると動きづらそうだ。

 といってもフレウドはベードの頭上がもう定位置っぽいし、そのあとのベードの動きにも、上手く羽ばたいたりして落ちないようにしてる。

 一番危なかったのは噛みつきをしたときかな?思い切り頭を下げたせいか、落ちかけていた。いや僕がキャッチしてなければ落ちてたかも?

 ただベードとしてのもともとの主力はやっぱり影よりも爪よりも牙なんだよね。何かうまい案がないかと思うけど、ベードとしては爪と影の戦術に切り替えていきたい感じらしい。

 それならその意思をくむことにしようか。そしてもっと瞬間的な移動くらいには耐えられるようにしないとな。まだ最高速を維持し続けると風が痛いし耳が痛いけど。少しよけたり攻撃したりで素早く動く分には平気になってるし。


「もっと集めてみるか。集まるかはわからないけど・・・フレイムボール。」


 今まではこちらからの一方的暗殺だったけど、できれば向うからたくさん来た場合を想定したい。明るいところに集まるらしい鼠を誘き寄せるために、フレイムボールを頭上に掲げてみた。

 するとあれよあれよと遠目から鼠の軍が押し寄せてきた。うん、思ってた以上に来ちゃったかもしれない。


「僕が処理しようか?」


「ばぅ!」


「行けるか、よし。やってみろ、モイザとフレウドも引き続きベード上で待機だ。」


「――――。」「コ。」


 何十匹集まっただろうか、大量の鼠がわらわらと押し寄せるさまはちょっと怖いくらいだったけど、自身の爪とさらに影の爪跡のような攻撃で瞬く間に鼠の数を減らしていく。

 結構激しい動きだけど、僕もしっかり糸手綱をにぎって振り落とされないように、動きに合わせる。

 モイザはほぼ固定されてるからいいとして、フレウドは時折羽ばたいて体勢を保ち、結局全部鼠を倒し終えるまで落ちそうになることもなかった。


「うーん、?まだまだ練習は必要だろうけど、今はこのくらいで大丈夫か。次は僕が一掃してみるよ。」


 少し場所を変えて再びフレイムボールを頭上に掲げる。また遠めの鼠も含めた大量の鼠がこちらに迫ってきた。周囲を囲まれたときの対処はこれだな。


「フレイムストーム。」


 ベードを中心に炎の竜巻が起こる。まっすぐ向かってきてた鼠たちはそのまま炎の渦にのまれで焼失。うん、この威力でこの程度なら大したことはないようだな。


 ----------

≪職レベルが1上がりました1ポイントを任意のステータスに振り分けてください≫

 ----------


 え、今ので上がっちゃったの!?多分40も倒してないぞ。すごいレベルの上りが早いのか?まぁ確認しておこう。


---------

<キャラクター>

 名:リュクス・アルイン

 性:男

 歴:18

 種:ヒュム

 職:ハイテイマー

<ステータス>

 種:Lv5

 職:Lv1

 命:7100/7100

 魔:8410/8580(+13)

 力:144

 技:295

 速:135

 知:655

 秘:2604

<スキル>

【テイムLv50】【時空術Lv13】【魔獣言語Lv14】【愛でる手Lv15】

【料理Lv34】【集中Lv37】【炎術Lv5】【合成Lv3】【騎乗戦Lv3】

【棒術Lv1】【水術Lv2】

<スペシャリティ>

【全識別】【六感分析】【テイム上限解放】【暴力的幸運】

【従魔永続待機】【指示系統】

------------


 あれ、スキルレベルは一切上がってないな。というかなんか10から1にレベルダウンしちゃったんだけど・・・

 いや、これちがうか、ハイテイマーのLv1に上がったってことなのか。10だったのはテイマーのLv10が残ってただけなのかな。

 だったらLv0とか、まだテイマー表記のまま次レベルアップでハイテイマー表記のLv1にしてほしいものだ。他にも不満持ってる人はいそうだし、まぁそのうちに修正されるだろう。

 ポイントは魔に振っておいて、これで合計14か。20くらいまで振ってがっつり上がったら他にポイント振り始めてもいいかもな。


「モイザとフレウドも鼠を相手にしてみるか?」


「――――。」「コ。」


 モイザは拒否、フレウドはやる気あり。じゃあフレウドと燃やし尽くしつつ進みますかね。

 進む道の鼠どもを一掃しながらちょっと遠目に草原に似つかわしくないまさしく階段を発見。門兵の人が教えてくれた通りほぼまっすぐ進めばいいだけだったな。ちょっと余計なお世話って感じもしたけど、無駄に歩き回らずに済んだかな。

 丸い手持ち時計で時刻を見ると、まだ光と深の刻の表記になっており、針は半分手前を指してる。うーん、ちょっと早いけどここで飯にして今日はここで休むか。明日は次の階層の同じネズミを相手にしてみて、あんまりかわらなそうならベードに駆け抜けてもらっちゃおうかな。


しばらくダンジョン回が続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ